お訪ね頂きまして有難うございます。
では、前回の続き『私の目指した音づくり その③』をお話しさせて頂きます。
愛犬家の皆さんにはずいぶんお待たせしていましたので、前回で小さな頃のレオンの様子を掲載しました。
そして、今回は1歳くらいを中心に昨年の1枚をアップしますので、オーディオのお話しをもう少しさせて頂きます。また、 本文の割に写真が少なく、 がっかりなんて方もお見えかも。 でも、追い付きで途中途中にいろいろな写真の追加を考えています。
1 - 1歳過ぎの写真~現在
   1歳頃のレオン。その右はひょうきん者のレオン・・・兄貴分のアーサーが時々間違えられた牛君たちにもご挨拶! 仲良しのワンちゃんの肩?に手を置いてのお話し・・・何を言っているのな?・・・残念ながら分かりませんね。
右端1枚は7歳・・・ご機嫌の表情! ポーズ!(画面のクリックで拡大して見れますよ。)
 

音の拡散と音場   = "Sound diffusion" and "Sound field" =
前回、部屋に置かれたスピーカーから出た音は、多かれ少なかれ部屋の影響を受けることについてお話ししました。また、音源から出た音は周囲に拡散すること、高音より低音の方がより拡散する性質があることもお話ししました。 仮に音の水平の広がりを上から眺めたとすると、その指向特性は扇子をある角度で広げた時の形としてイメージできます。そして、開いたその扇を垂直方向(上下への広がり)の指向性の角度で扇いだ時、その動きの範囲の空間が、音楽をしっかり聴ける音場とイメージできます。勿論、相手は空気中を伝わる音!
厳密に制御するなんてことは不可能ですね。スピーカーの指向性は、左右方向だけではなく、上下方向にもある・・・これを知ることもスピーカーの設置の際には重要なことです。
  

低音から高音までバランスよく均等に周囲に拡散できるスピーカーでは、音楽を聴く位置が変わっても、音質や音量の変化をあまり感じさせません。・・・・これを指向性が広いとか指向特性が良い(この場合の『良い』とは、聞ける範囲が広くなるのは聞き手にとって都合が『良い』という意味か・・・)などと言っていました。
さらには、指向性が全くない無指向性スピーカーもあります。  これなら部屋のどこにでも置けそうですが、壁ぎわに置いたり、壁にあまり近づけ過ぎるとその特性が活かせません。逆に指向性が鋭いスピーカーでは、聴く位置が限られてしまうことになります。
 
もっと分かりやすく説明するため、これを光に例えてみるのもいいかも知れませんね。
同じ乾電池と豆電球を使い、一方は裸電球のままでもう一方は懐中電灯として点灯します。
8畳や10畳の部屋の端で点灯した場合、おそらく裸の豆電球では部屋を明るくすることは困難です。しかし、懐中電灯として灯せば部屋の反対側まで光は届き、小さな探し物も見つかるでしょう。一方、懐中電灯が狙った方向以外では、ほとんど光が届かないことが問題になることもあるでしょうね。
 
では、この例を音に戻しますね。
*指向性の低いスピーカーでは音が拡散することで広い音場ができ、部屋の影響を受けながらも音楽を聞けるエリアが広がります。その代わり音を遠くまで届かせるのは苦手かも。
 また、届いた場合でも音の明瞭さや力強さを維持するのは難しくなるでしょう。せっかくのジャズトリオの演奏、オブラートに包まれてしまいそうですね。
*指向性の強いスピーカーでは聞けるエリアが狭くなる代わりに、多少距離が遠くなってもジャズトリオの演奏があたかも目の前のライブのように感じられるかも知れませんね。
 
