ご来訪有難うございます。
前回は大画面映画(特にシネラマ70mmで上映された映画)と上映に伴う苦労などを紹介しました。そして、今回は久々のオーディオ編ということで、ハイレゾについても触れたいと思います。趣味の世界の自由気ままなお話しですが、どうぞお付き合い下さい。
なお、 以下に掲載する写真は、今回のオーディオ趣味のお話しとは直接関係はありません。
また、掲載順はランダムです。 各地ゆかりのオーケストラをもっと多く掲載したかったのですが、まずはPCにある写真から重複も含めて組みました。どうぞご了承下さい。

ところで、TBS『陸王
👆(原作 池井戸潤) の二度のロケが我らが街、豊橋市で行われました。 ここで、東三河のPRも兼ねて写真を掲載させてもらいます。豊橋ロケ全画面表示でどうぞ。)
●① 陸王
(写真は大村知事twitterと豊橋市の東三河食糧株式会社さん、TBS提供のものを掲載させて頂きました。有難うございました。)

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【音楽を聴く環境にも年々変化が…】
好きな時に好きな場所で、好きな音楽が聴ける・・・こんなことは『オーディオマニア』という
言葉がまだ現役だった時代には、とても考えられないことでした。ところが、今では誰もが手軽に音楽が聴けるようになっています。そんな時勢に『オーディオ趣味』というのは時代錯誤かも知れません。しかし、オーディオ趣味の目的が、あくまでも音楽をより心地よい音でしっかり楽しむための手段と考えると、あながち時代遅れでもなさそうです。

このブログのオーディオ趣味編では、かつてのEP・
LPといったアナログレコードやFM放送(時にはライブ放送)、また、そのエアチェックやレコード盤からの録音再生での諸問題解決への苦労話をして来ました。特に、現役の Altec A7-500-8 については、自分にとって、心地よく鳴ってくれるまでの話には多くの時間を割きました。
結果として、『デジタル再生での補助ソフト』と『高音域担当 JBL 2405H』に少々手伝ってもらいましたが、エイジングの済んだ自作A7は当初の姿のまま、満足のいく音で活躍してくれています。プロ用機器の性能の維持・・・耐久性等には、本当に感心します。
 
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② NHK交響楽団 (東京音楽大学合唱団)
  (※ NHK交響楽団は、お気に入りのオーケストラ! テレビでよく聴くことが影響しているかも知れませんね。)
では、 シャルル・デュトワ指揮のN響、 シベリウス作曲 交響詩 フィンランディア
です。
     この曲は、 ダイ・ハード2にも使われており、 中間部はフィンランディア讃歌
👆讃美歌としても親しまれて来ました。
 せっかくの機会、中間部をEnsign Symphony & Chorus(ジェニー・オークス・ベイカー) のヴァイオリンでお聴き下さい。
 
【オーディオ機器の性能差と価格差の乖離・・・】
音楽再生の入口で
音質の良否を決めるほど重要だったレコードプレーヤーとカートリッジ、オープンリール・テープやカセットテープのレコーダーなどのアナログ機器は、1988年以降、CDが市場に定着するに従い、徐々にその役割を終えることになりました。(復活の気配も !? )
今では、パソコンやスマートフォンでの音楽鑑賞が若い人の定番となっているとの調査結果もあります。その若者の多くが手のひらに乗っかる軽量スピーカーと小型のサブウーファーで音楽を聞いている!?・・・場合によっては、ヘッドホンがメインの再生機器なのかも?
こんな背景も、かつてのようにオーディオ機器が売れない原因のひとつだと思います。
また、
良心的な音響メーカーでも多く売れなければ大量生産でのリスクは避けざるを得ず、それでも真摯に高性能な音響機器を提供しようとすれば、その価格は大変高額になります。
そして、この機器がコストパフォーマンスを含め、オーディオ評論家やマニアから適正に評価された結果として売れれば、これを購入できる人々やメーカーには幸せなことです。

