飛んでる音好き爺・・・オーディオ・映画・音楽・愛犬

音楽を楽しむ・愛犬との暮らし・記録や楽しみとしての写真・映画・DIY・・・いろんなことに興味があり過ぎるリタイアした爺さんの独り言を綴ります。 映画や音楽、そしてかわいい愛犬との楽しい日々・・・では、どうぞお楽しみ下さい。(上部のクリックでブログ全体が見れます。)

タグ:スティーブ・マックイーン

シネラマやブローアップ含む70mm映画については以前特集を組みました。そして、これらに多くの方が興味をお持ちだと感じました。そこで今回は、シネラマや70mmで上映された作品にこだわらず、その第6弾に取り組んでみました。(まずは映画のパンフレットから・・・)
◆映画パンフレット ABC- H750
これらのパンフレットの多くは、ロードショーを見たときに購入したものです。出来の良いものもあれば、そうでないものもあり、比較的程度のよい紙質や印刷のものを並べました。しかしながら、 写真に写るマカロニ・ウェスタンのパンフレットには、 結果としてヒットした映画でもほとんどが印刷物としては今一歩の出来映えのものも含まれます。

さて、今回はパニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』の大ヒットで気をよくしたプロデューサー、アーウィン・アレンが取り組んだ超大作『タワーリング・インフェルノ』を取り上げてみました。
 
タワーリング・インフェルノ】 The Towering InfernoThe Opening Credits
   Distributed by 20th Century-Fox and Warner Bros.
   Produced by Irwin Allen    
●①Towering Inferno W3003 H900
1974年に公開されたこの映画は、パニック映画の巨匠アーウィン・アレン製作の大ヒット作品で、その年度で最高の興行収入をあげました。監督はジョン・ギラーミンですが、アクションシーンはアーウィン・アレン自らが監督しています。また、この映画の原作ふたつの小説の映画化権は20世紀フォックスとワーナーブラザースがそれぞれを持っており、 内容が似ている映画同士が共倒れになるのを危惧した両映画会社は共同制作(配給権は米国内は20世紀フォックス、その他地域はワーナーブラザース)に合意しました。  そして、その成功は後の超大作「タイタニック」(1997年公開)で予算オーバーで資金不足となった20世紀フォックスが、パラマウント・ピクチャーズと共同制作することへの期待につながりました。

主演はスティーブ・マックイーンとポール・ニューマン  また、主演の地位を要求したウィリアム・ホールデン ・・・ こちらは受け入れられませんでした。  そして、主演二人のオープニング・クレジットでの苦心の扱い  ・・・  画面の上下では上が上位、しかし、左右では左が上位。これはポスターでもそうなっていますね。(笑)  
 

すでに大スターとなっていたスティーブ・マックイーンの役へのこだわりは、この映画でも問題を投げかけていました。当初、プロデューサーのアーウィン・アレンはマックイーンに建築家を演じることを要求したが、マックイーンはこの映画での建築家という役割に不満がありました。その訳は、「荒野の七人」や「大脱走」でも触れたように、自分が中心となって派手で目立つ活躍を望んでいたのです。一方、元々は別の俳優を想定した消防士長の役割はそれ程大きなものではなく、マックイーンは、自分と同格の俳優が建築家を演じるのであれば、消防士のチーフ役を引き受けると言ったことから、ポール・ニューマンを建築家の役に迎えることになったのです。
しかし、台本が出来た後もマックイーンからのクレームはありました。ニューマンとは報酬をはじめ同等の扱いの筈なのに、ニューマンが他者と交わすセリフの方が12行多いとか。  そして、マックイーンが登場する上映開始から約43分後には、ニューマンは彼のセリフの持分の半分ほどを使っていました。残りのシーンでニューマンが無口になったかどうかは、私には分かりませんが。 
 

こんな状態だったため、後にニューマンはマックイーンとの共演を決めたことを後悔するようになったそうです。 ニューマンは「荒野の七人」でのユル・ブリンナーと同様の気持ちだったのかも知れません。  とは言え、 タワーリング・インフェルノが大ヒットしたことから、マックイーンの要求が単なる大スターのわがままだったとは言い切れませんね。 (笑) 
 

【贅沢な俳優陣】
●②タワー W3087 H900
主な出演者は上のポスターをご覧頂くとして、彼らがそれぞれ共演したスターについて触れてみます。  
 

★スティーブ・マックイーン:ポール・ニューマン主演の「傷だらけの栄光(1956年ロバート・ワイズ監督) で映画デビューしましたが、駆け出しのマックイーンの名はクレジットされませんでした。「荒野の七人(1960年 ジョン・スタージェス監督)と「ブリット(1968年 ピーター・イェーツ監督) ではロバート・ヴォーンと共にドン・ゴードンと、さらにゴードンとは「パピヨン」(1973年 フランクリン・J・シャフナー監督) でも共演していました。ロバート・ワグナーとは「戦う翼」1962年で、 フェイ・ダナウェイとは「華麗なる賭け(1968年ノーマン・ジュイソン監督) で共演しています。  
 

★ポール・ニューマン:ロバート・ワグナーと「動く標的(1966年 ジャック・スマイト監督)と「レーサー(1969年 ジェームズ・ゴールドストーン監督) で共演しました。
なお、ニューマンが再びアーウィン・アレン製作で組んだ「世界崩壊の序曲」(1980年公開) でウィリアム・ホールデンと共演したが、この作品が不評で大赤字!!   ニューマンは出演を後悔しました。 
 

★ウィリアム・ホールデンとジェニファー・ジョーンズは「慕情(1955年 ヘンリー・キング監督)  で共演し、タワーリング・インフェルノは20年ぶりの映画での再会となりました。
また、ホールデンはフェイ・ダナウェイと「ネットワーク(1976年 シドニー・ルメット監督)、 そして、フェイ・ダナウェイはリチャード・レスター監督の「三銃士(1973年) と「四銃士(1975年)でリチャード・チェンバレンと共演しています。 
 

