飛んでる音好き爺・・・オーディオ・映画・音楽・愛犬

音楽を楽しむ・愛犬との暮らし・記録や楽しみとしての写真・映画・DIY・・・いろんなことに興味があり過ぎるリタイアした爺さんの独り言を綴ります。 映画や音楽、そしてかわいい愛犬との楽しい日々・・・では、どうぞお楽しみ下さい。(上部のクリックでブログ全体が見れます。)

タグ:特撮

シネラマやブローアップ含む70mm映画については以前特集を組みました。そして、これらに多くの方が興味をお持ちだと感じました。そこで今回は、シネラマや70mmで上映された作品にこだわらず、その第6弾に取り組んでみました。(まずは映画のパンフレットから・・・)
◆映画パンフレット ABC- H750
これらのパンフレットの多くは、ロードショーを見たときに購入したものです。出来の良いものもあれば、そうでないものもあり、比較的程度のよい紙質や印刷のものを並べました。しかしながら、 写真に写るマカロニ・ウェスタンのパンフレットには、 結果としてヒットした映画でもほとんどが印刷物としては今一歩の出来映えのものも含まれます。

さて、今回はパニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』の大ヒットで気をよくしたプロデューサー、アーウィン・アレンが取り組んだ超大作『タワーリング・インフェルノ』を取り上げてみました。
 
タワーリング・インフェルノ】 The Towering InfernoThe Opening Credits
   Distributed by 20th Century-Fox and Warner Bros.
   Produced by Irwin Allen    
●①Towering Inferno W3003 H900
1974年に公開されたこの映画は、パニック映画の巨匠アーウィン・アレン製作の大ヒット作品で、その年度で最高の興行収入をあげました。監督はジョン・ギラーミンですが、アクションシーンはアーウィン・アレン自らが監督しています。また、この映画の原作ふたつの小説の映画化権は20世紀フォックスとワーナーブラザースがそれぞれを持っており、 内容が似ている映画同士が共倒れになるのを危惧した両映画会社は共同制作(配給権は米国内は20世紀フォックス、その他地域はワーナーブラザース)に合意しました。  そして、その成功は後の超大作「タイタニック」(1997年公開)で予算オーバーで資金不足となった20世紀フォックスが、パラマウント・ピクチャーズと共同制作することへの期待につながりました。

主演はスティーブ・マックイーンとポール・ニューマン  また、主演の地位を要求したウィリアム・ホールデン ・・・ こちらは受け入れられませんでした。  そして、主演二人のオープニング・クレジットでの苦心の扱い  ・・・  画面の上下では上が上位、しかし、左右では左が上位。これはポスターでもそうなっていますね。(笑)  
 

すでに大スターとなっていたスティーブ・マックイーンの役へのこだわりは、この映画でも問題を投げかけていました。当初、プロデューサーのアーウィン・アレンはマックイーンに建築家を演じることを要求したが、マックイーンはこの映画での建築家という役割に不満がありました。その訳は、「荒野の七人」や「大脱走」でも触れたように、自分が中心となって派手で目立つ活躍を望んでいたのです。一方、元々は別の俳優を想定した消防士長の役割はそれ程大きなものではなく、マックイーンは、自分と同格の俳優が建築家を演じるのであれば、消防士のチーフ役を引き受けると言ったことから、ポール・ニューマンを建築家の役に迎えることになったのです。
しかし、台本が出来た後もマックイーンからのクレームはありました。ニューマンとは報酬をはじめ同等の扱いの筈なのに、ニューマンが他者と交わすセリフの方が12行多いとか。  そして、マックイーンが登場する上映開始から約43分後には、ニューマンは彼のセリフの持分の半分ほどを使っていました。残りのシーンでニューマンが無口になったかどうかは、私には分かりませんが。 
 

こんな状態だったため、後にニューマンはマックイーンとの共演を決めたことを後悔するようになったそうです。 ニューマンは「荒野の七人」でのユル・ブリンナーと同様の気持ちだったのかも知れません。  とは言え、 タワーリング・インフェルノが大ヒットしたことから、マックイーンの要求が単なる大スターのわがままだったとは言い切れませんね。 (笑) 
 

【贅沢な俳優陣】
●②タワー W3087 H900
主な出演者は上のポスターをご覧頂くとして、彼らがそれぞれ共演したスターについて触れてみます。  
 

★スティーブ・マックイーン:ポール・ニューマン主演の「傷だらけの栄光(1956年ロバート・ワイズ監督) で映画デビューしましたが、駆け出しのマックイーンの名はクレジットされませんでした。「荒野の七人(1960年 ジョン・スタージェス監督)と「ブリット(1968年 ピーター・イェーツ監督) ではロバート・ヴォーンと共にドン・ゴードンと、さらにゴードンとは「パピヨン」(1973年 フランクリン・J・シャフナー監督) でも共演していました。ロバート・ワグナーとは「戦う翼」1962年で、 フェイ・ダナウェイとは「華麗なる賭け(1968年ノーマン・ジュイソン監督) で共演しています。  
 

★ポール・ニューマン:ロバート・ワグナーと「動く標的(1966年 ジャック・スマイト監督)と「レーサー(1969年 ジェームズ・ゴールドストーン監督) で共演しました。
なお、ニューマンが再びアーウィン・アレン製作で組んだ「世界崩壊の序曲」(1980年公開) でウィリアム・ホールデンと共演したが、この作品が不評で大赤字!!   ニューマンは出演を後悔しました。 
 

★ウィリアム・ホールデンとジェニファー・ジョーンズは「慕情(1955年 ヘンリー・キング監督)  で共演し、タワーリング・インフェルノは20年ぶりの映画での再会となりました。
また、ホールデンはフェイ・ダナウェイと「ネットワーク(1976年 シドニー・ルメット監督)、 そして、フェイ・ダナウェイはリチャード・レスター監督の「三銃士(1973年) と「四銃士(1975年)でリチャード・チェンバレンと共演しています。 
 

★ロバート・ワグナーはスーザン・ブレイクリー(ホールデンの娘役) と「エアポート80(1979年 デヴィッド・ローウェル・リッチ監督) で共演しています。
 
こうやってみると、多くのスターはいろんな映画への出演でつながっているものですね。 なお、記載内容に もれがあるかも知れませんのでご承知下さい。 
 

【特撮について】Special photographic effects ・・・ L.B. Abbott
●③タワーW2136-TOWERING INFERNOL R
この映画の特撮場面での主役は、タイトルの通り「そびえ立つ灼熱地獄」と化した高層ビルでしょう。映画では、世界一高いビル(138階 高さ550m)の設定ですが、半世紀も経つと550mを超える超高層ビルが続々と建築されています。勿論、 火災対策等は万全でしょうね。(現在の世界一はドバイのブルジュ・ハリファ:828m)

では、この項の本題・・・この二棟の塔はどんな構造物でしょうか。ミニチュアとは言ってもグラスタワーの高さは21m強もあります。しかも内部には特撮に必要な仕掛けがあり、金色の外壁の反対側は構造体が見えます。そして、これらを使った特撮を可能にしたのが、L.B. アボットです。20世紀フォックスの特殊効果部長で撮影技師・撮影監督でした。特殊効果を担当した作品は、 本作品の他、「眼下の敵」(1957)、「ミクロの決死圏」(1966)、(1968)、「明日に向って撃て」(1969)、「パットン戦車軍団」(1970)、「ポセイドン・アドベンチャー」(1972) 等のSFから戦争物の他、「サウンド・オブ・ミュージック」(1965) がありました。 
 

ミニチュアを使う特撮には苦労が付き物です。グラスタワーがいかに見事に造られたとしても、火災や爆発、消火シーンの映像次第で単なる大きなおもちゃになってしまいます。
縮小されたタワーの火災や煙・・・消火に使った水の動き等をミニチュアに見合うように縮小して再現することは、CGが使えない時代では不可能に近いものだったでしょう。
特撮担当のアボットは試行錯誤を繰り返しながらも問題を解決して、あの恐怖の映像を作り上げました。
有難いことに、グラスタワーの火災シーンは夜間!  タワーの裏側は構造体のままのため、いろんな仕掛けを仕込むことが容易になりました。炎を制御する仕掛けは、煙の出ない青みがかった炎を作るブタンの噴射装置、煙が出るオレンジ色の炎を作るアセチレン噴射装置、もうひとつが、それらが大きな焚火の炎のようにならないように空気を吹き付けて炎を攪拌する装置でした。それぞれのガスの着火はスパークプラグで制御しました。 そして、3日間のテストの結果、火災の撮影は通常の3倍速の1秒72コマが適していることが分かりました。 また、物や水の落下にはさらに高速のコマ数での撮影が適していました。
●④タワー w3021 H773-comment space 0001
左端は超高層ビルのグラスタワーを見上げたフレッド・アステアのシーンへとつながる撮影風景です。しかし、巨大とは言えミニチュア! そびえ立つグラスタワーを見上げるアステア目線と錯覚させるためには、カメラをぐっとタワーに寄せたり、もっと低い位置にカメラをセットしなければなりません。しかも、上から下までピントが合った画像でなければ、逆にミニチュアを強調することになります。コンクリートの地面に大きな撮影機を埋め込む ・・・とても現実的ではありません。そこで、アボットは鏡を使うことで、大きなカメラで必要なシーンを撮ることにしたのです。 
 

皆さんは、西部劇等で機関車が観客に向かって爆走! ついには撮影機に激突!と感じさせた映画を見たことはありませんか? でも、 ご安心を! 高価な撮影機を簡単には破壊しません。
例として、線路脇の安全な場所に撮影機を設置し、線路の中央に必要な大きさの鏡をセットします。そして、鏡に映る機関車がカメラをが向かって来るように見える角度に、 それぞれを設定すればOKです。 あとは・・・ご想像の通り!  爆走機関車は鏡一枚を破壊しただけで、観客を恐怖に陥れます。 でも、 飛び散る鏡の破片でスタッフに危害が? これも大丈夫です。 スタッフやカメラは衝突現場の手前ですからね。なお、必要があればネガを裏焼にして左右を揃えることになります。 (笑)
もうひとつ! 落下物のシーンでもこれが使えます。石でも卵でもトマトだって観客に落とせますが、撮影方法の説明は・・・ もう不要ですね。但し、どちらも現場の後片付けが大変でしょう。
CGを使えば、 そんな苦労なんて要らないって? そうですね。半世紀以上前の特撮担当にメールしておきますね。(笑)
●⑤ w3208 H900 -2022-02
「タワーリング・インフェルノ」のパンフレットと「サントラ盤」 ・・・  映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズ作品です。そして、何気なく書棚の奥にある長めの望遠レンズに目をやると、まるで高層ビルのようだったのです。そこでちょっと並べてみた訳です。 
 

上の写真右下段のヘリコプター・・・スティーブ・マックイーンを釣り上げて飛ぶシーンです。ところが、ヘリが風にあおられて墜落してしまいました。でも、ご安心下さい。墜落したのはラジコンのミニチュア・ヘリコプター! しかし、これを見た現場で待機している医療班役のひとりドロシーが墜落現場に駆け寄り、マックイーンに見立てた人形を救助するかのようにカーゼに包み、叫びました。 "Don't worry, Steve, I'll save you! " 『心配しないで、スティーブ! 私が救うわ!』 周辺のスタッフからは、その勇敢な行為に笑いと共に拍手が起こりました。
 
当初、アーウィン・アレンはオープニングのヘリコプターのシーンではジョン・ウィリアムズのメインテーマを使わないつもりでした。
20世紀フォックスの音楽部門の責任者のライオネル・ニューマン(20世紀フォックスのロゴのバックに流れるファンファーレの作曲家アルフレッド・ニューマンの弟)のアドバイスでジョン・ウィリアムズはこれにちょっと手を加えて、晴れてメインテーマが使われることになりました。  それは、アーウィン・アレンとタイトルの文字の出るタイミングに合わせて盛大にシンバルを鳴らすというものでした。 (笑) 
今回号の上部 The Opening Credits の左方をクリックしてお聴き下さい。
モーリン・マクガヴァンの主題歌『We May Never Love Like This Again (愛のテーマ)』もお聴き下さい。(アカデミー賞歌曲賞受賞:作詞・作曲アル・カシャ/ジョエル・ハーシュホーン)
  
中央は、タワーの外部に沿って設置されたエレベーター (レプリカ) から転落するジェニファー・ジョーンズ役のスタントです。下方にスタント用エアバッグがあると分っていても、後ろ向きに落ちるなんて恐怖が倍増するでしょうね。
その下は、タワー屋上に近い階のタンク! どの部分がミニチュアのタンクでその他がマットペイント ・・・ さすがにプロの仕事 ・・・  さっぱり分かりません。オープニングなどで遠くにそびえるグラス・タワー の背景等もマットペイントとの合成が使われています。
なお、ミニチュアとは言え、タンクには約3トンの水が入ります。また、当時のマットペイントはすべて手描き!お見事! 
 