その一方では、高額なほど高音質だ!なんて、寄付金や水晶玉が高額であるほどに御利益があると信じる人々もいるようです。オーディオ機器には、その価格に見合う製品もあれば、一部には、まるでお金をドブに捨てるようなものもあると、私は思っています。
ドブに捨てる?表現が過激?  これは性能が劣るとか法外だと言うつもりはありません。
例えば、使いこなし次第で、自分にしっくり来る音づくりが出来そうな機器が手頃で適正な価格でも見つかるのに、安易に見栄えのする大変高額な機器を選んでしまう・・・おせっかいを承知で表現したものです。これについては、後半のハイレゾのお話しで触れたいと思います。

期待通りの優れた機器を適正な価格で提供しているメーカー・・・ 勿論、ありますが、私にはスピーカー以外のオーディオ機器、中でもアンプ類で見られる性能差と価格差の乖離の理由を的確に説明することは出来ません。
スピーカーやヘッドホンのように音を直接発生させる機器では、自分の好み(期待する音)に合えば『心地よい音』・・・『いい音』と感じられるでしょう。とは言え2組のスピーカーを聴き比べて『より良い』と感じた機器の価格が、予算の10倍どころか100倍だと分かった瞬間、普通のサラリーマンならそれを選択するのは、困難だと判断します。残念ですが。
   (注:この例では、試聴する部屋の状況には触れないでおきます。それこそキリがありませんから。)
しかし、その心地よい音が、たとえ自分の好みによる独善的な印象だった
としても、その音への憧れが自分の音づくりの大きな指針になるかも知れません。
奥の深~い趣味の世界は、金持ちの道楽とは違います。浮いたお金は音楽ソフトや部屋の改善に回しましょう。
では、趣味の世界として、それが買えたとしたら? ・・・ 残念ながら、オーディオの深~い落とし穴にはまったことへの後悔の気持ちが・・・あなたを待っているかと思います。(笑)
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④Mantovani - Paul Mauriat
  (※ イージーリスニング曲の多くがメリハリのある音づくりでも、心地よい響きをゆったりと聴かせてくれます。)
     マントヴァーニ・オーケストラの「シャルメーヌ」
・・・ 半世紀以上前の録音ですが、今聴いてもいい音です。
         もう1曲、懐かしい林忠男のハープの演奏でジョン・バリー作曲「ある日どこかで
のテーマをどうぞ。

【生演奏で音楽が聴けることは・・・ 音楽鑑賞の環境として最良!?】
ここで、皆さんにちょっとお尋ねします。これまでにコンサートを含めて、生の楽器の音どれくらい聞いて来られましたか? 身近なところでは、リコーダー、ハーモニカ、ギター、ピアノ、オルガン・・・中学や高校時代にはブラスバンドのメンバーだったかも知れませんね。
これらは、演奏の出来不出来によらず、歌声を含め、確かに生の音です。
『いやあ、生演奏で聴くジャズ・ボーカル・・・特にバラードなんか最高‼』と言われるあなた、その音は、もはや生ではありません。 歌手の声は、マイク、ミキサー、アンプを経由してスピーカーから再生された音で、一部のオーディオマニアから音楽再生機器としての評価が低いとされる PA (Public Address) の一種 SR (Sound Reinforcement) の音です。 オペラや合唱は別として、 ジャズ等のボーカルをSRなしで聞かせる場面を私はまだ知りません。
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③Jazz Vocal
※"Vocal” の例です。  ジュリー・ロンドン
👆ミスティダイアナ・クラールのピアノとボーカルで👆恋の面影ペギー・リーの  👆ジャニー・ギター・・・はいかがでしょうか。もう一曲ペギー・リー👆So in Love・・・どこかで聞いた曲? そうです、 昔々、テレビで毎週。 どうもまだイメージが・・・と言われる方は、 懐かしい👆"So in Loveをそのままお聴き下さい。 
     そして、 極めつけはエラ・フィッツジェラルド
👆So in Love!(コール・ポーター作曲、ミュージカル"Kiss me Kate")
ところで、 写真右端の上段に映っているのは、Altec A5ですね。今にも歌声が聞こえて来そうです。 