★ロバート・ワグナーはスーザン・ブレイクリー(ホールデンの娘役) と「エアポート80(1979年 デヴィッド・ローウェル・リッチ監督) で共演しています。
 
こうやってみると、多くのスターはいろんな映画への出演でつながっているものですね。 なお、記載内容に もれがあるかも知れませんのでご承知下さい。 
 

【特撮について】Special photographic effects ・・・ L.B. Abbott
●③タワーW2136-TOWERING INFERNOL R
この映画の特撮場面での主役は、タイトルの通り「そびえ立つ灼熱地獄」と化した高層ビルでしょう。映画では、世界一高いビル(138階 高さ550m)の設定ですが、半世紀も経つと550mを超える超高層ビルが続々と建築されています。勿論、 火災対策等は万全でしょうね。(現在の世界一はドバイのブルジュ・ハリファ:828m)

では、この項の本題・・・この二棟の塔はどんな構造物でしょうか。ミニチュアとは言ってもグラスタワーの高さは21m強もあります。しかも内部には特撮に必要な仕掛けがあり、金色の外壁の反対側は構造体が見えます。そして、これらを使った特撮を可能にしたのが、L.B. アボットです。20世紀フォックスの特殊効果部長で撮影技師・撮影監督でした。特殊効果を担当した作品は、 本作品の他、「眼下の敵」(1957)、「ミクロの決死圏」(1966)、(1968)、「明日に向って撃て」(1969)、「パットン戦車軍団」(1970)、「ポセイドン・アドベンチャー」(1972) 等のSFから戦争物の他、「サウンド・オブ・ミュージック」(1965) がありました。 
 

ミニチュアを使う特撮には苦労が付き物です。グラスタワーがいかに見事に造られたとしても、火災や爆発、消火シーンの映像次第で単なる大きなおもちゃになってしまいます。
縮小されたタワーの火災や煙・・・消火に使った水の動き等をミニチュアに見合うように縮小して再現することは、CGが使えない時代では不可能に近いものだったでしょう。
特撮担当のアボットは試行錯誤を繰り返しながらも問題を解決して、あの恐怖の映像を作り上げました。
有難いことに、グラスタワーの火災シーンは夜間!  タワーの裏側は構造体のままのため、いろんな仕掛けを仕込むことが容易になりました。炎を制御する仕掛けは、煙の出ない青みがかった炎を作るブタンの噴射装置、煙が出るオレンジ色の炎を作るアセチレン噴射装置、もうひとつが、それらが大きな焚火の炎のようにならないように空気を吹き付けて炎を攪拌する装置でした。それぞれのガスの着火はスパークプラグで制御しました。 そして、3日間のテストの結果、火災の撮影は通常の3倍速の1秒72コマが適していることが分かりました。 また、物や水の落下にはさらに高速のコマ数での撮影が適していました。
●④タワー w3021 H773-comment space 0001
左端は超高層ビルのグラスタワーを見上げたフレッド・アステアのシーンへとつながる撮影風景です。しかし、巨大とは言えミニチュア! そびえ立つグラスタワーを見上げるアステア目線と錯覚させるためには、カメラをぐっとタワーに寄せたり、もっと低い位置にカメラをセットしなければなりません。しかも、上から下までピントが合った画像でなければ、逆にミニチュアを強調することになります。コンクリートの地面に大きな撮影機を埋め込む ・・・とても現実的ではありません。そこで、アボットは鏡を使うことで、大きなカメラで必要なシーンを撮ることにしたのです。 
 

皆さんは、西部劇等で機関車が観客に向かって爆走! ついには撮影機に激突!と感じさせた映画を見たことはありませんか? でも、 ご安心を! 高価な撮影機を簡単には破壊しません。
例として、線路脇の安全な場所に撮影機を設置し、線路の中央に必要な大きさの鏡をセットします。そして、鏡に映る機関車がカメラをが向かって来るように見える角度に、 それぞれを設定すればOKです。 あとは・・・ご想像の通り!  爆走機関車は鏡一枚を破壊しただけで、観客を恐怖に陥れます。 でも、 飛び散る鏡の破片でスタッフに危害が? これも大丈夫です。 スタッフやカメラは衝突現場の手前ですからね。なお、必要があればネガを裏焼にして左右を揃えることになります。 (笑)
もうひとつ! 落下物のシーンでもこれが使えます。石でも卵でもトマトだって観客に落とせますが、撮影方法の説明は・・・ もう不要ですね。但し、どちらも現場の後片付けが大変でしょう。
CGを使えば、 そんな苦労なんて要らないって? そうですね。半世紀以上前の特撮担当にメールしておきますね。(笑)
●⑤ w3208 H900 -2022-02
「タワーリング・インフェルノ」のパンフレットと「サントラ盤」 ・・・  映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズ作品です。そして、何気なく書棚の奥にある長めの望遠レンズに目をやると、まるで高層ビルのようだったのです。そこでちょっと並べてみた訳です。 
 

上の写真右下段のヘリコプター・・・スティーブ・マックイーンを釣り上げて飛ぶシーンです。ところが、ヘリが風にあおられて墜落してしまいました。でも、ご安心下さい。墜落したのはラジコンのミニチュア・ヘリコプター! しかし、これを見た現場で待機している医療班役のひとりドロシーが墜落現場に駆け寄り、マックイーンに見立てた人形を救助するかのようにカーゼに包み、叫びました。 "Don't worry, Steve, I'll save you! " 『心配しないで、スティーブ! 私が救うわ!』 周辺のスタッフからは、その勇敢な行為に笑いと共に拍手が起こりました。
 
当初、アーウィン・アレンはオープニングのヘリコプターのシーンではジョン・ウィリアムズのメインテーマを使わないつもりでした。
20世紀フォックスの音楽部門の責任者のライオネル・ニューマン(20世紀フォックスのロゴのバックに流れるファンファーレの作曲家アルフレッド・ニューマンの弟)のアドバイスでジョン・ウィリアムズはこれにちょっと手を加えて、晴れてメインテーマが使われることになりました。  それは、アーウィン・アレンとタイトルの文字の出るタイミングに合わせて盛大にシンバルを鳴らすというものでした。 (笑) 
今回号の上部 The Opening Credits の左方をクリックしてお聴き下さい。
モーリン・マクガヴァンの主題歌『We May Never Love Like This Again (愛のテーマ)』もお聴き下さい。(アカデミー賞歌曲賞受賞:作詞・作曲アル・カシャ/ジョエル・ハーシュホーン)
  