ところで、映画ではタンクの総水量は100万ガロンらしいのですが、日本では馴染みのない『米ガロン』です。1ガロンの水の重量は約3.8 kg ! 字幕でもタンクには380万リットルの水!とありますから、いかに映画とは言え、あの超高層ビルの上部にそんな巨大なタンクを設置し、 満水にする設計には無理があるように思っています。 (笑) 
 

保安係主任のジャーニガンに扮するO.J. シンプソンが見つめる中央保安室の機器類は本物のコンピューターです。但し、この映画が公開された1974年の20年ほど前の1954年にIBMが製造したもので、当時ソ連の爆撃機の動向を探る機器でした。爆撃機がミサイルに代わると真空管技術の機器等は時代遅れとなり廃棄したものですが、その外観に映画での活用を期待した映画やテレビ会社がこれらの一部を買い取りました。(SFのTVシリーズ『タイムトンネル』やSF映画『インディペンデンス・デイ』でも登場)
 
【撮影後の出演者の笑顔と共演者の他の注目作品の例】
●⑥ towering 慕情  W1683 H800
『タワーリング・インフェルノ』では、グラスタワーのオーナー役ウィリアム・ホールデンの娘婿で、 最後まで悪役となったリチャード・チェンバレンの名誉挽回もあり、 その後の注目作を組み入れてみました。
昔々、TVドラマで『ベン・ケーシー』と並ぶ人気を集めていた『ドクター・キルデア』の主役を務めたのがリチャード・チェンバレンでした。ここに掲載した作品は「キング・ソロモンの秘宝2/幻の黄金都市と求めて」・・・ シャロン・ストーンとの共演の第2弾!
そして、もう1本の「将軍 SHŌGUN」では、ウィリアム・アダムス・・・日本名 三浦按針役、三船敏郎や島田陽子らと共演しました。音楽はモーリス・ジャール、「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」「グランプリ」等で知られた作曲者ですね。 
 
ウィリアム・ホールデンとジェニファー・ジョーンズについては、『慕情を取り上げてみました。若い人たちには見ていない人が多いかも知れませんが、テーマソングはおそらく一度は耳にしているでしょうね。
なお、ジェニファー・ジョーンズにとって、タワーリング・インフェルノが最後の映画出演作でしたが、その35年後の2009年12月17日 90歳の長寿をまっとうしました。
 
さて、次回は、『タワーリング・インフェルノ』とほぼ同時期に公開された『大地震』の特撮を主に進める予定です。どうぞご期待下さいね。 
今回もご来訪頂きまして有難うございます。
 

  :--☆--:☆;。☆;+。・゚・。;+;*:--☆--:*:--☆--;・。;+;☆;+;。・゚・。;+;*:☆--:*:--☆--:☆;☆;+;。・゚・。;;☆。;+--☆--* 
  • なお、ブログに掲載する写真はスターの公式サイトをはじめ、新旧を問わず Pinterest、IMDb、そして今回は特に THE IRWIN ALLEN NEWS NETWORK の皆さんの協力を得ました。感謝申し上げます。 しかし、万一ブログへの掲載に支障が生じる場合には、ブログの管理会社経由のご指摘によって善処いたします。
    このブログは商業利用が目的ではないことから、関係者のご理解をお願いしたいと思います。
    ご支援頂いた皆さんにお礼を申し上げます。どうも有難うございました。

  • I have many images saved on my PC, and it is very difficult for me to check copyright. 
    If there seems to be trouble in posting, please point out via the administrator. I will promptly do the best.
     
    I am especially grateful to "THE IRWIN ALLEN NEWS NETWORK", "Pinterest" and "IMDb".
    This blog is not intended for commercial use, so 
    I am grateful for your understanding.
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

少々ご無沙汰していました。更新の準備は出来ていたのですが、この数か月の台風や豪雨・洪水等の甚大な被害を見て更新を躊躇していたのです。 私の住む愛知県豊橋市などの東三河エリアでは今回は大きな被害もなく、 我が家も無事でした。 しかし、 仕事や趣味で繋がった友人知人の住むエリアでは、たびたび未曽有の災害が発生していました。
【鹿児島・福岡・熊本などの九州、 徳島・高知などの四国、 広島・岡山などの中国地方、 大阪・兵庫など近畿圏、 福井、 三重、 生まれ故郷の岐阜県では美濃加茂・可児 ・・・ 東濃エリア・飛騨地方 ・・・ さらには首都圏では、 神奈川県横浜、埼玉・ 栃木・千葉などと東北地方、 北海道でも・・・。 ここしばらくのうちに地震や台風、 豪雨の直接被害に加えて 停電 ~ 断水、 さらに大きな事故までも!】
皆さん大変だったと思います。とにかくご無事を願っていました。
【この更新後10日も経たない内に猛烈な台風19号の襲来! 被災地の皆さんにお見舞い申し上げます。】10/13記
 
   :--☆--:☆;。☆;+。・゚・。;+;*:--☆--:*:--☆--;・。;+;☆;+;。・゚・。;+;*:☆--:*:--☆--:☆;☆;+;。・゚・。;;☆。;+--☆--* 
 

では、久々の更新・・・私のブログの映画関係をまとめてみました。
今回は70mm映画(フィルム版)のいろんな上映方式について振り返ってみました。 そうです! 愛犬特集・オーディオ特集のように、このブログの映画関係をまとめてみました。ブログ内検索の手間が省けますよ。(笑) どうぞお気軽にお気に入りの号をお訪ね下さい。(注:以前の特集まとめの号でも触れたように、映画を主にしているとは言え、オーディオ趣味・愛犬ボルゾイのレオンやアーサーにも触れています。その点はどうぞご容赦下さい。)
なお、すぐ下の巨大湾曲スクリーン『シネラマ方式上映』の号以外はブログ掲載の新しい順に並べました。例によってがあるアンダーライン部分のクリックでその号に飛びます 
 

【65mmネガフィルムで撮影した本格的70mm映画、35mmネガのブローアップ70mm、35mmフィルム横走行で撮影した70mm映画・・・高画質・高音質のためのいろんな工夫!】
 posters
 70mm D-150 Cinerama Posters
②Lawrence of Arabia +
これらは懐かしい映画の代表作ですが、他にも大画面で公開された映画のポスター等を掲載しています。なお、この号は映画作品そのものというより、70mm映画やシネラマ等の上映における問題やその解決への技術者たちの苦労をメインにお話しを進めています。 そのため、 フィルム映画時代の上映技術面に興味のない映画ファンの方には退屈かも知れません。 でも、そういう映画ファンの皆さん! 懐かしい写真だけでも見て頂ければ幸いです。(ポスター順不同) 
 

【35mm or 70mm、スタンダード ワイドフラット or 湾曲スクリーンすべてに対応
      この劇場は、
Pictureville Cinema(UK) ピクチャーヴィル・シネマ(英国)
②2017.11.6① Cinerama Screen & Cinemascope
【本格シネラマや70mmシネラマ方式上映用の巨大湾曲スクリーンには隠れた工夫が! 
⑦Cinerama Screen 001-1
【湾曲スクリーンへの上映用70mmフィルムには思わず笑える工夫が!】 
むかし見た大画面の70mm映画!  ほとんどの皆さんは映画の鑑賞に集中出来たことでしょう。 しかし、巨大スクリーン、場合によっては巨大な上に湾曲したスクリーンに客席後方の上部からフィルム映像を投影するのは至難の技のはず!と技術面に興味をもったのは私だけではなかったのでは? やはり大変な苦労があったのです。
そこで、 この号で技術者たちのいろんな苦労や工夫などを紹介することにしました。デジタル上映が主流の現在の映画館では問題とならないことも、 フィルム時代では大問題! 笑えるような工夫も・・・! 是非お訪ね下さい。

⑬2017.11.6●※todd-ao-portugal H700-1

【70mm映画は35mm映画に対して画質でも音響でも、当時は優位!】  
●※海底世界一周 H700
70mmフィルム  思い出の大画面映画大集合!シネラマ ・・・巨大スクリーン vs 映画技術者!  =苦闘と工夫= 
 

【70mmフィルムで上映された映画 お馴染み『インディ・ジョーンズ』】秘話!
03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 04
『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』 Indiana Jones and the Last Crusade
03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 09 Ford and Connery
ハリソン・フォードショーン・コネリー(親子役として登場)ティッピ・ヘドレンメラニー・グリフィス(実の親子)・・・ 皆さんご存知の映画でそれぞれが共演していました!  
  

【インディ・ジョーンズ  クリスタル・スカルの王国】(70mmフィルムではありませんが…) 
■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 01 original
ケイト・ブランシェットオカッパさんと右端2枚・・・ケイトさん!同一人物?・・・ホンマ? 
■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 02
チコちゃんに叱られる⁉】あなた どちらさん?』(フォード)ボーっと生きてんじゃねーよ! (ケイト)
セットにいた美しい金髪女性に『どちらさん?』と尋ねてしまったハリソン!  ≪彼が見学者かスタッフと勘違いした女性は・・・なんとインディの宿敵イリーナ役ケートでした。≫
■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 04 original
70mm映画 第5弾『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』(デジタルでの上映/クリスタル・スカルの王国)特撮 
 

【レイダース 失われたアーク】Raiders of the Lost Ark 
01-Indiana Jones series Posters
01-Raiders of the Lost Ark (1981) 1

【インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説】Indiana Jones and the Temple of Doom
02-Indiana Jones and the Temple of Doom (1984) 01
有名なトロッコチェースの特撮や恐怖の吊り橋での苦労や工夫 ・・・ 写真でお見せします。
02-Indiana Jones and the Temple of Doom (1984) 03

02-Indiana Jones and the Temple of Doom (1984) 04
 
 
【地獄の黙示録】Apocalypse Now
地獄の黙示録 Apocalypse now (1979)
地獄の黙示録 Apocalypse now (1979)-2
70mm映画 第4弾 インディ・ジョーンズ・シリーズ2作品 特撮&トリビア前編  そして、『地獄の黙示録 
 

【映画会社のオープニング・シーンにちょっといたずら・・・ 
01-Leo the Lion  MGM, etc.
 