  なお、クラシック音楽のコンサートの場合、基本的にはSR(音響機器)は使いません。 音の反射や残響の豊かさは勿論、収容人数等も計算した上で、SR(音響機器)なしでもしっかり聴取できるように、ホールが設計されているのです。
コンピュータもない200年以上も前の西欧・・・優れた建築家の手腕がホール建造でも発揮されたと思います。

このブログで、ハイファイ(High Fidelity) について触れたこともありますが、原音再生を際限なく求めても実現は困難⁉  それどころか不可能などとも言いました。そして、いい音の概念を『自分にとって心地よい音』と抽象的に表現しました。しかし、音楽の再生では、心地よければ良いとうい単純なものではないことも十分理解しているつもりです。

では、仮にこれらの生の音を完璧に再生出来れば・・・それが求められる音なのでしょうか?  生音の再生・・・それが可能だとしても、それだけでは不十分なことに異論はないでしょう。
それを私は、『録音』と『再生』との間で、
音づくりに関わる人の手で聴く人の感覚に訴える何かが加わって、はじめて音楽の楽しさや素晴らしさを感じさせることが出来ると思っています。(当然ながら、演奏者の頑張りの演奏があってのことですね。😊それには、作曲者や指揮者 (演奏者) の主張や気持ちを最大限尊重した技術者の音づくりの姿勢が必要でしょう。
なお、気楽に音楽を楽しむことを望んでいる現在の私にとって、
オーディオ評論家や多くのオーディオマニアの言う『原音再生は要りません。元より原音を知りませんからね。

私の場合、
生の音生の音楽の雰囲気・音場を基にしつつ、私好みの音づくりに努めるようにしているのです。それって原音再生への挑戦では?・・・皆さんを混乱させるつもりはありませんが、ちょっと  ・・・  いや、かなり違ったアプローチかも知れませんね。 あとで触れることにします。
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⑤ Pops Orchestra
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シンシナティ・ポップス・オーケストラボストン・ポップス・オーケストラミシガン・ポップス・オーケストラ さすがに楽しいポップス・オーケストラ! その雰囲気・・・クラシックとはちょっと違いますね。

【 趣味としての
音楽鑑賞・・・果たしてハイレゾでの再生が本当に必要か?】
ハイレゾの音楽ソフトが、ここしばらくの内に続々と登場しています。ネット環境の進歩もハイレゾの普及促進にずいぶん貢献していると思います。インターネットの普及は歓迎すべきことですが、音楽業界やオーディオ業界がハイレゾにこだわり過ぎることに、私は疑問を抱いています。音楽鑑賞を半世紀以上趣味にして来た私は、これまでレコード盤をはじめ、ここ30年近くはCDを聴いて来ました。 当然、 今のハイレゾではありませんね。

皆さんが趣味として、じっくり音楽を聴かれる時はリラックスした状態でしょうか?
それともスピーカーから流れる『いち音・いち音』に全神経を集中されるのでしょうか?
多くの方は、傍らにコーヒーなんかを置いたり、部屋の照明を若干落として、フワッとした状態で聴かれるのではありませんか?  私は、普段そういう聴き方をしています。 音楽をゆったりと楽しむための環境づくり・・・ 部屋の四隅の調光器付き照明やAltec A7をレースのカーテンで隠す等は、正にそのためです。スピーカーとのにらめっこは、もうしません。

かつて、レコード盤やカートリッジ針先の掃除、テープデッキのヘッドの掃除や消磁、さらには選曲  ・・・  オーディオマニアだった頃の私は、とても音楽鑑賞にのめり込める状態ではなかったかも知れません。それもオーディオの勉強だったとは思っていますが・・・。
そして、パソコンに取り込んだデジタル音源が音楽鑑賞のメインとなった現在、 そんな手間どころか、選曲や頭出しも簡単・・・タイトル、演奏者、作曲者、演奏時間も一目瞭然です。
私の音楽鑑賞の環境は、ゆったり、のんびりとリラックス出来るようになりました。
ハンレゾの話で、何故こんな話題をいくつも持ち出したのでしょうか? これも後ほど。 
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    写真上段: 金城学院大学管弦楽団、👆名古屋フィルハーモニー交響楽団、大阪教育大学、大阪交響楽団  同  下段: 金城学院大学管弦楽団、豊橋交響楽団、南山大学管弦楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団   
 