中央は、タワーの外部に沿って設置されたエレベーター (レプリカ) から転落するジェニファー・ジョーンズ役のスタントです。下方にスタント用エアバッグがあると分っていても、後ろ向きに落ちるなんて恐怖が倍増するでしょうね。
その下は、タワー屋上に近い階のタンク! どの部分がミニチュアのタンクでその他がマットペイント ・・・ さすがにプロの仕事 ・・・  さっぱり分かりません。オープニングなどで遠くにそびえるグラス・タワー の背景等もマットペイントとの合成が使われています。
なお、ミニチュアとは言え、タンクには約3トンの水が入ります。また、当時のマットペイントはすべて手描き!お見事! 
 

ところで、映画ではタンクの総水量は100万ガロンらしいのですが、日本では馴染みのない『米ガロン』です。1ガロンの水の重量は約3.8 kg ! 字幕でもタンクには380万リットルの水!とありますから、いかに映画とは言え、あの超高層ビルの上部にそんな巨大なタンクを設置し、 満水にする設計には無理があるように思っています。 (笑) 
 

保安係主任のジャーニガンに扮するO.J. シンプソンが見つめる中央保安室の機器類は本物のコンピューターです。但し、この映画が公開された1974年の20年ほど前の1954年にIBMが製造したもので、当時ソ連の爆撃機の動向を探る機器でした。爆撃機がミサイルに代わると真空管技術の機器等は時代遅れとなり廃棄したものですが、その外観に映画での活用を期待した映画やテレビ会社がこれらの一部を買い取りました。(SFのTVシリーズ『タイムトンネル』やSF映画『インディペンデンス・デイ』でも登場)
 
【撮影後の出演者の笑顔と共演者の他の注目作品の例】
●⑥ towering 慕情  W1683 H800
『タワーリング・インフェルノ』では、グラスタワーのオーナー役ウィリアム・ホールデンの娘婿で、 最後まで悪役となったリチャード・チェンバレンの名誉挽回もあり、 その後の注目作を組み入れてみました。
昔々、TVドラマで『ベン・ケーシー』と並ぶ人気を集めていた『ドクター・キルデア』の主役を務めたのがリチャード・チェンバレンでした。ここに掲載した作品は「キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市と求めて」・・・ シャロン・ストーンとの共演の第2弾!
そして、もう1本の「将軍 SHŌGUN」では、ウィリアム・アダムス・・・日本名 三浦按針役、三船敏郎や島田陽子らと共演しました。音楽はモーリス・ジャール、「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」「グランプリ」等で知られた作曲者ですね。 
 
ウィリアム・ホールデンとジェニファー・ジョーンズについては、『慕情を取り上げてみました。若い人たちには見ていない人が多いかも知れませんが、テーマソングはおそらく一度は耳にしているでしょうね。
なお、ジェニファー・ジョーンズにとって、タワーリング・インフェルノが最後の映画出演作でしたが、その35年後の2009年12月17日 90歳の長寿をまっとうしました。
 
さて、次回は、『タワーリング・インフェルノ』とほぼ同時期に公開された『大地震』の特撮を主に進める予定です。どうぞご期待下さいね。 
今回もご来訪頂きまして有難うございます。
 

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ご来訪頂きまして有難うございます。
前回は『大脱走』(The Great Escape:1963年公開)でのスティーブ・マックイーンをはじめ、共演者たちのお話をしました。そして、スティーブ・マックイーンの第二弾はテレビの西部劇『拳銃無宿』(Wanted Dead or Alive)で頭角を現し、その人気を決定づけた『荒野の七人』 (The Magnificent Seven: 1960年公開) やブリット (Bullitt: 1968年公開) など、寄り道がいっぱいのお話しをしたいと思います。例えば名前の出た共演者やその作品、せっかくですから印象的なシーンを選んでYouTube他で紹介したいと思います。
ネタバレが心配? 四半世紀から半世紀も前の映画ですし、 皆さんもきっと見られているはずだから大丈夫!と勝手に判断しました。(笑) おそらく改めてDVDやBlu-ray Discで見たくなります。 かなり盛沢山ですので、リンクへのクリックは、取り敢えず気になるところだけにしましょう。 そうしないと時間がいくらあっても足りません。)
※拳銃無宿 Wanted Dea or Alive H700
『拳銃無宿』は1958年から1961年頃(日本での放映は翌年から約2年間)まで放映された賞金稼ぎジョッシュ・ランダルが活躍する西部劇です。 この中でランダルが使う銃が特徴的で、ウィンチェスターライフルの銃身と銃床を切断したものでした。  大きくて重いそんな銃で、主人公ランダルの早打ちは大丈夫?という心配をよそに、時にはランダルの早打ちを見ることが出来ました。(この銃、日本では主人公の名に因んで「ランダル銃」という呼び名がありました。米国ではMare's Leg)
※拳銃無宿 H720
ランダル銃が登場・・・ウェスタン:Once Upon a Time in The West 】・・・トリヴィア
そして、この銃のインパクトが強烈だったからか、セルジオ・レオーネ監督の『ウェスタン(Once Upon a Time in The West: 1968年公開) のオープニング・シーン、三人の殺し屋のひとりに扮したウッディ・ストロードがこのタイプの銃を持って、チャールズ・ブロンソンが乗った列車を待ち構えていました。銃のクローズアップもあり、こんな銃のストロードとやり合うブロンソンの運命は・・・予感は的中?! でも、ブロンソンが主役ですから・・・(笑)
実は、レオーネ監督の頭には、当初この三人の殺し屋についてとんでもない?構想があったようです。それは、続・夕陽のガンマンで共演した3人のゲスト出演というものでした。
クリント・イーストウッドリー・バン・クリーフ、そしてイーライ・ウォラック・・・残念ながらイーストウッドを手配できず・・・残念ながら?・・・幸いにも?これはボツになりました。(笑)
① Once Upon a Time in The West H700 ++
〔役者以外も演技!?〕・・・ハエ君の登場!
【オープニングで殺し屋のひとり(ジャック・エラムまたはイーラム)の顔を這いまわるハエを相手の長~い長~いクローズ
アップのシーンがあります。長いこと以外に気にならなかった人はそれでよいのですが。かつて入れ替え制導入前の映画館・・・私は支障がない限り、続けて2回、出来れば3回同じ映画を見ることにしていました。勿論、映画にもよりますよ・・・。 すると、冒頭のこのシーンは次に来る展開を暗示しているように感じたのです。 長椅子の側板にとまったハエ・・・銃を抜くエラム扮するスネイキー・・・たかがハエ一匹を銃殺するのか?と思った瞬間、一気に銃口を側板に押し付けてハエを銃身に閉じ込めてしまったのです。ひょうきんで頼りなさそうな殺し屋・・・ところが、ここでタダものでないと思わせます。これが恐そうな他の二人では、その落差はさほどのものではありませんが、エラムだから効き目があるのでしょう。 そして、しばらく銃身の中でもがく羽音を聞いた後、ハエを逃してやるのです。余裕の殺し屋となりました。(笑)   さすがにレオーネ監督、ハエを役者に雇ったようです。 では、トリヴィアです。監督はどうやってハエに演技をさせたのでしょうか? ハエへの報酬は? ハエは一匹、安くついた?  一匹だからいいのです。汽車でやって来るブロンソン扮するハーモニカひとりですからね。
真面目に考えては体に悪いので、早々と答えを言います。 エラムのヒゲ面に薄く蜂蜜やジャムを塗り、画面に映らない顔の下の瓶からハエを1匹ずつ逃がしたのですよ。勿論、ハエのこと・・・瓶を出てからどこへ行くのか尋ねるわけにもいきませんが、甘い匂いに誘われてエラムの顔にとまったハエ君がいたことで、あのシーンの撮影に成功しました。
待機していたハエ君たちの数・・・私は知りませんが、演技をしたハエ君への報酬は・・・蜂蜜やジャムでした。(笑) 】