【トップガン ・・・ トム・クルーズ、ケリー・マクギリス Top Gun
07-トップガン Top Gun (1986) Tom Cruise and Kelly McGillis
■04-Top Gun (1986)
【トム・クルーズ ・・・ ミッション・インポッシブル・シリーズ】 
■05-Tom Cruise in mission-impossible-Fallout- etc. 01
■06-Tom Cruise in Mission - Impossible
 
【未知との遭遇】 Close Encounters of the Third Kind ・・・ 驚きの特撮 
◆ 01-未知との遭遇 Devils Tower and Mother Ship
◆ 04-未知との遭遇 Devils Tower and UFO
◆ 07-未知との遭遇 Close-Encounters-of-the-Third-Kind
遊び心がいっぱい!巨大マザーシップやUFO・・・ 公開当時はマル秘の特撮の数々! まとめて紹介しちゃいます! 
70mm 大画面映画 Ⅲトップガン』航空アクション!『未知との遭遇』SFファンタジーの金字塔!

【ダイハード/バック・トゥ・ザ・フューチャー/E.T./タイタニック】 
00-Blow-up 70mm Movies
【ダイハード】Die Hard  01-ダイ・ハード Die Hard (1988)
【ダイハード2】Die Hard 2 
02-ダイ・ハード2 Die Hard 2 - 01

 【バック・トゥ・ザ・フューチャー】Back to the Future・・・
04-Back to The Future 1,2,3
 【E.T.】
05-E.T. the Extra-Terrestrial (1982)
 【タイタニック・・・ レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット Titanic
06-タイタニック Titanic (1997)
10-タイタニック Titanic (1997)
 
【スーパー35・・・どういう撮影方式?】  Super 35
11-Film Format 35-70mm
 

70mm思い出の大画面映画 第2弾!ブローアップ70mm『ダイ・ハード』『タイタニック』からのトリビア 
 

【NCIS~ネイビー犯罪捜査班】アビージヴァ、そしてイーライ・ダヴィード 
■Pauley Perrette - Abby Sciuto- Abby Sciuto H700
 
■ Cote-de-Pablo-and Michael Nouri  H700
 
【フラッシュダンス】Flashdance  ジェニファー・ビールズ&マイケル・ヌーリー
■05-Flashdance 01
  
● Flashdance(1983)- Four Rooms (1995)
お気に入りの音楽 懐かしい楽譜もいっぱい/NCIS:アビー&ジヴァ/フラッシュダンス
 

【バイク好きのユワン・マクレガーナタリー・ポートマン 
■08-Natalie Portman & Ewan McGregor 01
【バイク好きのシェール(かつては夫婦デュオ:ソニーシェール
■09-Cher W907 H700 cher-sexy-2010s-3 + 1
懐かしの映画や懐かしの音楽を 改めて 見たり聴いたりしてみては いかがでしょう。   オールディーズ・・・シェール
 

【ニュー・シネマ・パラダイス ・・・懐かしの映画館】Nuovo Cinema Paradiso・・・ オナリ座
■ 秋田県大館市のオナリ座と宮城県石巻市の岡田劇場-01
■02- cinema-paradiso H700
オードリー・ヘプバーンジョージ・ペパード】(主に映画ティファニーで朝食をから
■03-AH ティファニーで朝食を & オードリー・ヘップバーンの猫
【ジョージ・ペパード】映画『トブルク』Tobruk から 
■05-Tobruk - Geroge Peppard - 01
懐かしの映画は『懐かしい雰囲気の残る映画館』で、もう一度見たいと思う今日この頃! ニュー・シネマ・パラダイス 
 

ジェーン・シーモアと巨大ネコ!? クリストファー・リーブ&ロビン・ウィリアムズ】 
■01-Jane Seymour 01
【宇宙空母ギャラクティカ、ある日どこかで、007死ぬのは奴らだ】ジェーン・シーモア
■01-Jane Seymour 02
【ロビン・ウィリアムズ、ロバート・デ・ニーロ、そして映画『アンタッチャブル』の出演者たち
■02-The Untouchables - Kevin Costner, SeanConnery + cat
シェリー・デュヴァル、ロビン・ウィリアムズと親友クリストファー・リーブ】
■03-Shelley Duvall and Robin Williams Popeye 001
シェリー・デュヴァルShelley Duvall  
■04-SD Shelley-Duvall-⑯
【ジョージ・クルーニー】映画『バットマン & ロビン』から出演者たち
■05-Batman & Robin George Clooney - main
猫ちゃんとお友だちのスターたち ジェーン・シーモアと巨大ネコ⁉  アンタッチャブルの出演者はみんな愛猫家  そして、ロビン・ウィリアムズ、ジョージ・クルーニー 
  
アン・ハサウェイクリスチャン・ベールゲイリー・オールドマン】ダークナイト・ライジング ■01 Anne Hathaway in Batman Movie 011■04 Anne Hathaway in Get Smart etc.
■Tippi Hedren in The Birds 01
⑪■NCIS Mark Hamon etc.
愛犬家・ボルゾイとお友達&猫ちゃんになった女優たち アン・ハサウェイ他 巨大猫?と暮らす女優ティッピ!
 
【猿の惑星/奥様は魔女】
■ 猿の惑星 奥天は魔女 01
【フランク・シナトラエヴァ・ガードナー  
★  Frank Sinatra and Ava Gardner
★ ②Ava Gardner
【ロジャー・スミスアン・マーグレット/エルヴィス・プレスリープリシラ・プレスリー 
◆Ann Margret, Roger Smith and Elvis Presley 02
映画・音楽大好き人間!大集合の巻 Ⅶ  猿の惑星、奥様は魔女、フランク・シナトラ、ABBA、ビージーズ他 

パム・ドーバーロビン・ウィリアムズ】パム・ドーバーはNCISのマーク・ハーモンの奥さん) 
■ ①Robin-Williams-Pam Dawber
③ Pam & Mark
■ ①Mark Harmon H700 - 01
【ドリュー・バリモア】Drew Barrymore
Drew Barrymore E.T.
【ドリュー・バリモア、キャメロン・ディアス&ルーシー・リュー】
◆ Lucy Liu and Cameron Diaz ++
ブリトニー・スピアーズ そしてヒュー・ジャックマン】(RX-8に乗りました。
■Britney Spears - Hugh Jackman in X-MEN 2
映画大好き人間大集合の巻(Ⅴ) パム・ドーバー、NCIS マーク・ハーモン、ロビン・ウィリアムズ 他 RX-8!
 
【NCIS ネイビー犯罪捜査班 ギブス役マーク・ハーモンのお母さんエリス・ノックス 
■Young Mark Harmon with his family
【マーク・ハーモンのお父さんトム・ハーモン】 
2018.4.22■ Mark Harmon with parents etc. 01+
【エリザベス・テイラー】Elizabeth Taylor 
●Elizabeth Taylor 01
■ ET Elizabeth Taylor Lassie Comes Home 700 + 01
【バーブラ・ストライサンド】Barbra Streisand
⑫2018.4.22 Barbra Streisand, her dog and Camera ++
映画大好き人間大集合の巻 (Ⅳ) マーク・ハーモン NCIS/エリス・ノックス、エリザベス・テイラー/音楽! 
 
【マーク・ハーモンショーン・コネリーメグ・ライアンジョディ・フォスター】 
■ ① Mark Harmon 01
【NCISでマラード博士を演じるデビッド・マッカラム】David McCallum
■ ④David McCallum and Susan Oliver_Man_from_UNCLE
【ナタリー・ポートマン】Natalie Portman
■ Natalie Portman Photos
◆ Natalie Portman BlackSwan 003
映画大好き人間大集合の巻(Ⅲ)マーク・ハーモンのNCIS ・・・ ナタリー・ポートマン『レオン』(ニキータ)

【ブラッド・ピットアンジェリーナ・ジョリーBrad Pitt & Angelina Jolie
■ BP Brad_Pitt and Angelina Jolie H700
【ジーナ・ロロブリジータ、ソフィア・ローレン】Gina Lollobrigida & Sophia Loren
■ Gina Lollobrigida and Sophia Loren H700
【ひまわり】ソフィア・ローレンマルチェロ・マストロヤンニリュドミラ・サベーリエワ【戦争と平和】
■ひまわり ② Sunflower
【ジョニー・デップウィノナ・ライダーJohnny Depp & Winona Ryder
■Johnny Depp 02-1
映画大好き人間大集合(Ⅱ)NCISネイビー犯罪捜査班/ブラッド・ピット、アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ソフィア・ローレン『ひまわり』
 

【ジョン・トラボルタ】John Travolta   ■♪ミッドナイト・クロスBlow-Out + Saturday Night Fever
【ケビン・コスナースティーブ・マックイーンロバート・デ・ニーロ、ジーン・ハックマン、そして『X-ファイル』からデビッド・ドゥカブニー、ジリアン・アンダーソン
■③♪New York, New York, Conversation  H700
【クリント・イーストウッド】Clint  Eastwood
■①Clint Eastwood playing piano and western movies
【スーパーマン ・・・ クリスファー・リーブ、ジェーン・シーモア
■※♪Superman Christopher Reeve, Annette O'Toole, Jane Seymour
【エードリアン・ブロディ、リチャード・ギア】Adrian Brody, Richard Gere
■♪Adrian Brody, Richard Gere H700 comment
【ケーリー・グラント、水谷 豊】Cary Grant, Yutaka Mizutani 
■ Cary Grant plays piano and Yutaka Mizutani Aibou +
【オードリー・ヘプバーン】Audrey Hepburn
■Audrey Hepburn 02-700
音楽・映画大好き人間大集合(Ⅰ)Altec A7 ピアノを弾く映画スターたち / 写真特集   オードリー・ヘプバーン他

【ジュリー・アンドリュース】Julie Andrews
※ Julie Andrews and Dog H702
※ 1967 julie-andrews-thoroughly-modern-millie 001
※ Thoroughly modern millie  ②-1
【映画室、そして35mm/70mm兼用映写機】
※①H700 Phillips-DP70-dual-gauge-35&70mm-projector
限られた映写スペースで35mmと70mmフィルムを1台で上映する映写機に見る工夫!