【 Hi-Res:96kHz/24bit以上、 CD:44.1kHz/16bit 等・・・ 対応フォーマット FLAC or WAV・・・  
では、一般的なCDとハイレゾ音源とでは、音がどう違うのか?・・・残念ながら現在の私、その違いを体験したことがありません。そもそも我が家には、ハイレゾ対応の機器などありませんから、せっかくのネットの体験版も比較的調子の良いヘッドホンでの試聴です。
案の定、その差は実感出来ません。機器を全部ハイレゾ対応機に換えなきゃダメって?  Altec A7-500-8 がこれからもメインのスピーカーである限りは、他の機器をハイレゾ仕様に替えても意味がないでしょう。それに医学的な見地から、一般的には定年退職を迎えた高齢者の聴力・・・とても20kHzを超える周波数を音楽再生で認識することは出来ません。

従って、ハイレゾの楽曲は15kHzの聴取は勿論、20kHz以上を容易に認知出来る20歳位までの若者専用と断る必要があるのではと、皮肉を込めて言いたいところです。
『いえいえ、ハイレゾの音楽は聴覚器官だけで聴く訳ではない』ですって?・・・ エッ? 皮膚や骨で聴く?   それが脳に心地よいと感じさせる?    私にはこれに反論する術がないので、そうなんですか、としか言いようがありません。
ヘッドホンでの信号音のテスト・・・ 10kHzから音量が落ち始め、15kHzを超える周波数になると、ボリューム上げて行っても可聴域のノイズの微増以外、私には聞こえませんよ。それでも、しぶとく音楽鑑賞に不満を感じることなんて・・・あまりなかったようです。
ということは、ハイレゾ音源でない今まで聴いていた多くのCDでも心地よいと音だと感じていたのは、どうやら私の思い込みや幻覚だったようですね。仮に、そうだとしても、私にとっては歓迎すべき幻覚かと思います。  長年のオーディオや音楽趣味では、むしろ錯聴・錯視などの錯覚を積極的に活用して来ましたから。

なお、20kHz以上の周波数の再生はともかく、ハイレゾ音源ではより繊細な音楽の再現が可能との説明があります。私は専門家ではありませんから、ハイレゾ規格については、詳細を述べることはしませんが、これを画像に置き換えて、少しお話ししてみます。
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⑦大阪フィルハーモニー交響楽団 & 東京交響楽団
  写真上段:大阪フィルハーモニー交響楽団、広島交響楽団、👆ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団👆札幌交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団 同  下段:東京交響楽団、瀬戸フィルハーモニー交響楽団、NHK交響楽団、鹿児島交響楽団、オーケストラ・ソノリテ   
 

【 少し道草をしましょう。】 
皆さんは、画像の再現に重要な解像度や色彩の再現性等を頭において、デジタル写真を撮ってみえるのでしょうか? その際、データ容量を無視してでも、 よりクリアな画像を望まれるのでしょうか? 可能な限り贅沢な画像を望めば、当然大容量のストレージの準備と処理速度等をはじめ優秀な機器が必要になり、動画ともなれば一層のことです。
しかし、現実には合理的な妥協が必要かと思います。趣味の場合、プリントはA4かA3版までと思いますので、プロに要求されるポスターサイズなんて、まずありませんね。
それでも『解像度は勿論、 A4版でも出来具合は遥かに良くなります』と言われたら一体どうしますか? 画像フォーマットは可逆圧縮のRAWで、1枚当たり数十MBを覚悟するタイプですか? 多くの方は、 標準の圧縮した数MBのJPEGで妥協されると思います。
これでもA4にプリントした場合、ほとんど遜色のない程に仕上がるのですから。でも、拡大鏡でじっくり見ればその違いが分るって?・・・ 仕上がった写真を虫眼鏡で検証することなんて、よほどの場合に限られますよね。(PCでの画像編集時の拡大はありますが) 音楽鑑賞での比較に戻すと、ゆったりとリラックスして聴くことと、 ぐったりするほど神経をすり減らして聴く・・・ 後者の場合、音楽鑑賞とは程遠いとも言えるでしょう。
さて、あなたはどちらのタイプですか・・・、ちょっと振り返ってみましょうね。