※Once upon a time in the West 01
ウェスタン』でシャイアン役ジェイソン・ロバーズ、はじめは極悪非道の悪人!といった感じでしたが、映画が先に進むほどに人間味のある人物として描かれており、ファンになった人も多いかと思います。
ジェーソン・ロバーズにまつわるトリヴィア】
ウェスタン』撮影初日、ロバーズはぐでんぐでんに酔っぱらって現れた。怒ったレオーネ監督は、次にこんなことがあればクビだ!と息巻いたが、その原因がロバート・F・ケネディが暗殺されたことにあり、その日は演技が出来ないほどに打ちのめされていたこと知ったレオーネ監督は撮影を中止した。 その後、ロバーズが撮影が終わるまでシャイアン役を無事(真面目)に演じきったことは、完成した『ウェスタン』を見ればわかりますね。

一方、今までの多く映画で、善良で真面目な人柄がにじみ出る役柄を演じてきたヘンリー・フォンダ (Henry Fonda) がこの『ウェスタン』では何と悪役という設定。しかし、 さすがに圧倒的な存在感を見せつけました。映画も終わり近くのチャールズ・ブロンソンとの決斗シーンクリックをどうぞ。
ところで、当時、日本や欧州で好評だった『ウェスタン』・・・アメリカでは今ひとつ盛り上がりませんでした。その理由として、アメリカの良心を体現する俳優と言われるヘンリー・フォンダの悪役を多くのファンが望まなかったからと言われています。以前このブログでも触れた『十二人の怒れる男』(1957年シドニー・ルメット監督作品)をはじめ『ミスタア・ロバーツ』『荒野の決闘』『西部開拓史』『バルジ大作戦』『ミッドウェイ』など、多くの出演作品があります。 また、彼の最後の作品となった『黄昏』On Golden Pond(1981年マーク・ライデル監督作品)では、アカデミー賞主演男優賞を受賞しました。
※Jason Robards and Henry Fonda H700

イーライ・ウォラック Eli Wallach について
お話が『荒野の七人』から脱線することも多くなりますが、トリヴィア・・・ご了承下さい。
この映画が「映画界の巨匠 黒澤明監督」の『七人の侍』の西部劇版リメイクであることは、皆さんもご存じかと思います。また、『荒野の七人』については、 さわりの一部をYouTubeでご紹介していますので、是非前回もご覧下さい。
ジョン・スタージェス監督の『荒野の七人』の成功で、スティーブ・マックイーンの他にも、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、ロバート・ヴォーンなど、将来が嘱望される俳優を発掘した映画になったと思っています。
また、盗賊団の首領カルヴェラ役のイーライ・ウォラックも独特の雰囲気を持つ、私の好きな俳優のひとりでした。 悪役カルヴェラのイメージから、その後出演したシネラマ超大作『西部開拓史』(How the West Was Won:1962年公開)でも無法者の首領を演じました。
とは言え、彼の人間性がにじみ出る悪党役・・・どこか憎み切れないものを感じるのですが、 如何でしょうか?    それを特に感じる映画がクリント・イーストウッド The Good (善玉)、   リー・バン・クリーフ The Bad (悪玉)と共演したセルジオ・レオーネ監督続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(The Good, the Bad, and the Ugly: 1967年日本公開)でした。
※イーライ・ウォラック& 銃の概要説明
上の写真は、イーライ・ウォラックのいろんな雰囲気をお伝えすると共に、荒野の七人で出てくる銃のお話しを少しでも分かりやすくするために掲載しました。西部劇が好きで、もう少しコルト45について知りたい方はYouTubeをどうぞ。