【ティファニーで朝食を】Breakfast at Tiffany's
※H700 Breakfast at Tiffany's 01
【グレートレース】The Great Race
※ グレート・レース TheGreatRace - net ---
ジュリー・アンドリュース第2弾 コメディも似合う?! 演技は勿論、歌も踊りも凄かったオスカー女優Ⅱ 
 

【ジュリー・アンドリュース】Julie Andrews
※ Julie Andrews color portraits H705
【メリー・ポピンズ】Mary Poppins
※ Mary Poppins fantheory H700 ++
【サウンド・オブ・ミュージック】The Sound of Music
⑦2017.6.25※ julie-andrews-in-the-sound-of-music-H700++--
ジュリー・アンドリュースって ・・・ コメディも似合う?! 演技は勿論、歌も踊りも凄かったオスカー女優 
 

【スティーブ・マックイーン】『拳銃無宿』Steve McQueen
※拳銃無宿 Wanted Dea or Alive H700
【ウェスタン】Once Upon a Time in the West  チャールズ・ブロンソン
                      ヘンリー・フォンダ、ジェーソン・ロバーズ、
クラウディア・カルディナーレ

※Once upon a time in the West 01
【イーライ・ウォラック】Eli Wallach
※イーライ・ウォラック& 銃の概要説明
【荒野の七人】The Magnificent Seven  ユル・ブリンナー、 スティーブ・マックイーン と共演者
※①荒野の七人 H719
※Steve McQueen gun-shot H800
【ブリット】 BULLITT 
※Bullitt-H705
※Bullitt H700
懐かしく魅力的な映画スター(Ⅴ)『荒野の七人』etc.  秘話~『ブリット』スティーブ・マックイーンと共演者たち ウェスタン Once Upon a Time in The West ブロンソン
 
【大脱走】 The Great Escape
※②●The Great Escape  H700
※②●The Great Escape Steve-McQueen-H700
懐かしく魅力的な映画スターⅣ『大脱走』の見どころ&秘話 スティーブ・マックイーンと共演者たち
 
【グラン・プリ】Grand Prix  ジェームズ・ガーナー、イブ・モンタン、三船敏郎

●②-1Grand Prix Cinerama H720
●②-2grand prix H720
●③grand-prix-W568++
懐かしく魅力的な映画スターⅢ『グラン・プリ』秘話 ジェームズ・ガーナーと共演者   そして 続・懐かしい音楽

【ジェームズ・ガーナー、ジュリー・アンドリュース、オードリー・ヘプバーン
 Garner H650
【ジェームズ・ガーナー & ブルース・リー】James Garner & Bruce Lee
③かわいい女 The Little Sister- Marlowe マーロー H700
懐かしく魅力的な映画スターⅡ  ジェームズ・ガーナーとジュリー・アンドリュース、 オードリー・ヘプバーン 懐かしい音楽・いい曲Ⅱ 
 

【ジェームズ・ガーナー、ジュリー・アンドリュース、オードリー・ヘプバーン
Andrews
懐かしく魅力的な映画スターⅠ ジェームズ・ガーナー そして懐かしい良い曲Ⅰ『愛の誓い』『ルシアナ』他 
 

【クリント・イーストウッド、ハリソン・フォード】 
clint-eastwood - H715
何でもありの趣味のお話しⅢ  ひょうきん者レオン君  ラスベガスとグランドキャニオン   そして映画予告編 
 

【アポロ11号、そして映画『ライトスタッフ』The Right Stuff 『アポロ13』Apollo 13
★Apollo_11 (1) H700 ++
☆03宇宙飛行士とライトスタッフ・キャスト net +
何でもあり趣味のお話しⅡ 宇宙がテーマ『アポロ13』『ライトスタッフ』  木工趣味はサブウーファーの自作 
 
映画のアスペクト比を『砦の29人』『ペールライダー』を例にして説明します。
③35mm Film Format 0005
【『砦の29人』ジェームズ・ガーナーにとっても異色の作品だった。
砦の29人 0002
飛んでる音好き爺・・・愉快なレオン 愛犬二十面相! そして、何でもありの趣味のお話しⅠ =映画:砦の29人=

【メリー・ポピンズ、サウンド・オブ・ミュージック、ウエストサイド物語、王様と私、
 マイ・フェア・レディ、シェルブールの雨傘】 

ミュージカル映画
オーディオ趣味・・・私の目指した音づくり その③ 音の指向特性を知ろう! 映画館の音はプロの世界!
 
【風と共に去りぬ/ベン・ハー/クレオパトラ/十戒/アラビアのロレンス】
   CGがなかった頃の映画・・・群衆シーンは見事!それにしてもスケールがデカい!

●crowd scene H650
オーディオ趣味・・・私の目指した音づくり その②  映画から学ぶこと【迫力=ダイナミックレンジ】等
 

【劇場を揺るがす強烈な音響・・・センサラウンド・システム!】劇場周辺でも地震!? 
※大地震 earthquake_映画館の音響設備
オーディオ趣味・・・私の目指した音づくり その① 可聴域の外側の音って音楽鑑賞にそんなに重要?
可聴域の外側の音って ・・・ 特殊な目的のためには有効かも知れませんね。映画  での地震をはじめとした爆音爆発音など ・・・ 街中  ではモスキート音も! 
 

お気に入りの映画やスター、映画技術(特撮)のトリビアの号、いかがでした?  興味のある映画の号へ是非お立ち寄り下さい。今回も最後までご覧頂き、有難うございました。
またのご来訪お待ちしております。 
 

 
:--☆--:☆;+;。☆;+。・゚・。;+;*:--☆--:*:--☆--;+;・。;+;☆;+;。・゚・。;+;*:-☆--:*:--☆--:☆;☆;+;。・゚・。;+;☆。;+;--☆--* 
  • お願い:ブログに掲載する写真はスターの公式サイトは勿論、新旧を問わず”Pinterest" に参加の皆さんの
    協力を得ました。 しかしながら、仮に掲載に支障のある画像がある場合には、ブログの管理会社経由の
    ご指摘によって善処することをお約束します。
    当ブログは商業利用が目的ではないことから、関係者のご理解をお願いしたいと思います。 
    また、映画や楽曲の紹介については、YouTubeなどへリンクを利用しています。感謝しております。 

      
  • I have many images saved on my PC, but it is almost impossible for me to check copyright. 
    If there seems to be trouble in posting, please point out via the administrator. I will promptly do the best.
    Thank you everyone, especially who registered for Pinterest. 
    I also appreciate IMDb, Award Watch, The Indiana Jones Picture Gallery Project and YouTube.
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

70mm映画の第5弾『インディ・ジョーンズ  最後の聖戦』は、このシリーズ最後の70mmフィルムでの上映となりました。 そして、4作目となる『クリスタル・スカルの王国』は35mmフィルムとデジタルでの上映でしたが、特撮のお話しとして触れることにしました。
さあ、「インディ・ジョーンズ」シリーズの後編です。 
 

インディ・ジョーンズ 最後の聖戦👈Indiana Jones and the Last Crusade
1989年に公開されたジョージ・ルーカス製作総指揮、スティーヴン・スピルバーグ監督によるこの第3作目・・・ 今回も出来るだけトリヴィアを主に進めていきます。 また、写真を組むに当たって必ずしもストーリーの流れと一致させていませんので、あらかじめご承知下さい。

03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 01
・スピルバーグ監督は、常々「ボンド映画」を撮りたいと思っており、インディの父親役へのショーン・コネリーの起用も彼が望んでいることでした。そんな思いからか、インディ・ジョーンズには007映画を彷彿とさせる場面も多く見られます。なお、ボンド映画の共演者から多く俳優がインディ・ジョーンズ映画に登場することにもなりました。
ジョン・リス=デイヴィス(007 リビング・デイライツ1987)アリソン・ドゥーディ007 美しき獲物たち1985)ジュリアン・グローバー(007 ユア・アイズ・オンリー:1981)、 ステファン・カリファ007 ユア・アイズ・オンリー :1981)、 パット・ローチ (ネバーセイ・ネバーアゲイン1983)、 ユージーン・リピンスキー(007オクトパシー1983)、 マイケル・バーン (007 トゥモロー・ネバー・ダイ1997)、 ヴァーノン・ドブチェフ (007私を愛したスパイ :1977)

さて、映画の中で描かれるインディのあごの傷跡(あごの傷跡は本物でハリソン・フォードが二十歳の頃に交通事故で負ったもののようです。)や蛇恐怖症、そして、トレードマークのハットの由来については、 映画をご覧頂けば一目瞭然ですから触れないでおきましょう。 
 

若き日のインディを演じたリバー・フェニックスは、この映画公開の4年後、心不全のため23歳でなくなっています。  彼の映画は、他に『スタンド・バイ・ミー (1986年)』『スニーカーズ (2002年) 』を見ていますが、『グラディエーター (2000年) 』『サイン (2002年) 』『炎のメモリアル(2004年)』等のホアキン・フェニックスが実弟だったり、『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち (1997年)』『アルマゲドン (1998年)』『パール・ハーバー (2001年)』のベン・アフレックとは義理の兄弟だったことを後に知りました。   
03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 02
(ところで、 ロバート・レッドフォード、 シドニー・ポワチエ、 ベン・キングズレー、 メアリー・マクドネル等が出演した『スニーカーズ』で天才ピアニストを演じた子役、 浅井純さんは現在、 米国を中心に日本でもコンサートを開く等、 著名なピアニストとして活躍中です。 彼女は、 当時懇意にして頂いた名古屋の弁護士の親戚に当たるようで、 映画や音楽好きの私にこのことを教えてくれたのです。  
 

・俳優として苦労していた若い頃のハリソン・フォードは図書館の大工仕事関係の本を読み、生活費を稼ぐため片手間ながら大工仕事をしていました。 映画のセットづくり等で腕を磨いたこともあり、 評判の良かった彼に舞い込んだ仕事のひとつが、 のちにこの映画やスター・ウォーズでの製作総指揮と同シリーズ新旧三部作6本の内4作品で監督を務めたジョージ・ルーカスの家での仕事でした。
03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 03
このシリーズを通して、多くのスタントシーンをハリソン・フォード自身がこなしました。そのため、 フォード担当のスタントマン、 ヴィック・アームストロングは、ハリソンを片隅に引っ張っていき、『何もかも自分でやらないで、 僕にも仕事をさせてくれないか?』と、 頼むはめになりました。 後になり ヴィックは『彼があれほどすごい俳優でなければ、 彼は本当にすごいスタントマンを作ることになったんだけれどね。』と述べています。 確かに!👈 
  

・ハリソン・フォードがそれ程までにスタントを自分でやりたいと主張したのは、それが出来るという自信は勿論、 カメラの後ろに誰がいるかを知っていたからです。 それは・・・撮影に関与する全員です。 しかし、スターたちを思いがけない事故や怪我から守るためのプロのスタントマンやスタッフがいたからこそ、迫力あるシーンで多くのヒーローが生まれたことも忘れてはなりませんね。
03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 05
今回は2000匹程のネズミ👈が登場します。図書館地下で見つかったカタコンベでの彼らは一見普通のドブネズミに見えますが、疫病の感染を防ぐため特別に飼育されたネズミ君たちです。 また、 カタコンベの火災のシーンでは機械仕掛けの模型のネズミたちが使われました。 最終的に本物のネズミが1000匹、 模型のネズミが1000匹! ・・・誰が数えたのでしょうか・・・。
・このシリーズに欠かせない音響デザイナーのベン・バートが、いろんな効果音を作りました。ネズミたちは鶏の鳴き声から・・・ ナチスが占領した城の火災は発砲スチロールのコップを・・・ ドイツ軍とのドッグファイトは実際に複葉機に乗り・・・ 戦闘機の墜落は古くなった風力発電の風車の解体現場等々。これらで録られた音から迫力のある音を作りました。 なお、 ベン・バートについては前号👈でも触れていますのでお訪ね下さい。 
 

・ジェームズ・ボンドの愛用する銃がワルサーPPKということは、007映画のファンならおそらくご存じですよね。『最後の聖戦』の終わり近くでジョーンズ教授がドノバンに撃たれますが、 その銃がワルサーPPKなのは007映画へのオマージュとスピルバーグ監督のユーモアでしょう。
・元々の案ではアリソン・ドゥーディ扮するエルザがジョーンズ教授を撃ち、 間違った聖杯を選び聖水を飲むことになっていたようです。でも、 それではエルザが本当の悪人になる上に、 急激に歳をとり朽ち果てる哀れな最後を迎える・・・? 結果としてそうなかったことで、ワルサーPPKはブラックユーモアのネタになるのを回避しました。