そこで、敢えて言えば、
生の音を数多く聞いて来た私の脳は、普通の音源での聴取でも、かつて聞いたり感じたりした超高音域を含めた高音質な音を合成しているのかも知れません。そして、これまで生の音や多くの優良なコンサートで高音質?な音を聴いて来なかった人は、『今までにない新たな高音質!』との刷り込みにより、その音質を評価してしまうのです。こういった方にお勧めします。厳格なブラインドテストへの参加を。
 (勿論、これは冗談ですが、そんな冗談もオーディオ界ではOKなんですよ。)

オーディオ機器のブラインドテストの結果は興味深い!】
ブラインドテストは皆さんもご存知かと思います。 テストする商品を隠すことで被験者の先入観を排除して評価する方法です。 勿論、スピーカーのテストも興味深いのですが、やはりアンプの評価結果に最も興味があり、かつ不思議に思うのです。そのため、テストの結果を見る時、私はふたつの受け止め方をするようにしています。

ひとつ目は、結果が予想と異なり、普及品の方が高額な機器より高い評価を受けたのは、基本性能に重点を置き、必要な機能を絞り込んだことで、大量生産でのコストダウンに成功、かつ音づくりに背伸びがなく、テストの際に他の機器との相性も良かった。一方、高額な機器は、基本性能は勿論、各部での使用部品も厳選、機能面でも充実・・・しかし、他の機器との相性やテスト環境等の関係で、実力が十分発揮出来なかった。

ふたつ目は、たとえ経験豊富なオーディオ通とは言え、評価を人がする限り、ある種の期待があり、より期待値に (好みとも言えるでしょう) 沿った音やメリハリや量感等?を感じる方(普及品)を高く評価した反面、色付けや個性が少なく、素直過ぎる優等生的な高級品の方は、目立つほどの魅力に乏しいと感じ、結果として低い評価となった。

これって、高級品と言われる機器の擁護じゃないの? と思われるかも知れませんね。
そう言うことではありません。多くのブラインドテストは、おそらくしっかりした明確な設定(比較機器の状態維持の公正さや
評価の基準等)の上でなされていると思います。
しかしながら、アンプの切り替えに気付くこと、即ち比較対象の音の違いが判ることと、どちらの機器の音質が優るということとは、明確に次元が違うものだと思います。

私がこのブログでお話しして来た『いい音』や『心地よい音』は、自分が感じるもので、ブランドや機器の見かけで判断するのは、オーディオ趣味の落とし穴や泥沼にはまってしまう危険をはらんでいるということです。
一般論として、良心的なメーカーがいたずらに売れにくい高額な価格を設定するなんて思えません。 国産メーカーの高級品は、特に品質にこだわり、端子ひとつにも妥協を許しません。耐久性や動作の安定性等は、普及品とは比べるまでもありません。でも、再生されるスピーカーやヘッドホンの音から、それが分かる人は多くないでしょう。
オーディオ機器の多くは通電してボリュームを上げたからといって、その瞬間からその良さを発揮してくれるとは限りません。
他の機器や部屋の状態をしっかり把握した上で、忍耐強く使い込んでいくうちに、その良さを一層活かした音楽が再生出来ると思います。
普及品から過不足のない良い音が聴けることも、高額なのに高級品らしからぬ音になることも、使い方、使いこなし次第ということがあり得るからです。
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 写真左~
👆東京交響楽団椙山女学園大学シンフォニーオーケストラ&椙山フィルハーモニーオーケストラ、九州交響楽団