イーライ・ウォラック (Eli Wallach) は The Ugly・・・卑劣漢と訳されています。但し、一部の予告編等でリー・バン・クリーフをThe Ugly、イーライ・ウォラックをThe Badと言っているものがありますが、映画本編では正しく表示されていますので、このEnding Scene クリックで確認出来ますよ。) で決斗後の字幕を見て下さい。
でも・・・なぜ、そんなことに? イタリア語から英語への翻訳ミス!とのことです。 (^_^;)
Uglyの使用例には、The Ugly Duckling (アンデルセンの童話、みにくいアヒルの子)、そうそう!皆さんもよく耳にする「キモかわいい」といった雰囲気・・・puglyなんて言い方もあるみたい。カワイイわんちゃんのパグ (pug) +みにくい (ugly) の合成語 パグリー pugly、"pretty ugly" もあると聞いています。それに"Ugly Betty"という人気TVドラマもありましたね。・・・かっこいい悪役イーライ・ウォラック擁護の余談となりました。2014年没〕
   ランダル銃からかなり脱線・・・お待たせしました。本題に進みます。(笑)

【荒野の七人・・・秘話?! 】
The Magnificent Seven(※2016年リメイク版ではありません。)
※①荒野の七人 H719
さて、これが秘話はどうかはともかく、荒野の七人でのユル・ブリンナーは、いろんなシーンでスティーブ・マックイーンが目立つことに苛立っていたようです。オープニングの埋葬に向かう馬車のシーンでは、マックイーンがショットガンに弾を込める前の一瞬、耳元で散弾銃シェルを振ってみたり、日差しを確認するようにカウボーイハットを脱いで空にかざしたり、ほんの些細な仕草なのに、ブリンナーよりうんと目立っていました。 その後もマックイーンは観客の視線を自分に集めるかのように、ちょっと帽子のつばに触れてみたり、それどころか多くのアクションシーンでは帽子を脱いでいます。 他の俳優たちが、ほとんどのシーンでカウボーイハットをかぶっているのとは対照的ですね。
ブリンナーはこれに怒って『それを止めなければ、私も帽子を脱ぐぞ!そうすれば、その後のシーンで君を見る観客は誰もいなくなる!』とまで言い放ったようです。これはブリンナーのトレードマークのスキンヘッドを見せる、ということですね。実際にブリンナーは溝堀り作業のシーンでスキンヘッドを見せています。   それでも、 おそらくその後のシーンは ・・・ やはり ブリンナーよりマックイーンの方が注目されたと思いますよ。(笑) 

【スティーブ・マックイーンが目立つワケって?】
※マックイーンは何故目立つ
※何故、マックイーン扮するヴィンは目立つのか ・・・ ブリンナーではありませんが、私が感じるところをいくつかお話しします。
ヴィンは流れ者(The Drifter)の設定です。そのため他の6名とは服装から異なっています。 ガンマンのブリンナーやヴォーンとは対照的です。 どこかでカウボーイをしていたのか、まるで『ローハイド』の1シーンから抜け出したように、いつもジーンズの上にチャップス(Chaps) を付けています。また、 カウボーイハットは 他の誰よりも汗じみのような汚れが目立ちます。常識的には7人の中では、一番カッコ悪い身なりとも言えます。
しかし、これが役作りだとすればカッコ悪さが逆に目立つことにもなりますね。 そして、 極め付けは・・・そうです、 ホルスターから銃身がはみ出す銃でしょう。 早打ちに不利な銃は、ガンマンでないことを表しながら、ショットガンの扱い方などに精通したその人物像は複雑に見えます。 さらに、 いろいろな苦労を重ねて来た流れ者の落ち着きのなさなど、 動きの少ない場面で帽子や額を触ったり・・・ちょっとした表情も増幅されるでしょう。目立つ!


両者とも自己主張がかなり強い役者・・・競争の厳しい映画界では、こんなことは当然かも知れません。この動きは他の俳優にも影響を与え、彼ら皆がスタントマンを使って目立つアクションシーンを作ろうとし始めました。そして、ブリンナーは自らが望んだマックイーンのヴィン役への起用・・・後悔したそうです。  その後、皮肉にもマックイーンをはじめとした俳優さんたちが、大いに活躍することになりましたね。そんなシーンのいくつかを、私なりに映画から切り出してみようと・・・。皆さんへのトリヴィア提供のためですよ。
※Steve McQueen gun-shot H800
上はスティーブ・マックイーンの見せ場の一部です。盗賊を追うため馬に走り寄るヴィン・・・飛び乗る直前、 急に髪が伸びます。 たとえ、 主役クラスの役者が危険を伴うシーンを自分でやりたいと主張しても、万一の場合を想定する監督や映画会社はスタントマンを用意します。(今はCG合成・・・何でも可能ですが。)仮に大スターが大ケガでもしようものなら撮影は延期、最悪の場合には製作中止などの大損害を被ることも起こりかねません。 当然、映画会社側はこれを回避しようとしますから、これは大目に見ましょう。
中央と右端はコルト45 シングル・アクション・アーミー「キャバルリー(愛称)」(銃身長:約19cm)での早打ちシーンです。
ホルスターからはみ出すほど長い銃身の銃は本来早打ち用ではないそうですが、マックイーンは見事な腕前を見せてくれました。
また、他の6人の銃は、ほとんどが同じコルト45ながら銃身が約14cmの「アーティラリー
(愛称)
」を使っているようです。
(但し、銃については映画の中かモデルガン程度しか知らないの素人の私、記載に間違いがあってもご容赦下さい。)

※The Magnificent Seven + H800
※西部劇でのカッコよいアクションシーン・・・その一番は何と言っても早打ち! 私のように何度も繰り返し見る観客には、よりカッコよく見せる緻密な演出?が分かって来ます。 盗賊との銃撃戦に直面して銃をホルスターに収めることは考えられませんが、早打ちのインパクトを一層強烈にするためには、現実にはあり得なさそうな演出も必要なのでしょうね。
また、この演出は西部劇で売り出したマックーンの他、ロバート・ヴォーンにも使われています。上の左から2列目・・・中の様子を窓から確認したあと、拳銃をホルスターに戻し、ドアを蹴破っての早打ち! アッという間に3人の盗賊を倒し、人質を解放!
カッコいい! 「・・・ちょっと待った!」「・・・なあに、ヒゲ爺」・・・ヒゲなし爺だけど、空気を読まずに質問・・・。
ヴォーン扮するリーの銃!  飛び込む前の銃と・・・ちょっと違わない? どう見てもダブル・アクションのリボルバーでは?
シングル・アクションでは撃鉄を起こしてから、引き金を引く必要があるのですが、動画では撃鉄を起こす雰囲気を感じません。でも、あの名画「シェーン」での早打ち・・・実はダブルアクション・リボルバーをシングルアクションの銃に見立てて、敢えてファニングして見せました。とにかくカッコよく見える工夫、ヴォーンのこの銃・・・詳しいことは分かりませんでした。(笑)