03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 04
・この映画のために戦車2台が造られました。 フルショット用の1台は鋼鉄製で全長11m、 重量25トン(米国表示: 28 short tons) もう1台はクローズアップやスタント用のアルミニウム製でキャタピラーはゴム製(それでも重量は約8トン)でした。 
・この戦車には強力なエンジンが積まれましたが、25トンという重量のためせいぜい時速20km程のスピードしか出ませんでした。  スタントのヴィック・アームストロングや撮影班は、 馬をのろく感じさせずに、 馬の半分程の速度の戦車がその距離を保てるほどに速く見えるシーンを撮る! とにかく大変だったようです。 (上の写真中央)
 
・インディが馬に飛び乗り戦車を追いかけるシーンで、 彼のハットが飛ばないように接着剤や粘着テープ、 新聞紙を折ってクサビとして隙間に差し込んだりしましたが、どうしても脱げてしまいます。そこで、 フォードはホッチキスで頭に留めようとしました。写真もありますが真偽不明! それに痛そう!でも、動画でどうぞ。 (笑) 
バッグのショルダーベルトが戦車の砲身に引っ掛かり、崖に沿って引きずられる場面はフォード自身が演じました。そして、クルーたちはシャベルで、彼の頭上から土や砂ぼこりをかけました。  
03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 06
・ジョーンズ親子を追うドイツの戦闘機がトンネルの入口で両翼がもがれ、トンネルから飛び出して来たシーンはストップモーション・アニメーション(コマ撮り)で撮影されました。 なお、ここで使われたトンネルの模型は全長が約64mで2.4mずつに分割され、それぞれに蝶番を付けることで上に開けて撮影が出来ました。
・この
トンネルは、特撮を担当したILM社の駐車場で14台分のスペースを2ヶ月間ひとり占めしていました。ILMの社員は、その間さぞかし困ったことでしょう。(いろんな特撮のタネ明かし👈・・・前号分も含みます。) 
 
・飛行船から複葉機で脱出する時、インディは父親に『(飛行機は) 飛ばせるが着陸はできない』"Fly, yes. Land, no"と言っていますが、実生活でのハリソン・フォードは単発固定翼機とヘリコプターの操縦免許を持つ熟練パイロットです。とは言え、2015年3月5日に自身の操縦する小型機でゴルフ場に墜落! (セリフの通り?)という事故を起こしました。重傷を負ったものの、復活を果たしたのは・・・ まさにインディ・ジョーンズですね。

03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 08
・敵機の攻撃に対抗するため、 コネリー扮するヘンリー教授は海辺でのバード・ストライク作戦を思い付きました。 そして、 本物のカモメの群れで撮影を開始しましたが、 訓練を受付けない彼らは思ったように飛んでくれません。やむを得ず、 撮影には白いハトの群れとカモメの模型が使われました。(飛行機とカモメ?動画をどうぞ。👈)
また、近距離のシーンでは数百羽のTim bird(鳥形カイト)や羽毛で覆った十字型紙を降らせました。これらのシーンでは全体の雰囲気を見る観客はいても、すばやく切り替わる映像で1羽ずつじっくり見ることは不可能! これはうまく行きましたね。 (注:上の写真には『レイダース/失われたアーク』も含まれます。) 
 
 
【シリーズの成功を支えた勇敢なスタントマン・スタントウーマンたち】 
03-Though actors are heroes, stunts are emotions.
インディが馬から戦車へ飛び移る迫力のシーンは、伝説のイギリス人 スタントマンのヴィック・アームストロングによって行われました。  (それが上の写真右方です。なお、 スタントのお話しということもあり『魔宮の伝説』のスタントシーンも掲載しました。) 
 

この映画のスタント・コーディネータを務めたのがヴィック・アームストロング! 彼自身も多くの映画で主役のスタントを行いました。正にアクション映画界の代表的なスタントマンと言えるでしょう。 そして、 彼が束ねるスタント班を含め『最後の聖戦』では40名を超えるスタント担当がいました。
・『魔宮の伝説』でのフォードのスタント役ヴィックとケイトのスタント役ウェンディ・リーチはご夫婦です。
また、 ヴィックが007映画のいくつかで、 ジェームズ・ボンドのスタントをしていた頃のスタントアレンジャーがウェンディの父親で、スタントマンのジョージ・リーチでした。 ヴィックは、 後に007映画でジョン・リーチの役割を引継ぎます。 (このブログでは、以前スタントマンの活躍について触れています。スティーブ・マックイーンの大脱走👈やブリット👈の号をどうぞ。)
     
--☆--:☆;+;。☆;+。・゚・。;+;*:--☆--:*:--☆--;+;・。;+;☆;+;。・゚・。;+;*:-☆--:*:--☆--:☆;☆;+;。・゚・。;+;☆。;+;--☆--
・撃たれて重傷を負ったヘンリー教授の傷口を、 インディが選んだ聖杯で汲んだ聖水で洗うと傷が見事に消えます。 これは銃弾の傷口を重曹で上手に作り、 そこに酢を垂らすことで激しく泡が立ち、 さらにその泡を水で洗い流したのです。これって、あの米村でんじろう先生に教えてもらった? 多分それはないでしょうね。(笑)  
03-Indiana Jones and the Last Crusade (1989) 09 Ford and Connery
・ヨルダンにある世界遺産ペトラ遺跡は「最後の聖戦」で聖杯が隠されているアレクサンドレッタの遺跡として登場しました。それまで年間数千人ほどの訪問者が、この映画公開後はヨルダンでも有数の人気観光地になりました。 
 
・かつて、 ショーン・コネリーは (1964) ティッピ・ヘドレンと『マーニー』で、 そして、 この映画の前年、 ショーン・コネリーの息子役ハリソン・フォードはヘドレンの実娘、 メラニー・グリフィスと『ワーキング・ガール』(1988)で共演しました。なお、ヒッチコック監督の『鳥』のティッピ・ヘドレンについては、このブログの「巨大猫?と暮らす女優ティッピ」👈で触れています。 
 
ところで、 前号に掲載した『地獄の黙示録』では、 規模の大小を問わず戦闘シーンが生々しく、 恐怖を感じさせる描き方でした。一方、同じような戦闘シーンでも『インディ・ジョーンズ・シリーズ』の痛快な映像は、それとは大きく印象が異なります。 しかし、『魔宮の伝説』では邪悪な教団の儀式や格闘シーンの描写等により、その後の米国の映画視聴の注意規定(Film rating system) の細分化をもたらすことになりました。
 米国基準のPG13指定:インディ・ジョーンズ・シリーズ
最後の聖戦』『クリスタル・スカルの王国』の他に、 『アバター』『アルマゲドン』『シザーハンズ』『ジュラシック・パーク(シリーズ)』『スパイダーマン』 『タイタニック』『バットマン(シリーズ)』『ミッション・インポッシブル(シリーズ)』『ハリー・ポッター(シリーズ)』『ホビット(シリーズ)』『ロード・オブ・ザ・リング(シリーズ)』・・・
 米国基準のR指定:『地獄の黙示録』『キル・ビル(1&2)』『グラン・ブルー完全版』『ゴッドファーザー(シリーズ)』『ダイ・ハード(1,2,3)』『ターミネータ(1,2)』『ブラック・スワン』『マッド・マックス(シリーズ)』『マトリックス(シリーズ)』『座頭市(北野武監督)』・・・ 
 
『最後の聖戦』劇中の死者は、 何と50人! その内、 13人はインディ・ジョーンズの手によるものです。 これ程の死者数が数えられるくらい明確に
撮られた映画って、 他にあります?『地獄の黙示録』も及ばない!?    ・・・ それにしても誰が数えたの?・・・  
 
☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ;;☆ ☆☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆
 
【インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国】(2008年公開)
■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 01 original
スティーブン・スピルバーグは、 この映画でも撮影から上映に至るまで、フィルムでの微妙な再現性に拘り、 デジタル化 ・・・言い換えると映像の近代化を拒んできました。このシリーズ4作目の映画でそれまでの映像イメージを変えたくなかったのです。しかし、彼はデジタルの映像を見せられた後、 気持ちを変えて、フィルムで撮影後のデジタル処理を採用し、条件付きで少数のデジタル上映を認めました。 それは、デジタル・プロジェクターしかない劇場、 また、 35mmフィルム映写機があっても観客数が少ない劇場というものでした。 おそらく、 35mmフィルムの上映には大変手間が掛かるなど劇場側の経費面に配慮したのでしょうね。それと、このシリーズの製作総指揮者で原作者でもあるジョージ・ルーカスが積極的に推進しているデジタル映像の再現性が、 スピルバーグ監督にとって許容出来るところまで進んでいたことは言うまでもありません。
・2008年6月の時点で、この映画は配給プリント数1万2千!というパラマウント・ピクチャーズの最多記録を打ち立てました。
・ハリソン・フォードはインディ役で求められた白髪を染めることを拒みました。 『前作から20年近く経ち、 私もインディのファンも歳をとっている。だから、インディも歳をとるべきなんだ。 でなければインディの遺産を騙すことになる。 インディの魅力は彼の若さじゃなく、 想像力や困難に立ち向かう英知だし、演技への私の大きな望みは、観客に見てもらいたいのはスタントマンの後ろ向きの頭じゃなく、私の顔をまっすぐ見てもらうことなんだ。何歳になっても、これを続けたいと願っている。』・・・ 彼の言うことに私は賛同します。
 

【ケイト・ブランシェットは興味深い女優さん!】
■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 02
ケイト・ブランシェットは、アカデミー賞をはじめとした映画界の有名な賞をいくつも獲得している実力派女優です。 しかも、 固定したイメージを感じさせません。 どの役が本当の彼女に近いのか・・・それが分からないことも 私には興味深く思えます。 そんなことから、 今回号の最後に彼女の写真を載せましたので、どうぞご覧下さい。

さて、今回登場するヘビは、本物としか思えない出来映えでした。 本物じゃないの? これまで多くの本物のヘビが登場していたのに? 資料には、 いくつかのカットでスタン・ウィンストン・スタジオによって作られた複製ヘビが使われたが、 それ以外も本当にリアルだったとあることから、 コンピュータで作られたヘビだとも思われます。 しかし、このシーンのためにヘビ使いのジュール・シルヴェスターが参加しています。さあ、本物の
ヘビはどれ? 私には分かりません。 (笑) CGIの使用については、こんな話もありました。 

・プロデューサーのフランク・マーシャルは、この映画のアクションシーンは以前の3作品と同じようにスタントマンで撮影し、必要な場合にのみ"CGI"を使うと述べていました。  スピルバーグ監督もそのように言っており、 "CGI"の使用は視覚効果の30%程度と予想していました。しかし、いざ撮影が始まると、 当初より多くのCGI (Computer Generated Imagery)を使用することになりました。ヘビも含まれる?
04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 03
・車とオートバイのアクションシーンは、第2撮影班の監督ダン・ブラッドリーとスタント・コーディネータのゲイリー・パウエルによって撮影されました。背中からはスタントマンの安全確保用ワイヤーが伸びていますが、フォードとラブーフのシーンでも同様にワイヤーをつけてスタントシーンが撮られました。 勿論、 ワイヤーはデジタル処理で消されました。 
 