ハイレゾ音源 ブラインドテスト 】想像以上に大変な準備と疲労困ぱいのテスト
各種のオーディオ機器などの厳格な選定とセッティング・・・被験者の聴取条件の固定等々、大変な準備が終わって、はじめてハイレゾ音源の信頼しうるブラインドテストが実施可能となります。 既存のソフトだけでなく、必要に応じて新規に作った機器などで生演奏をハイレゾ録音した音源を使用することもあるようです。本当に大掛かりな準備です。
しかし、いろいろなテストのデータから、冷淡に表現すれば、ほとんどの人は20kHz以上の超高音域が弁別出来ない、というものばかりです。もっと平易に言えば、ごくごく一部の人を除き、選び抜かれた被験者が必死になって試聴に挑んでも、ハイレゾ音源の音質の違いを明確には認識出来なかったということですね。勿論、いろんな企業等では研究途中ということもあり、ハイレゾ音源での音楽聴取による心身への影響(効能等)を一概に否定するものでないことに触れた部分もあります。私も自分の未知の領域、あるいは20kHz以上の周波数が聞き取れないからと言って、ハイレゾの影響や効能、ましてや聞き取れた人について否定することはありません。

さあ、これで皆さんの音楽鑑賞時の様子などをお尋ねした訳も、お分かりかと思います。
ゆったり、フワッとしたリラックス状態では、とてもハイレゾ音源や超高音域(20kHz超)の明瞭な聴取は困難ということかも知れません。どうぞ死にもの狂いで挑戦して下さい。

【 音楽の再生・・・ 音像全体を調和の取れた芸術として聴きますか?】それとも・・・
これまで素晴らしい演奏や心地よい音や音場と感じた音楽の数々が、 当時の録音技術から必ずしも優秀な周波数特性ばかりではなかったことに、気付かされることもありました。
はるか昔、よく出掛けた懇意のオーディオ専門店でゆったりと聴いたジャズやクラシックには、ハッとする名盤もたくさんありました。
おそらく1950年代後半や1960年代に録音されたレコードだったと思います。 モノラルもあればステレオもあったかと思います。

そして、当時から音楽誌やオーディオ誌での高級機器に対するオーディオ評論家の論評に、首をかしげる表現が多くあることが気になりました。一例が『・・・定位がはっきり判る・・
●エストニア国立交響楽団& トラベリング・オーガスト資料
     エストニア国立交響楽団の演奏で ショスタコーヴィチ作曲
👆交響曲第4番ハ短調 作品43 第1楽章」をどうぞお聴き下さい。 ※ 上図は、オーケストラの楽器の配置例です。会場の規模等で、さらに大きな音量が必要な場合、 楽器の数を追加することも  あるようです。また、大ホールでのポップス・オーケストラ・・・SRを使用する時には、スピーカー群がステージから遠くなる  に従って、徐々にディレイ(遅延)をかけて、生の音の到着に合わせた再生となります。

楽器の定位が判る!? ・・・ コンサートの音響とCD等の再生音・・・ 》
大編成のクラシック・コンサート・・・私の席のほとんどは中央辺りでしたが、ホールの心地よい響きのためか、楽器の定位を認識することが出来ませんでした。当然、各楽器の音色等も・・・柔らかく丸まった印象でした。それでも、その演奏はしっかり楽しめました。
また、SRが活躍するポップス・コンサートでは
基本的にはSRはモノラルにミックスダウンされる上、ホールの残響もあり、こちらも楽器の定位も不明瞭でした。最前列ならば認知出来たかも知れませんが、離れた席からでも楽器群の定位が分ったとすれば、視覚の補完によって脳が定位を感じさせたと思われます。これも錯覚のひとつかも・・・。たとえ、生演奏であっても、比較的小さな会場の前方の席でなければ、明瞭な定位の認知は困難なことでしょう。先入観をなくすために目をつぶる必要はありますが。では、正確に定位が認知出来なければ、コンサートでは音楽を楽しく聴けないものなんでしょうか?
 ※なお、上の👆ポップス・コンサートは、エンニオ・モリコーネ作曲の映画『ニュー・シネマ・パラダイスのテーマ曲!
  トランペッター、 クリス・ボッティと世界的チェリスト、 ヨーヨー・マとが共演したコンサート映像です。素晴らしい。
 もう一曲、ミシェル・コロンビエの名曲 『Emmanuel』をクリス・ボッティとルチア・ミカレッリのバイオリンでどうぞ。
さらに、もう一人、♫ クリスティーナ・レイコ・クーパーのチェロでもEmmanuelをどうぞ。