ところで、この映画のテーマ曲も有名ですが、エルマー・バーンスタインが作曲したこの曲の録音時、オーケストラのメンバーだったのが、今や映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズで、ピアノを担当していたそうです。オリジナル・サウンドトラック・・・注意して聴いてみます。
では、荒野の七人のテーマ曲Orchestra at Temple Square のライブでお聴き下さい。

前号でお話ししたように、同じジョン・スタージェス監督のもと「大脱走」で主役の座を得たスティーブ・マックイーンと共にチャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーンも、大脱走では重要な役割を担って、その存在感を大いにアピールしました。(前号をご覧下さい。)

【ブリットBULLITT 】ピーター・イエーツ監督作品〕
荒野の七人から8年後、スティーブ・マックイーンのポリス・アクション映画『ブリット』 (Bullitt : 1968年公開) では、ナポレオン・ソロで人気を博したロバート・ヴォーン(チャルマース上院議員役)と対峙する刑事役で、再び共演することになりました。また、その6年後『タワーリング・インフェルノ』(The Towering Inferno : 1974年作品)では、消防隊のオハラハン隊長役のマックイーンとパーカー上院議員役のロバート・ヴォーンの共演も見ることが出来ました。この映画の主役、ポール・ニューマンとマックイーンがほぼ同格としてクレジットされました。共同製作の映画会社2社は二人の格付けに苦労したとのことです。
『タワーリング・インフェルノ』ワーナーブラザースと20世紀フォックスのそれぞれが超高層ビル火災をテーマにしたパニック映画の製作を計画しており、予算面から共同での製作となった作品です。
※Bullitt-H705
【ブリット秘話】(時間のある方は、アンダーラインのある青紫文字をクリックして動画を見て下さい。)
この映画の見どころのひとつが、サンフランシスコの坂道でのカーチェイスです。ご存じの通りマックイーンは運転が得意! しかし、この映画でも彼自身が危険なカーチェイスを演じることは制限されていました。それでもマックイーンは多くのシーンを自らが演ずることに執着したようです。その訳は ・・・『大脱走』のオートバイでの鉄条網越えの名場面が頭をよぎるからと言われていました。当初、これはマックイーンの運転によるものとされていたのですが、いつしかこれが彼の友人であるバド・イーキンズのスタントであることが漏れていたのです。エキストラを含め大勢のスタッフの目の前で繰り広げられたシーン ・・・いずれ知れることとは言え、マスコミ?からこれを問われたマックイーンは、事実を認めざるを得ませんでした。そして、これを大変恥ずかしいことと思い悩んだマックイーンは、その後の映画では、スタントを使うことを本当に嫌がったようです。
危険なシーンでのスタント、CG技術がなかった時代では当然のことと私は思っています。
従って、俳優が恥じることなど全くなく、逆にスタントマンやスタントウーマンは、スターに代わってこれらのシーンを演ずることに誇りを持っていたはずだからです。
※Bullit 001 H1050
『ブリット』では、高速で走る車がジャンプするシーンが多く続きます。また、急カーブでの危険なシーンもありますが、これらの多くは、やはり大脱走と同じくバド・イーキンズの運転です。(その後もイーキンズは、いろんな映画で運転のスタントをしていました。)
また、上中段の写真でバックするマスタングのシーンは、道を曲がり損ねたマックイーンがとっさに車をバックさせて、追跡を再開するところです。 本来ならカーブを一気に曲がるシーンでしたが、監督からも『カット!』の声がかからず、運よくカメラマンがそのまま撮影を続けていたのです。そして、運転ミスから生まれた迫力ある名場面となったのです。

※上の写真、左下のドライバー(ヒットマン:フィル役)はビル・ヒックマン Bill Hickmanです。俳優でありながら、有名なカーアクション・コーディネータ、勿論 自らもスターのカースタントをして来ました。 『フレンチ・コネクション』では、高架を走る電車 (地下鉄) に乗った殺し屋ニコリを追うカーチェイス  ・・・ ここでジーン・ハックマン扮する刑事ジミー・ドイル(愛称:ポパイ)の迫力満点のカーチェイスをこなしました。 なお、本編でビル・ヒックマンは麻薬捜査官の役で出演しています。
ハラハラドキドキのカーチェイスも見ものですが、思わず笑えるカーアクションもあります。映画007シリーズの第7作ダイヤモンドは永遠に』Diamonds are Foever (1971年 ガイ・ハミルトン監督作品)で、 ボンドのスタントとしてのビル・ヒックマンのカーアクションをご覧下さい。クルマは奇しくもフォード・マスタング! 色は真っ赤ですが・・・。(クリックをどうぞ)


大事故の危険が伴うカーチェイスで、運転のプロが代役となる必要性をご理解頂いたところで、先にお話ししたサンフランシスコの追跡シーンもう少しおまけしますね。
マックイーンが乗るマスタングの車内からの映像で、ルームミラーにマックイーンの顔が写れば本人が運転、顔が写らない角度にルームミラーを調整したものはイーキンズのスタントです。それと、マックイーンが運転するシーンで、彼はチューインガムを噛んでいますよ。これは、どうってこともないお話し!?・・・トリヴィアですからね。(笑)
※Bullitt H700
なお、この『ブリット』と時を同じくして、クリント・イーストウッド主演のポリス・アクション『マンハッタン無宿』(Coogan's Bluff : 1968年公開)が封切られ、後者はその後、『ダーティ・ハリー』や警部マクロードの原型となった作品でした。一方『ブリット』には続編もなく、マックイーンの刑事役はこれが最後となったようです。