・これまでの3作品の大学や教室のシーンは、 すべてイギリスでエキストラを使って撮られていました。 しかし、 この映画の大学のシーンは米国コネチカット州のニューヘイブンで撮られ、 学生としてアメリカ人が登場するのは初めてのことでした。
■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 04 original
撮影開始後、 ハリソン・フォードはセットの中にいた金髪の女性を見て『どちらさん?』と尋ねました。それは、何と一緒に仕事をしているケイト・ブランシェットでした。彼は、イリーナ・スパルコの衣装と黒髪のおかっぱ頭以外の彼女を見たことがなく、それが誰だか分からなかったのです。『ボーっと生きてんじゃねーよ!』どこからか聞こえて来ま~す。 
    

・ケイト・ブランシェットとハリソン・フォードは、この映画の前に会ったことがなく、彼らが最初に会ったのは撮影初日で、ふたりはインディとイリーナ・スパルコの衣装でした。
ブランシェットは、 
以前からインディ・ジョーンズの大ファンで、 インディ・ジョーンズに扮した彼に紹介されるのを望んでいたのです。 このドッキリの成功は この映画の製作情報が厳格なマル秘事項だったことにあったのかも。 (笑) それにしてもケイトの変身は見事です。

■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 05 original
・ILMは、ドゥームタウンの破壊シーンのために巨大なミニチュアセットを造り、 破壊映像をCGIで補強しました。 なお、このミニチュアセットは、カリフォルニア州サン・ラファエルにあるカーナー・オプティカル社(Kerner Optical)の裏の敷地に組まれた広大な平板の上に設置され、4台の35mm撮影機とモーション・コントロールのビスタビジョン・カメラ1台を使って撮影されました。 
 
・この映画の前のインディ・ジョーンズ3本すべてで一緒に仕事をしたスタント・コーディネーターのヴィック・アームストロング、この時ハムナプトラ3 呪われた皇帝の秘宝」"The Mummy:Tomb of the Dragon Emperor"(2008)でスタント・コーディネーターを務めていました。 そのため、 この映画のスタント・コーディネーターはダン・ブラッドリーに依頼することになりました。 とは言えスティーブン・スピルバーグが監督したトム・クルーズ主演の「宇宙戦争」"War of the World"(2005年)でヴィックと仕事した時に彼が考えた3つのアクションシーンについて話し合っていました。その結果はおそらくダン・ブラッドリーが引き継いだものと思われます。 そして、スピルバーグ監督とダン・ブラッドリーは、 すべてのアクションシーンの計画を盛り込んだ伝統的な絵コンテを完成させました。但し、 バイクの追跡シーンはその後に思い付いた即興によるものでした。

・ハリソン・フォードは前作の『最後の聖戦』からほとんど体形が変わっておらず、体調も良かったことから多くのスタントを彼自身がこなしました。その中のひとつがジャングルでの追跡シーンでした。前作から19年・・・スタント技術も進み、より安全になっていたことも背景にあります。 ところで、模型のヘビはともかく、本物の大蛇って安全な部類なの?

■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 06
ケイト・ブランシェットは、 イリーナ・スパルコ役に備えてフェンシングの練習に励みました。
撮影合間には空手も練習しました。そして、 この映画での彼女のイメージも、やはり007映画から来ているようです。 『007 ロシアより愛をこめて👈(1963)のロッテ・レーニャ扮するローザ・クレッブ大佐を参考にしています。 ショートヘアをはじめ威厳ある態度にも表れているようですね。 
 
ロシアより愛をこめてと言えば、 ボンドを狙う屈強な刺客を演じて脚光を浴びたロバート・ショウ『バルジ大作戦』『わが命つきるとも』『カスター将軍』『スティング』などの後に、スピルバーグ監督の『ジョーズ』👈で荒くれ者のサメ狩りの達人を演じました。 しかし、皮肉にもこの2作品でロバート・ショウは、狙ったはずの相手のジェームズ・ボンドと人食い鮫にやられてしまいます。

■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 07
・インディ・ジョーンズ・シリーズ公開順に奇数番号の作品は遺物を見つけるのが目的のインディ! 偶数番号の作品は遺物があった場所に返すのが目的のインディ!『そんなことまで知ってるなんて、 音好き爺って、 ボーっと生きてるんじゃないようね・・・。でも、間違いないのはイマジンじゃなく、暇人ってことね。』(だれかの声)こういうネタ探しは、結構大変なんですよ。(笑) 
 

・この映画でインディ・ジョーンズはピストルを1発も撃ちませんでした!? こんなことは、このシリーズを通して初めてのことです。 本当に・・・ 撃たなかった? それって一体だれが数えたの? ・・・ 撃ってないものは数えようがないって?
・『クリスタル・スカルの王国』の劇中の死者は47人!その内、18人はインディの手によるものです。
  なんだよ!インディの分が増えてんじゃん。

では、 インディ・ジョーンズ・シリーズの印象深いシーン👈の数々を振り返ってみましょう。

【ケイト・ブランシェットのいろんな役柄 ・・・ 凄すぎる!】
■ 04-インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国 08
ケイト・ブランシェットの雰囲気は、 その役柄で様変わりします。 ロード・オブ・ザ・リングホビットガラドリエルクリスタル・スカルの王国イリーナ・スパルコが同一人物だなんて、 とても思えませんでした。
マイティ・ソー バトルロイヤル Thor: Ragnarok のヘラ役、 アビエイター The Aviator でのキャサリン・ヘップバーン役、ジョージ・クルーニーが製作・監督したミケランジェロ・プロジェクト The Monuments Men のクレール・シモーヌ役、 また、ラッセル・クロウのロビン・フッドもありましたね。等々。
皆さんにもケイト・ブランシェットの映画、きっと楽しんで頂けると思います。


さて、 ここしばらく70mmフィルムで上映された映画について、トリヴィアを中心に進めて来ました。いかがでしたか?
では、次号でお会いできることを楽しみにしています。どうも有難うございました。 
 
:--☆--:☆;+;。☆;+。・゚・。;+;*:--☆--:*:--☆--;+;・。;+;☆;+;。・゚・。;+;*:-☆--:*:--☆--:☆;☆;+;。・゚・。;+;☆。;+;--☆--* 

お願い:ブログに掲載する写真はスターの公式サイトは勿論、新旧を問わず”Pinterest" に参加の皆さんの協力を得ました。大変有用な検索サイトです。さらに、私のPCに保存している多くの写真を使うことになりますが、著作権等のチェックはほとんど不可能となっています。 そのため掲載に支障のある画像がある場合には、ブログの管理会社経由のご指摘によって善処する旨の表示をすることにしています。
  • 商業利用が目的ではないことから、関係者のご理解をお願いしたいと思います。 
    また、映画や楽曲の紹介については、YouTubeなどへリンクを利用しています。感謝しております。 

      
  • I have many images saved on my PC, but it is almost impossible for me to check copyright. 
    If there seems to be trouble in posting, please point out via the administrator. I will promptly do the best.
    Thank you everyone, especially who registered for Pinterest. 
    I also appreciate IMDb, Award Watch, The Indiana Jones Picture Gallery Project and YouTube.
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

ブローアップ70mm映画の第4弾はインディ・ジョーンズ・シリーズから1作目『レイダース 失われたアーク』と2作目の『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』、 もうひとつが『地獄の黙示録』です。 この頃までにはカラーフィルムの品質向上が一層進んでおり、 音響効果面を考慮した大スクリーン向けに35mmネガからのブローアップ70mmも定着していました。  その一方で、一般家庭でのビデオによる映画鑑賞や大型映画館のシネコンへの移行が進み、さらにデジタル音響の導入が追い打ち! 70mm映画の優位性は徐々に崩れはじめました。1990年代後半には、本家米国でも70mmプリントはほとんど製作されなくなり、インディ・ジョーンズも4作目の『クリスタル・スカルの王国』は35mmプリントとデジタルでの上映となりました。勿論、フィルム版もデジタル音響が可能でした。 
 

実は、 今回このシリーズ4作品をまとめて掲載する予定でしたが、 特撮シーンのトリヴィアや写真が多くなり過ぎたことから『最後の聖戦』『クリスタル・スカルの王国』は次回掲載としました。 そして、 代わりに追加したのが、 以前から予告していた『地獄の黙示録』です。
では、どうぞゆっくりご覧下さい。

【レイダース 失われたアーク《聖櫃》】"Raiders of the Lost Ark" (1981年)
スティーヴン・スピルバーグジョージ・ルーカス (製作総指揮)はこのシリーズ4作品でコンビを組みました。
01-Indiana Jones series Posters
シリーズ第1作『レイダース 失われたアーク』は、『スターウォーズ(エピソードⅣ)』のハン・ソロ役で人気スターとなったハリソン・フォード演じる考古学者インディ・ジョーンズのアドベンチャー映画・・・言わずと知れた傑作のため、ここではやはりトリヴィアを中心に進めていきます。  
 

主人公の名前が「インディ・ジョーンズ」となった訳 ・・・ 原作者のジョージ・ルーカスはスティーブ・マックイーンの『ネバダ・スミス』に触発され、 インディアナ・スミスを考えていました。 しかし、 監督のスピルバーグはスミス(一般的過ぎ?)よりジョーンズの方がピッタリすると考え、 結果「インディアナ・ジョーンズ」👈となりました。
また、 その名は当時 ジョージ・ルーカス夫妻が飼っていたマラミュートの名前でもありました。 犬の名前だった!?
01-Raiders of the Lost Ark (1981) 1
・ハリソン・フォードは、巨大な玉石に10回も追いかけられました👈。  そのシーンのために、5つの違ったアングルから2回ずつ撮影することになっていたからです。彼が途中でつまづいたのは想定外でしたが、かえって本当らしくなったことからNGにはなりなせんでした。(上の👈をクリックして確認して下さい。)
・この映画を象徴するような巨大玉石はガラス繊維で作られ、直径は7m程、重さは130kgを超えていました。 
・サウンド・デザイナーのベン・バートは、この巨大玉石の転がる音づくりには苦労しました。彼とそのクルーは、実際に丘から転がした音も録りましたが、それは求めている音ではありませんでした。 しかし、堤防の砂利道をニュートラルで惰性走行中のホンダ・シビックのタイヤから聞こえる音に気付き、エンジンから離れた後輪の音からそのサウンド作りました。私が影響を受けてきた音づくりの専門家のひとり ベン・バートから他にもいろんな苦労話が聞けますよ。👈 とは言え、聖櫃のふたを開けるシーンの音が、彼の自宅トイレの水槽のふたを開ける音だった・・・なんて。 (笑)
 

・脚本家のメリッサ・マシスンはこの映画のロケ現場に、 後に夫となるハリソン・フォードを訪ねて来ていました。
そして、彼女は撮影の合間をぬってスピルバーグ監督から聞いた構想を基にして『E.T.』の脚本を書き、『E.T.』(1982年) の Associate Producer も務めました。
01-Raiders of the Lost Ark (1981) 2
半月刀をもった黒装束の男との対決・・・当然のようにインディは鞭!と思いきや、 あっ気なくピストルで男を倒しました👈。台本と異なるこのシーンには訳があったのです。
・この対決シーンは、 インディが鞭で相手の刀を取り上げることになっているのに、 なかなかうまくいきません。 その訳は、スピルバーグ監督を除き、ハリソンらキャストとクルーのほぼ全員が食中毒にかかり、 ハードな演技が困難だったからです。 やむなくハリソンは、 スピルバーグ監督にピストルで撃ったらどうかと提案し、これが採用されて思わず笑えるシーンになったのです。 ところで、スピルバーグ監督が食中毒を回避できたのはなぜ? ・・・チュニジアのロケ中、 彼が山ほど持って来ていた缶詰のスパゲッティだけを食ベていたからと考えられています。さすがに監督! 下調べがしっかりしていましたね。 
  (NG等を含め、使われなかったシーン👈がいっぱいあります。こちらもクリックをどうぞ。)

インディ・ジョーンズ・シリーズには、必ずが登場👈します。  こんなにたくさんの蛇をよく集めたものだと感心しますが、出演者もスタッフも大変でした。 ロンドンやイングランド南部のペットシップから買いあさった数では全く足りず、スピルバーグ監督は足のない種類のトカゲやホースを切って本物の蛇の中に紛れ込ませました。(よ~く見ると分かります。) 
・撮影中に助監督のデビッド・トムリンはパイソンに手を噛まれました。 しかし、蛇は噛んだ手を放しません。 デビッドは冷静にスタッフの誰かに蛇のしっぽをつかんでムチのように波打ってくれと頼み、 スタッフがそうすると蛇は噛んでいた手を放しました。デビッドは手当てを受けたが、 蛇は無傷・・・この蛇は撮影に必要だった!? 
 