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●②Recording hall and studio examples
(参考:左端のコントロール・ルームでは、演奏者の主張に沿いながらも、彼らの演奏をより魅力的なものにするための技術者 の挑戦が待っています。また、 時にはホールでの響きの調整も・・・ 写真4列目では残響増強のため客席に合板を敷いています。)

それでは、レコード盤やCDでの聴取では、どうでしょうか? 
クラシックの昔の名盤・・・コンサートホールで聴くような柔らかく温かい印象を受けます。 比較的新しい録音でも各楽器の定位などは不明瞭で、弦楽器・管楽器・打楽器群がおおよそこの辺りに陣取っている、という程度です。ある評論家が言うような、各楽器の配置まで感じられるということはありません。私のオーディオ機器や聴力のせい? そうなの・・・⁉ 協奏曲等でのソロ楽器では確かに方向は分りますが、指使いが感じられる程の繊細さ・・・そう思えばそんな感じが・・・その程度のものが聴こえるかも・・・。小編成の室内楽などではそれに近い印象で聴けることもあるでしょうね。しかし、私の場合、個々の楽器の音質や奏者の腕前を聴くこと以上にクラシックならではの美しく調和した響きや音場を求めます。
それらの音場の中でこそ、卓越した技量の奏者が引き立つと感じるからです。

一方、イージーリスニング等のポップスでは?・・・ これは楽器によっては明瞭過ぎる程の定位感や分離の良さを感じさせるものもあります。ギターやピアノをはじめ楽器のソロ・パートやボーカルでは、 弦を擦る音や息使いなどがしっかり聴けることも・・・。
従って、コンサートとは全く雰囲気の異なるミキシングの手腕を楽しむことが出来るかも知れません。そのため、アレンジと相まってオーケストラ独特の音づくりが楽しめます。
また、コンサートの雰囲気を活かそうとすれば、 それがブース毎でのオンマイク録音だとしても、音楽全体としてのバランスを重視したミキシングを心掛けると思います。
そして、録音がホールかスタジオかを問わず、 仕上げのスパイスとして残響を含めた各種のエフェクト (音響効果) も加えることでしょう。当然、楽器の定位や繊細さ等の調整は、演奏者や音響技術者らの綿密な打ち合わせを通して、適切に決められる筈ですね。
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●①Recording Studio examples
【 耳障りな音づくり?・・・ ハイレゾを含めた音源をそんなものにする筈がない? 】
繊細さをしっかり再生出来ること・・・いろんな楽器の基音や倍音を遥かに超える超高音域まで再生出来ること ・・・  それが『音源』や『オーディオ機器』の良さを表しているかのような評論はなかなか受け入れ難いと思っています。
スピーカーは別として、各種のオーディオ機器が20kHzまでは必要な特性を保持して再生出来るのは言うまでもありません。しかしながら、
多くのクラシック曲の演奏では、楽器の基音や倍音成分がわずかになって来る高音域(10kHz~13kHz辺りかと思います。) から20kHzまでの約1オクターブでは、徐々に音圧が低くなっていきます。
仮に、 音圧の下がって来る高音周波数帯を録音時や音源づくりの際に、基音や倍音ほどの音圧まで増幅し、音源の周波数をフラットに出来た場合に再生される音は、果たして生々しく心地よい繊細さを感じるさせるものになるのでしょうか? 
こんな音づくりを繊細でいい音と感じる人・・・ いるとしても、音は好み! それも趣味のうちですけれど・・・。