おっと!これらは私の感じ方ですから、指向性の少ないスピーカーも、天井・壁・床などの影響を上手に活かす工夫次第では、大編成のクラシックでも繊細さ・力強さ、さらに音場の広がりも十分楽しむことができる筈ですよ。 かなり以前になりますが、Pioneer製の中域と高域にドーム型ユニットを装着したCS-10は、こんな表現がぴったりの良いスピーカーでしたね。(大きさ・・・床置きには小さ過ぎる、棚置きには大き過ぎる・・・結果メインの座はCS-100(以前、写真で登場)となりました。悔しかったでしょうね。CS-10は)
指向性について +++
【指向特性のいろいろ・・・知っておきたい長所と短所】  = Directivity of sound =
こんなことから、劇場やホールで使用されるスピーカーの音が気に入っていた私は、音の飛ぶ方向を一定の範囲に定めた・・・定指向性のスピーカーに注目したという訳です。これはプロ用がほとんどで中高域がホーン型となっており、昔は大抵大型でかつ高額でした。
ところが、オーディオショップなどで、そんなのが欲しいなんて言おうものなら多くの場合は否定的な答えが返って来ました。今でもそうかも知れません。使いこなしが大変難しく、後々まで手が掛かって販売担当者としてはたまったものじゃないし、将来クレームになっても困る・・・時として、そんなプロ用機器の音を聴いたこともないと思われる店員さんから『あれはPA(SRという表現は後年登場)、あんなので音楽は聴けたものじゃないです。何たってPAPA』と言われるのがおちです。 (さすがに、プロ用機器も扱っているショップの担当者には、そんな言い方をする人・・・いませんでしたが。)
 
※ご存知の方、この部分は読み飛ばし可ですよ!)  
PAとはPublic Address≫身近なところでは運動会で先生が使う拡声器(メガホン)や駅のアナウンスの拡声装置など。また、PAの仲間でも、コンサートホールや劇場で活躍するSR≪Sound Reinforcementと、 前記のPA、 私はこれらの言葉を明確に分けて使っています 
とは言え、例に挙げたPA機器などについて、諸性能が劣っているような誤解を与えないためにも少々補足します。
PA用の機器の中には、特殊な用途のために開発されたり、改良されたりしたものも多く、皆さんの生活にすっかりお馴染みのものや軽量小型で音楽再生に使えるものも当然あります。
 
それでは、自慢げにPAの優れた一面を紹介します。(SRを褒めちぎった反省?)
*片手で操作できる軽量メガホン、ハンズフリーも!・・・アウトドアの催事や災害時での使用にも耐える堅牢で防水性能があるもの等々、運動会などでは声をからす先生たち・・・確実に減りますよ。
*駅のホームで能力を発揮するPA機器・・・当たり前のように『次の電車は・・・』なんてアナウンスを聞いていますが、台風などの暴風雨でも氷点下の寒風の中でも、本日体調不良のため機器はお休み、なんてことあります? どんなに優秀なオーディオ機器でも水をぶっかければ終わりなのに・・・。
もう少し真面目に言えば、外部の劣悪な環境に負けないのは当然で、その上で本来の大切な役割を果たしている優れものなんです。 
 

【指向特性・・・積極的な活用】    = Practical use of "Directivity of Sound" =
では、駅のホームにいる自分を思い浮かべてください。あなたはホームで◎◎行の電車を待っています。そこへ、それほど離れていない反対側ホームに◇◇行の電車が入ってきます。この時のアナウンス、ちょっと耳を傾ければ間違った電車に乗ることはありませんね。わずかな距離なのに反対側のアナウンスは遠くから聞え、乗ろうとするホームのアナウンスはうるさいほど近くに聞こえます。 これなどは指向性のあるスピーカーをうまく利用した例ですね。でも、間違って反対側のホームに行ってしまった人には聞こえないのでは?それは残念ですね!・・・いいえ!間違った電車に乗ろうとしても『この電車は◇◇行の・・・』なんてアナウンスが間近に聞こえる筈ですね。ひと電車遅れるかも知れませんが、目的地には確実に着けるでしょう。指向性が強いから使える技ですね。
勿論、双方の音声が干渉しないくらい離れていれば、逆に無指向性のスピーカーが向くかも知れませんね。
*展示会などのブースでの客盗り合戦・・・これも各ブースのPA、気配り上手です。目の前のお客様への説明はしっかりと、隣のブースには聞こえにくい・・・これなどもお互い節度を保って成り立つ指向性利用の例です。
まだまだ、いろんな活用法はありますが、私がお話ししたいのは、広義のPA機器にはそれぞれの長所短所があり、これを適材適所に使うことが重要で、土俵の異なるこれらの特徴に優劣をつけても意味がないということです。
 