そして、『ブリット』と『ダーティ・ハリー』(シリーズ)の音楽を担当したのが、ジャズ畑でもあるラロ・シフリンです。 彼の作品では『スパイ大作戦』『燃えよドラゴン』そして、『危険がいっぱい』では、ジミー・スミスのオルガンをフィーチャーした "The Cat"が有名ですね。 その他にも、「シンシナティ・キッド」「暴力脱獄」「太平洋の地獄」をはじめ「マンハッタン無宿」「戦略大作戦」「鷲は舞いおりた」「ラッシュアワー」シリーズ等、映画音楽だけでも多くのラロ・シフリンの作品があります。

荒野の七人のお話から随分と脱線もありましたが、多くのスターが故人となった今、有難いことに多くの思い出の映画を自宅で見ることが出来ます。しかし、かつての大スクリーンと素晴らしい音響、さらには大勢の観客と共有できる喜怒哀楽・・・映画館で感じた名作の魅力は
今でも忘れられません。
素敵な映画館 H700
お約束したジュリー・アンドリュース関連の作品・・・仕事が忙しくてなかなか準備が出来ません。エッ? リタイヤ爺だったのでは・・・。実は、定年退職後、依頼を受けてNPO法人の事務局長として、既に7年以上活動している現役なんです。豊橋市南端から名古屋まで往復4時間というハードな通勤!・・・ご納得かと思います。😊 そのお陰で元気なのかも!
では、次回も是非お立ち寄り下さい。お待ちしています。

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懐かしい映画Ⅳ・・・その前に、ジュリー・アンドリュースをはじめセレブたちのウィンクをご覧下さい。なんとも楽しい雰囲気の写真ですので説明も要りませんね。なお、レオンのウィンクはおまけの再登場です。 Julie Andrews  borzoi Leon
※①Elle-21-awkward-celeb-winks H700
さて、今回は『大脱走The Great Escape (1963年 ユナイト映画)についてのお話です。主演のスティーブ・マックイーン (Steve McQueen) は、1980年に50歳という若さで亡くなっていますが、私の中では今も数々の映画を通して生き続けています。
私がスティーブ・マックイーンを初めて知ったのは、テレビの『拳銃無宿』(Wanted Dead or Alive) でした。そうです、かなり昔ですね。(^_^;)  この頃のテレビ番組はこのブログの’16/2/18にあります。日付をクリックするとそこへ飛びますよ。

(ブログの更新が、ここしばらく出来なかったのは、こういったリンクを貼る作業を進めていたためです。 映画なら画質を優先した予告編等〔そのため、英語版や日本語字幕版とは限りません。〕、音楽なら音質を優先して選び、皆さんにご紹介しようということです。
いずれにしても、オリジナルの良さは、是非DVDやCD等で味わって下さい。 その他にも、いろんな資料を参考のため過去の号に追加してみました。)
※②●The Great Escape  H700
本題の『大脱走』はジョン・スタージェス監督が、その3年程前に監督した西部劇『荒野の七人』に出演したスティーブ・マックイーン (Steve McQueen)、 チャールズ・ブロンソン (Charles Bronson)、 ジェームズ・コバーン (James Coburnの他、当時テレビの『マーヴェリック Marverick』で人気が出たジェームズ・ガーナー (James Garner)※、 そして、多くの英国人、ドイツ人俳優を起用した力作でした。このブログの映画スターⅠⅡⅢに既出)
John Sturges,  Charles Bronson,  James Coburn,  James Garner,  (Bud Ekins: Motorcycle stuntman) 

第二次世界大戦中、ドイツ軍の捕虜となった連合国兵士たちの収容所からの脱走という実話①を基にした大脱走への出演がきっかけとなって、その後の映画やテレビドラマで一層活躍する俳優も出ました。Richard Attenborough,  David McCallum,  Donald Pleasence,  Gordon Jackson  
実話と映画② ここでは、鉄条網を飛び越えるシーンと機銃掃射で鉄条網に突っ込むシーンについての説明があります。スティーブは、当然ながら自分で演じるつもりでしたが・・・。

【秘話】当初、この映画で飛んでる?アメリカ兵捕虜ヒルツを演じるマックイーンは、自分勝手に脱走を企てるだけのキャラクターではお気に召さなかったみたいで、ヒーローとしての見せ場を得意なオートバイで撮ることを条件にヒルツ(Hilts)役を承諾したようです。脚本まで書き直させる・・・人気映画スターならではの要求かも知れませんね。
さらには、ヒルツがドイツ兵からオートバイを奪うために道路にワイヤーを張って、これにより転倒するドイツ兵の役をスティーブが監督に申し出て、スティーブ自身が演じました。そして、これでもかと言わんばかりのスティーブはドイツ兵の軍服を着て、ヒルツをバイクで追いかけるドイツ兵のひとりとして、観客を欺き?自分!?を追跡するシーンを演じました。当然これを知らなかった当時の私ですが、そのドイツ兵の運転姿勢やハンドル操作の雰囲気がスティーブとそっくり! 妙な印象を持った記憶がありますが正解でしたね。(大爆笑)
※すぐ上のアンダーラインの4分20秒あたりでUターンするドイツ兵がマックイーン! 上の実話と映画②の5分50秒あたりにはその説明も・・・そして、マックイーンの友人でスタントマンのバド・イーキンズ本人が登場しての思い出話しもあります。

また、デビッド・マッカラムがスティーブ(鉄条網越えは彼の親友が身代わりスタント)が突っ込んでいく鉄条網の作りについてのネタばらし・・・これらは訳さないでおきますね。バイクで鉄条網に突っ込んでいったシーン・・・本当に痛そうだったので・・・。(笑)
とは言え、撮影現場で時間の空いた出演者はスティーブをはじめ全員とスタッフ・・・料理人までが合間をぬって、この鉄条網作りに協力したようですから、さぞかしすごい鉄条網?が出来たことでしょうね。