・撮影中にコブラに噛まれたパイソンが1匹死にました。 しかし、 ハリソンやカレンの周りに配置された蛇に毒蛇はいませんでした。では、 彼らにかま首をもたげたコブラはのシーンは合成? いいえ、 コブラと彼らの間は透明のプラスティック板で隔てられていました。でも、 怒ったコブラが毒液を吹き付けた時はドキッとしたでしょうね。 
 

・カレンがたいまつで足元の蛇を追い払うシーンでは、さすがにカレンのスタント担当もこれを拒みました。
その結果、足元だけのシーンとして、蛇使いのスティーブン・エッジ(男性)が足の毛を剃ってスカートで撮影に臨むことになりました。(笑)  蛇使いの話では、 映画のインディと違いハリソン・フォード(
スピルバーグ監督も) は蛇を怖がらなかったとのことです。そうでしょうね。仮にふたりが蛇を怖がっていたならば、大監督と大スター ! こんなシーンは拒めますから。 とは言うものの、スピルバーグ監督は後に、『魂の井戸』"the Well of Souls" の準備作業中、数千匹のヘビがうごめいているのを見て、吐き気がしたことを明かしています。(笑)
01-Raiders of the Lost Ark (1981) 3
・黄金像の後ろ姿 ・・・ NHKのチコちゃん!が特別出演してたのかって思ってた。だから、 上の写真のコメントに『うまく出来なかったら、 チコちゃんに叱られる!』って書いたけれど ・・・ それって・・・あるかもよ、 インディ! 
 
スタントマンをあまり使わないことで知られたハリソン・フォードも、さすがに危険過ぎるシーンではスタントの専門家にまかせることになります。 そんなシーンでは上の写真の通り、 体形や雰囲気の似たヴィック・アームストロング(写真)をはじめ、 トラックに引っ張られるテリー・レナード👈、落下シーンのマーチン・グレイスの3人がハリソン・フォードのスタントを務めました。これらのシーンの多くは昔の西部劇に触発されたものです。なお、トラックの下をくぐり抜けるシーンでは、特別に最低地上高を高くしたトラックと共に道路の中央部を掘り下げることで、テリー・レナードの安全を確保しました。
・もうひとつの安全対策として、このシーンは毎秒20コマ(標準は24コマ/秒)で撮影されたので、トラックは実際より速く見えます。それでも、テリーからバトンタッチして引きずられたハリソン・フォードは肋骨を痛めてしまいました。映画のメイキング・シーンのダイジェストも見てみましょう。👈 
・フォード担当のスタントマン3人は、 これらのトラックシーンではドイツ兵の運転手やトラックにぶら下がって転落するシーンでバッチリ写っています。 編集という魔術は ・・・楽しい。 
 

・こういったスタント・シーンでは、どんな激しいアクションでも
インディの帽子は脱げません。仮に脱げたら ・・・ カット! もう一度!となりました。ハリソンでないことがバレてしまうからです。 (笑) (スタント!👈)
ちなみに、インディのトレードマークとなった帽子のつばは、ハリソン・フォードの目の保護とスタントシーンでスタントマンの顔を隠せるようにデザインしてあります。  
01-Raiders of the Lost Ark (1981) 4
上の写真のインディがパンツァーファウストを構えたシーンで、 見上げるポール・フリーマンのハエが忍び寄り、その後飲み込まれてしまった👈というのです。
・ハエを見つけたイタズラ坊主のスピルバーグ監督は、ハエが飛び去る部分の数コマをカットあたかもポール・フリーマンの口にハエが吸い込まれたように編集したのです。 当時の人々は、ここでビデオデッキの一時停止やスロー再生ボタンを押したくなったとのこと。・・・ 確かに!
・ハイル・ヒトラーの声に合わせて猿が右手を挙げるシーンには、 50回程の挑戦が必要でした。数秒にもならない映像ながら試行錯誤を繰り返し、 猿の上部にブドウを吊るして上下させ、 これに手を伸ばす絶妙なタイミング ・・・やっと撮れました。

・映画のクライマックスで、『
霊』が流れるように飛ぶ優雅なシーン
👈は、 棒に取り付けた人形を水中で動かし、 ファジーレンズを通してスローモーションで撮った映像と舞妓のように白く化粧したモデル、 グレタ・ヒックスの映像から作られましたそして、 最後にがい骨にオーバーラップして恐怖のシーンに変わりますが、 幻想的で印象に残るシーンとなりました。
 

この映画は、 インディ・ジョーンズ・シリーズの始まりとなる1981年最大のヒット作品となりました。なお、 当初この映画のタイトルにインディ・ジョーンズの名前はありませんでした。そして、2作目の魔宮の伝説からタイトルの頭にインディ・ジョーンズが付きました。  
※※では、ここで『インディ・ジョーンズ・シリーズ』4部作のトリヴィアの一部をご覧頂きましょう。👈
 
 ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;
 

【インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説※トリヴィア映像を先に見ますか?👆
Indiana Jones and the Temple of Doom👈 (1984年) スティーヴン・スピルバーグ監督作品
 

この映画は、初回公開にあたり、これまでの最多となる240本以上の70mmプリントが製作されました。私が当時見た70mmでの上映は、その中の1本だったのですね。
ところで、この映画は当初 "Indiana Jones and the Temple of Death" ・・・敢えて訳せば『インディ・ジョーンズ 死を呼ぶ神殿 (死の神殿)』というタイトルを予定していましたが、悪いことが起きそうな展開をあまりにもストレートに予感させるため、少し抑え気味にして『(悪いことが起こりそうな) 運命の神殿』に変えました。邦題の雰囲気もいいですね。
・ケイトが演じるウィリーの名は、 当時スピルバーグ監督が飼っていた犬の名前から取りました。またしても犬?!
02-Indiana Jones and the Temple of Doom (1984) 01
主演女優のケイト・キャプショーは、この映画の公開から7年後(1991年)にスピルバーグ監督と結婚し、現在に至ります。一方のハリソン・フォードは『アリー My Love』で人気者になったキャリスタ・フロックハートと2010年に結婚しています。この女優さんたちは・・・コメディも難なくこなしますね!
なお、 ケイト扮するウィリーはこの映画で71回絶叫したとのことですが、その後のケイトの喉の調子はどうだったのでしょうか?  それにしても、絶叫の回数なんて、一体だれが数えたの?
細かいことが気になるのが悪い癖の私・・・ でも、 私ではありません。・・・数えてみようとは思っていますが ・・・。

・ケイト・キャプショウは昆虫の部屋で、2000匹以上の本物の昆虫に覆われました。 彼女はその恐怖に打ち勝つため鎮静剤を飲んで撮影に臨みました。それにしても、昆虫の数なんて、 一体だれが数えたの? ・・・またかよ! 
 
・インディたちが単発飛行機からパラシュート代わりの救命ボートで脱出するシーンは、米国アイダホ州のツインフォールズのスネークリバー・キャニオンで撮られた背景を使いました。   ここでもミニチュアの飛行機が実物と思えるほど見事に撮れていました。燃料切れで墜落する途中に車輪が岩肌に接触、雪を巻き上げるという細かい描写も特撮に一層現実味を与えました。 (燃料切れの墜落で爆発炎上?細かいことが気になる・・・まっ、いいか。) 
 
【テレビのクイズ番組にも影響を与えたトロッコチェイス!】アニメと同じ『コマ撮り』手法
02-Indiana Jones and the Temple of Doom (1984) 02
トロッコでの追跡シーンのトンネルは、塗装したアルミホイルで作られたミニチュアセットでした。 しかし、 ここに登場するミニチュアトロッコには35mm撮影機なんて積めません。そこで、35mmスティルカメラに特殊な長尺マガジンを取り付けて、 アニメーションのコマ撮り手法での撮影となりました。使用したスティルカメラは、モータードライブ (MD-4) を付けたお馴染みの "Nikon F3" でした。では、完成したシーンを見て頂きましょう。👈
・このシーンでのトロッコの走行音は、ディズニーランドのジェットコースターに乗って録った音です。
・トロッコに絡むシーンの撮影は、 ミニチュアを使うことが多かったとは言え、 当然実写もありました。悪者との戦いでショート・ラウンドが敵を叩いた棒切れが折れ、 その切れ端が運悪くケイトを直撃! 目の下に青あざを作ってしまいました。 翌日、ケイトから仕事に向うとの連絡を受けたセットの仲間たちは、みんな目の下に黒いあざのような化粧をしていました。
02-Indiana Jones and the Temple of Doom (1984) 03
この映画は、当初インドでのロケを計画していましたが、 映画の内容がインドの文化を反映していないことを恐れたインド政府が許可を出さず、結果として撮影はスリランカで行われました。そのいくつかは、1957年公開の『戦場に架ける橋』で使われた場所でした。
 (なお、「スリランカ」は1972年まで「セイロン」と呼ばれていました。)
また、原案ではインディたちの「万里の長城」でのバイクチェイスも予定していましたが、こちらも中国政府から拒否されていました。さすがに世界遺産でのバイク暴走?は無理!
02-Indiana Jones and the Temple of Doom (1984) 04
ロケ地がスリランカに変わったことで、幸運なこともありました。それは、クライマックスに登場する吊り橋の設置に関係します。ロケ地となったキャンディの町の近くでは、英国の建設会社がダムを建設中でした。 そして 吊り橋での撮影が迫る中、 建設会社の技術者がこれに協力してくれることになったのです。すると、あっという間に設計してテキバキと吊り橋を架けてくれたのです。彼らにとって、ダムの建設に比べれば人が渡れるだけの吊り橋など ・・・ 簡単だったのかも知れませんね。 
・いいえ! 吊り橋の完成まで4週間かかったので簡単だったとも言えません。実はこの吊り橋は、鋼鉄と丈夫なケーブルで安全な構造物として造られました。 そして、その後吊り橋がいかにも不安定で渡るのが危険に思えるように、その上からロープや木材で偽装したのです。
 ・上の吊り橋が切れるシーンは本物の吊り橋ではありません。現場から6〜7km離れた場所で撮られたスタント・コーディネータのヴィック・アームストロングが率いるスタントマンたちによるものです。 
 