そして、そんな繊細な音を余すところなく再生できる機器がスピーカーの場合・・・私には
可聴域の高音部分に、耳障りなノイズが大量に乗っかっている印象すら持ちました。
実は、オーディオ・ショップでの実演や自宅の音楽編集ソフトを使って ハイレゾサンプルなるものや20kHzまで入ったCD音源で、 概ね前述のテストを度々やって来たのです。
既にお話ししたように、私には15kHz以上は聞こえませんが、JBL 2405H用アッテネータを全開にしてみたり ・・・いろいろ試しているうちに、適当な音量でトゥイーターが頑張ると何か繊細な雰囲気を感じることが出来ました。
これこそ、以前聴いた西欧の名器から受けた雰囲気 !? ・・・ いいえ、 ある程度の高域の主張は繊細さが感じられる要素のひとつかも知れませんが、そんな音や音場は、生の音からは絶対聴こえて来ないと、 中音域の充実 を重視しながら音楽全体の輪郭が感じられるような音や音場を求めるようになったのです。ハイレゾや超高額のオーディオ機器、趣味の世界での出来事、勿論、これらを否定するものでありませんので、どうぞご承知下さい。
    分りにくい内容ですから、敢えて誤解を恐れずにその概念を補足してみますね。
    音楽全体をピラミッド型と仮定します。低音部はその下部、高音部は頂上辺り、そして、その間が中音部です。
    基礎部分は当然ながらどっしりと、頂上の鋭さは
存在感があっても その大きさはかなり控え目ですね。そして、
    このイメージの再生は、 機器の能力もありなかなか困難です。そこで、 聴けている、 聴こえるという錯覚の活用・・・
    このお話しはこのブログの音づくり編をお訪ね下さい。)

【 倍音の活用についての研究 】
そしてそれ以来、低音や高音での倍音の活用
👆にシフトしたという訳です。かなり無駄足
踏むこともありましたが、それも自分の音づくりの勉強になったと考えています。
【 倍音の活用・・・脳が作り出す低音
(Missing Fundamental)について】
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社営業技術本部マーケティング応用技術統括部ソフトウェア開発(日経クロステック)
👆Phile-web編集部  👆SONY Marketing Inc. 👆Yamaha Corporation    
👆週刊アスキーのYamahaの技術の紹介   
聴覚の錯覚を積極的に利用する発想の転換での技術の成果ですね。 どうぞご参考に。 

さて、皆さんはどういった音や音場を求めていますか? 自分のお気に入りの音づくり
音楽をより楽しく聴くため、ちょっとした工夫や努力・・・いかがでしょうか。
(このブログ最上部右欄のオーディオ趣味の空白に『音づくり』と記載して検索すると、私の音づくりの号に飛びます。)

【 TBS『
陸王』・・・自分を変える、 覚悟はあるか。・・・ 最終回、是非見てみましょう!
●②TBS TV 陸王
 最終回の豊橋ロケでの愛知県民・豊橋市民の熱い声援を全国の皆さんにお届けします。挿入曲原曲はホルストJupiterです

今回、長編となりましたが、最後までお付き合い頂いたことに感謝を申し上げます。
 Speaker for Jazz  Altec A7-500-8     Vintage Audio   
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なお、 その音づくりへの真摯な姿勢や安易な妥協をしない製品づくりで、 私も気に留めて
いる埼玉の大山美樹音氏が親指に大怪我!とのメールを受け取り大変驚きました。
結果として適切な治療のお陰で、治癒に向かっているとのこと、まずは一安心です。
こんな時でも、信頼できる社員さんのお陰でお仕事への影響も最小限で済むとのこと。
どうぞ無理をせず、しばらくは社員さんに製品づくりは任せて、治療に専念されるよう
お願いします。 私もかつて、手作業がメインとは言え、丸鋸も使っていましたので、
便利さの裏に大きな危険が潜んでいることも知っています。社員さんもご注意下さい。
そして、これからも良い製品を提供して下さることを願っております。
このブログ、あくまでも商業目的でないことからも、具体的なことには触れませんので、
大山美樹音さん、どうぞご理解下さいね。

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参考資料:西口敏行博士のハイレゾリューションオーディオの研究の要旨
        http://www.uec.ac.jp/about/publicinfo/pdf/A544.pdf

 さらに詳細を知りたい方は、電気通信大学学術機関リポジトリをどうぞ。
https://uec.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=1152&item_no=1&page_id=13&block_id=21
  上記のページで西口敏行氏の博士論文全文のPDF版を見ることができます。
     
また、山本竜太氏、金只直人氏、水町光徳氏のハイレゾリューションオーディオの音質評価
という論文もあります。こちらもご覧下さい。
     https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjiiae/1/2/1_52/_pdf