それと、この長編映画を退屈させずに見させることに大きな役割を果たしたのが、エルマー・バーンスタイン。 いろんな場面で『・・・このあと・・・どうなるんだろう?』なんて思わせる音楽が、観客を惹きつけてくれている・・・とマッカラムは言ってます。私も同感です。
エルマー・バーンスタインは、私が影響を受けた音楽家のひとりです。(バーンスタインと言ってもウェストサイド・ストーリー』の作曲者レナード・バーンスタインとは別人です。レナード・バーンスタインは日本の著名な指揮者佐渡 裕が最後の弟子となったクラシック界の大御所(故人)です。)
実話と映画③ この脱走でドイツ軍の犠牲となった連合国兵士たちに触れています。

なお、チャールズ・ブロンソンジェームズ・コバーンはジェームズ・ガーナー同様、それぞれ主役の映画がいくつもありますが、今回は触れないでおきますね。
また、荒野の七人 (The Magnificent Seven)の主役、ユル・ブリンナー(Yul Brynner)は当時から大物スターで『王様と私』その他多くの出演作があります。中でも日本で活躍する米軍救助隊を描いた日米合作映画『あしやからの飛行(Flight from Ashiya)で、マイク高島曹長(Master Sergeant=MSgtを曹長と訳しましたが正確でないかも知れません。ご了承下さい。)を演じたブリンナーのキャラクターも印象的でした。この映画には『アラモ』『西部開拓史(How The West Was Won)』等、多くの作品に出演した性格俳優のリチャード・ウィドマーク(Richard Widmark)、『ウエスト・サイド物語』『ブーベの恋人(Bebo's Girl)』で人気を獲得したジョージ・チャキリス(George Chakiris) も出演していました。
     (あしやからの飛行 Flight from Ashiya : マイケル・アンダーソン監督 1964年ユナイト映画・大映合作)
※②●大脱走 James-Garner_H700
大脱走にお話を戻しましょう。でも、このブログでの映画のお話は、あらすじを紹介したりするものではありません。 旧作ながら、これからご覧になる方には・・・ありがた迷惑かも知れませんので・・・。その代わり、登場する俳優の魅力や映画製作の裏話や苦労話等に力を入れるようにしています。トリヴィア(trivia)= 雑学・豆知識程度のものかと思いますので、この点はあらかじめご承知下さいね。 その手助けをしてくれるのが各種の情報へのリンクですが、皆さんがリンクして道草されるのも・・・少々悔しいかな? そこで、このブログにひと通り目を通して頂いた後で、興味のあるところに戻ってもらえると嬉しいですね。
リンクは本文の下線青部分でマウスのポインターがに変わる場合です。但し、行先は私の独断と偏見?で決めました。)

Big X” という重要な役回りのリチャード・アッテンボローは、『ジュラシック・パーク』『飛べ!フェニックス』『砲艦サンパブロ』『ドリトル先生不思議な旅』等での俳優というだけでなく、『遠すぎた橋』『コーラスライン』『チャーリー』といった監督作品もあり、『ガンジー』ではアカデミー監督賞を受賞しています。(2014年90歳没)

書類偽造屋のコリンを演じたドナルド・プレザンスは、『007は二度死ぬ』での悪の組織のボス、ブロフェルド役をはじめ多くの映画に出演しました。『大脱走』での繊細で物静かなコリンとジェームズ・ボンドと対決する冷酷なブロフェルドでは正反対の役ですね。
※②●The Great Escape _for H700
エリック役のデビッド・マッカラムは年配の方はご存じかと思いますが、大脱走公開の翌年から放映された『0011 ナポレオン・ソロ』のイリヤ・クリヤキン役で人気者になりました。
また、テレビの『NCIS~ネイビー犯罪捜査班』で、検視官ドナルド・"ダッキー"・マラードを演じています。ショーン・コネリー同様、いい歳の取り方をしていますね。
なお、荒野の七人での早打ちガンマン役、そしてナポレオン・ソロのロバート・ヴォーン・・・残念ながら昨年(2016年11月11日)83歳で亡くなられています。
※②●The Great Escape Steve-McQueen-H700
スティーブ・マックイーンは車の運転は勿論、オートバイでも卓越した技量の持ち主でした。大脱走では、ドイツ兵から奪ったバイクでその腕前を見せてくれました。 実は私・・・高校生の頃からバイクを乗り回していました。当時、二輪免許の取得やバイクの乗車については、学校から特段の指導はなかったように記憶しています。Honda製のそのバイクはマフラーが羽根のように後方に跳ね上がっていました。(笑) (その後、四輪派になって廃棄!)
バイクが好きだった私・・・半世紀も前の大学時代には、友人のバイクを借りて後年通行禁止?になった京都四条通をノーヘルのスーツ姿で爆音を響かせて走ったものです。(当時はヘルメットなしでの運転もOKでした。)そのバイクは、私が京都・相国寺近くに下宿していた頃の友人のもので、排気量は450cc。今では中型でしょうか?  大型の750ccともなると、 私の体格(足の長さではありませんよ)では持て余すので、 250ccクラス大歓迎。 大型自動二輪免許を持った私、 今となってはフルフェイス シールドのヘルメットと革ジャンでも、 怖くてとても乗れません。ましてや、バイクの操縦全般に大きな支障の出る大脱走の国境フェンス越えのシーンような草原でのフルスロットル・・・当時の私も敬遠したでしょうね。
ヘルメットと言えば、真面目?で暴走族でもない私・・・当時、ヘルメットの集団に狙われていたかも・・・。・・・機動隊? いいえ!バイクの代わりに角材や鉄パイプを持った集団・・・。

しばらく更新がなかった割に『大脱走』のお話し・・・秘話も中途半端ですが、取り敢えず、ここまでで区切りとします。思い出したりした時には、その都度追加しておきますね。
それとボルゾイのレオン、そうそうジュリー・アンドリュースについても準備する予定です。
また、懐かしい音楽・・・これは予告編等で今回は代えさせて頂きました。どうぞご容赦を。
では、またお訪ね下さい。

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