【映画館の音響・・・正にプロの現場!】    = Acoustic of Movie Theatre =
話を戻しましょう。SR機器についての知識がないことから来る『PA機器の音響は音楽向きじゃない』といった先入観や偏見・・・これでは音楽鑑賞の楽しみの選択肢を奪うことにもなりますね。でなければ、ミュージカル映画や歌手の伝記映画等での音楽や歌声・・・・映画館では、聞くに堪えないということになります。
サウンド・オブ・ミュージックウエスト・サイド・ストーリー王様と私マイ・フェア・レディ巴里のアメリカ人サタデー・ナイト・フィーバー美女と野獣最近では、アナと雪の女王・・・どのサウンドも聞くに堪えなかったのでしょうか。 おそらく、どの作品も映像・音響とも素晴らしかったのでは?・・・。
  (上のリンクは参考です。DVD・・・可能なら映画館でご覧下さいね。)
古くは、映画の始まる前に、時としてどん帳が降りたままで聞こえてくる『序曲』・・・・ベン・ハーアラビアのロレンスドクトル・ジバゴ ・・・等々。幕が上がって映画が始まるとタイトルバックで聞こえるメインテーマ曲 ・・・ 今ではエンドクレジットでも延々と流れていますね。
ミュージカル映画
また、戦争映画の戦闘シーンでの強烈な爆発音や銃撃戦は勿論、航空機の爆音・・・西部劇での銃声、ドラマでのささやきや叫び声・・・みんな同じスピーカーからの音です。映画館やコンサートホールで活躍する音響機器に不得意な分野は許されません。どんな音でも引き受ける劇場スピーカー等の音響機器、これを実現し、支えているのがプロの音響技術者の皆さんです。 そして、自宅A-7の再生音への期待が間違いではなかったと確信させたのも、音響の専門家たちとの出会いだったのです。
そして、もう一つ・・・長年オーディオを趣味として来たベテラン(高齢者なのは当然ですが。)が使うスピーカーにホーン型が多いように感じるのですが、いかがでしょうか。音楽鑑賞を通して分かったホーン型スピーカーの能率の高さや伸びやかな鳴り方などの特徴が、オーディオ趣味のベテランを惹きつけているのかも知れませんね。 
≪ちなみに Altec A7-500-の数字が意味するのは、A7の低音部(ウーファー)と高音部(中高音ホーンドライバー)のクロスオーバー周波数[低音・高音の各スピーカーユニットが受け持つ周波数帯の境い目]が500Hz、インピーダンスが8Ωということです。≫
 
しかし、こんな話を聞いたからと言って、長年にわたって染みついた彼らの先入観や偏見がすぐにも払拭でき、広義のPA技術の進歩やSRの実力を受け入れられるものなのか? なかなか難しいでしょうね。何故?・・・これは、その魅力を自らが引き出せた時、初めて感じられるもの、満足感なんですから。そして、それでこそ自分にとって心地よい音』になると思うからです。ですから、これを人に分かってもらおうとか、押し付けることでもないでしょうね。厳しいプロの現場ではなく、所詮趣味のお話しですから。でも、言ってしまう。
映画館の音 Altec_VOTT, JBL, EV
  ※【参考】スクリーンの裏側では映画を支えるスピーカーが頑張っています。Altec、 EV、 JBL 等のSR機器です。 
 
余談ですが、 映画館での私、 場内の明かりがつくまで席を立ったことはありません。 そこまでが映画と思っているからです。 また、 映画技術についてもサウンドシステムと同様、 大変興味を持っており、半世紀も前の中学高学年くらいから難解な映画技術の専門書を読みあさっていたほどです。現在ならNETで分かるような内容ですが、当時の私にとっては非常に興味をそそるものでした。 そういう意味からも、昔はほとんど表示されなかったエンドクレジットは、正にその映画の製作に関わる情報の宝庫!なんて思っています。
   (ちなみに昔々読みふけっていた専門誌の一部の写真です。その号はこちらをどうぞ。
※現在にかなり近いの機器 コメント付き
次回、私の目指した音づくり その④では、音楽の再生に当たっての苦労や工夫・・・どんなふうに聴覚の錯覚を利用したか、等々・・・いろんな奇策を含めて今日に至った様子もお話ししたいと思っています。勿論、映画のことも。
※当初は、ここからのお話を先にして、その後にそれらの理由等に触れるつもりでしたが、私の音づくりには奇策?もいくつかあることから、趣味とは言え、一旦常識はずれの変人と思われると、そこで終了! ブログを通してのいろんな趣味仲間の輪まで進まなくなるのを心配しての判断です。これで多少は、分かりやすくするための前置きや仮説に時間を割くに至った訳をご理解を頂ければと思います。
 
あっ!そうそう、お気に入りのAltec A7・・・何故レースのカーテンで隠したのかにも触れますよ。 またのご来訪、お待ちしています。