さあ 撮影!そうは言っても、この高さで揺れる吊り橋を渡るのは恐怖を覚えます。そこで、プロデューサーのジョージ・ルーカスやスピルバーグ監督も出演者の気持ちを味わうことにしました。 但し、 上のふたりの写真が撮影前に撮られたのか後なのかは定かではありません。
恐怖の吊り橋のシーン ・・・ウィリーやショート・ラウンドは別として、ハリソン・フォードや彼のスタント担当ヴィック・アームストロングはじめみんな手放しの演技! 片やルーカスとスピルバーグは共にしっかり吊り橋のロープを握っているように見えますね。 (笑) 
  
・ハリソン・フォードがパンコット宮殿の寝室で暗殺者に襲われるシーンで敵を投げ飛ばした時、彼は背骨を傷めてしまいました。しかし、椎間板ヘルニアの手術のためロサンゼルスに運ばれた後でも、多くのアクションシーンの撮影が続行されました。そうです! ここで頑張ったのがスタントのヴィック・アームストロングでした。当時のヴィックは、 体形は勿論、 顔も大変よく似ていたので、 特別に注意することなく撮影を終えることが出来ました。
なお、復帰したフォードはクローズアップのシーンを改めて撮影、ヴィックのシーンにこれらを挿入しました。
02-Indiana Jones and the Temple of Doom (1984) 05
邪悪な教団の司祭モラ・ラム役のアムリーシュ・プリーはこの映画への出演によって、インドでは悪役として一層有名な俳優になりました。 彼はこの2年前に『ガンジー』に出ています。
 

ところで、インディ・ジョーンズ・シリーズは、ジョージ・ルーカスのスター・ウォーズ・シリーズに見られるような時系列の逆転があります。 インディ・ジョーンズ・シリーズの時代背景順では、1935年は『魔宮の伝説(1984公開)』、1936年は『失われたアーク(1981)』、1938年は『最後の聖戦 (1989)』、1957年は『クリスタル・スカルの王国 (2008)』です。
 インディ・ジョーンズのあとの2作品! 掲載は次回ですが、トリヴィア ・・・ どうぞご期待を。 
 

なお、インディ・ジョーンズに続いて地獄の黙示録 ・・・ これには少なからず理由があります。元々、地獄の黙示録の映画化にはジョージ・ルーカスが絡んでおり、監督もルーカスがあたる可能性があったのです。  しかし、 彼はスター・ウォーズを選択し、コッポラにこの企画を譲りました。そして、コッポラは大変な苦労を背負い込むことになってしまいました。最後には報われますが・・・。もし、これをルーカスが撮っていたらどんな映画になった?という私の興味もあったのです。
 
 ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆
 
地獄の黙示録👈Apocalypse Now (1979年)フランシス・フォード・コッポラ監督作品
ベトナム戦争を描いたこの映画も公開から40年を経て、おそらく見ていない人も多いことでしょう。今も世界のどこかで戦争や内戦での狂気が続いているのをことを考えると、特に若い人たちに見てもらいたい映画のひとつだと思います。この映画への評価はいろんな見方があり分かれましたが、私は、この映画から気付かされる終わることのない『恐怖の連鎖』の描き方に注目しました。そして、これは現代のいじめ! 特に弱い者に対する卑劣な行為に通じるものと思っています。これについては、最後に少し触れることにします。 
 

・フランシス・ フォード・コッポラは、『地獄の黙示録』『ゴッドファーザー・シリーズ (1972年~)』『カンバセーション・・・盗聴・・・(1973年)』等での監督・脚本をはじめ、『パリは燃えているか (1966年)』『パットン大戦車軍団 (1970年)』『華麗なるギャツビー (1974年)』では脚本を、『アメリカン・グラフィティ(1973年)』『影武者』では製作者に名を連ねていました。
・『地獄の黙示録』と『カンバーセーション・・・盗聴・・・』は共にカンヌ国際映画祭で最高賞のパルム・ドール賞を獲得しました。 (日本映画の受賞作:『万引き家族』(2018年 是枝裕和監督)、『うなぎ』(1997年 今村昌平監督)、『楢山節考』(1983年 今村昌平監督)、『影武者』(1980年 黒沢明監督)、『地獄門』(1954年 衣笠貞之助監督)5作品)
 
・ニコラス・ケイジ 【コン・エア (1997年)】【フェイス/オフ (1998年)】はコッポラ監督の甥で、【ゴッドファーザー・シリーズ (1972年~)】でのヴィトー・コルレオーネの末娘、【ロッキー・シリーズ (1976年~)】ではロッキーの恋人エイドリアンなど重要な役を担ったタリア・シャイアは、コッポラ監督の妹です。

地獄の黙示録 Apocalypse now (1979)
・ハリソン・フォードは、この映画で自分の役名を決めることが出来ました。 そこで、コッポラが製作して、 自らも出演した『アメリカン・グラフィティ』(1973年公開) の監督ジョージ・ルーカスに敬意を払い ジョージ・ルーカス大佐としました。 また、ハリソン・フォードのウィラード大尉も検討されましたが、『スター・ウォーズ』への出演もあり、 彼のウィラードは実現しませんでした。
・マーチン・シーンが演じる「ベンジャミン・ウィラード」の名前の由来は、ハリソン・フォードのふたりの息子、 ベンジャミンとウィラードを組み合わせたものです。(今度こそ、犬の名前ではありませんでした。)
 
・「地獄の黙示録」と「スター・ウォーズ(エピソードⅣ 新たなる希望)」は同じ頃に製作を開始しましたが、 前者は完成までに3年を要したため公開は『スター・ウォーズⅣ』の2年程後となりました。 
・アカデミー賞の音響賞(撮影賞も受賞)を獲得したこの映画ですが、現地で収録した音声はヘリコプターなどの騒音で使い物にならず、 アフレコ音源でウォルター・マーチはじめ音響スタッフが完成させました。 そして、効果音や音楽などを含めた優れたミキシング技術は、70mmフィルムでドルビー・ステレオ・サラウンド方式を成功させた最初の映画でした。 

【追記
   アナモフィック・レンズを装着したテクノビジョン(一部 Todd-AO 35)で撮影された  「地獄の黙示録」の35mmネガフィルムからのブローアップ70mmフィルムでの当時の上映には、ドルビー・ステレオ・サラウンド・システムが使われました。
 それまでも70mm映画は6本の磁気トラックを持っていました。 大劇場ではスクリーンの裏に5本のスピーカーがあり、センター・スピーカー両脇に追加した2本は低音補強用にもなりました。 しかし、後に70mm映画館ではスクリーン裏の左・中央・右の3本のスピーカーとサラウンド用に計4本の磁気トラックを使うのが一般的になりました。 そして、残りの2本の磁気トラックは、設備の整った映画館を対象に、サブウーファ専用の信号とサラウンド信号、あるいはデュアル・チャンネルとしてサラウンドを補強する、というオプションが用意されました。
(※磁気トラック・スプリット方式、と「風  共去さん」からからコメントを頂きました。感謝。)


 なお、これまで取り上げた70mm
作品は6本の磁気トラックが標準でしたが、各作品でそれがどのように使用されたかの資料が見つからないため、すべてに70mm(6-Track)と表記したことをご承知下さい。   

 ちなみに、それ以前に公開された「スター・ウォーズ」や「未知との遭遇」35mm版では、多チャンネル情報を2チャンネル化したステレオ音響からマトリックス(音声合成)回路でセンター用とサラウンド用の信号を取り出し、観客席の両側壁と後方壁に設置した複数のスピーカーを鳴らすドルビー・ステレオとして上映されました。70mm版ではディスクリート音響を6チャンネルに記録でき、一層低音とサラウンド効果が補強されたと言われています。映画の音響でのノイズリダクションとして登場していたドルビーNRとの相乗効果でダイナミックレンジが大幅に改善されたのは、想像に難くないですね。

 また、35mmフィルムでの4本の磁気トラックが利用できる映画では、3本はスクリーン裏の3本のスピーカー用に、残りの1本はサラウンド用に使われました。 しかし、 固いフィルムに塗布した磁気部分が再生ヘッド  (テープレコーダーの再生ヘッドと同様の仕組み)との接触で傷みやすく、音響的には優位ながらも間もなく消滅することになりました。 
  

・オープニングのヘリコプターの音は、 音楽に溶け込むようにシンセサイザーで作られました。  
・当時、 ロケ地のフィリピンには映画専門の現像所がなく、 撮影したフィルムは米国に送る必要がありました。
そのため、 コッポラ監督たちはロケ終了後、 カリフォルニアに戻ってからでなければそれらのシーンを見ることが出来ないという一発勝負の撮影でした。 そんな状況にもかかわらず、さすがにプロ!  撮影監督の
ヴィットリオ・ストラーロはアカデミー賞の撮影賞を受賞しました。ラストエンペラー The Last Emperor でも受賞しています。)
地獄の黙示録 Apocalypse now (1979)-2 ・当初、 サウンドトラックの音楽は、 冨田勲氏に彼の惑星をイメージして作曲を依頼しました。 しかし、この映画の配給会社がユナイテッド・アーティスツ、 一方の冨田勲はRCAとの契約があり断念せざるを得ませんでした。
・冨田勲に代わって音楽を担当したのは、コッポラ監督の父親カーマイン・コッポラです。そして、 印象的な"The End"の演奏は『ドアーズ』"The Doors"。👈 なお、 リードボーカルのジム・モリソンの父親は、 
皮肉にも米国海軍の有力な提督 ジョージ・S・モリソンでした。 
・この映画を代表するもうひとつの楽曲、 
ワーグナー作曲「ワルキューレの騎行」👈  をお聴き下さい。 
  
・コッポラ監督は、この映画の特殊音響に『大地震』や『ミッドウェイ』などで効果をあげた「センサラウンド・システム」の使用を望んでいましたが、このシステムを所有するユニバーサル・スタジオは、これを認めませんでした。それもあって70mmフィルムでのドルビー・ステレオ・サラウンド方式を採用したのでしょうね。
注:
センサラウンド』についての概要は、このブログでも触れています。クリックして参考にして下さい。👈) 
  
・後になって、 マーチン・シーンがコッポラ監督との会話で、 当時彼は泳ぐことが出来なかったため、 船に乗る多くのシーンはいつも怖かったと語りました。(仮に水泳が得意でも、蛇やワニなど何が襲ってくるか分からないことの方が、私にとってはもっと怖い!) 
 
・この映画のロケ中にマーチン・シーンは心臓発作を起こしました。 そして、 彼が復帰するまで彼の弟ジョー・エステヴェスが代役を務めました。 あなたが見たウィラード大尉の後ろ姿などはジョーかもしれませんね。 また、編集の困難さもあり、映画の完成まで長期間かかったことから、ウィラード大尉のナレーションに追加が必要になった時も多忙なマーチン・シーンに代わって、ジョーがナレーションを担当しました。 彼らは声は勿論、 外見も似ていたこともあり、ジョー・エステヴェスがクレジットされないままの公開となりました。
・撮影は、当初6週間の予定でしたが、結果として16ヶ月もかかりました。
地獄の黙示録 Apocalypse now (1979)-3
・ローレンス・フィッシュバーン(タイロン・ミラー役)は、後に『マトリックス・シリーズ』『ミッション:インポッシブルⅢ』『マン・オブ・スティール』等の他、TVの『CSI : 科学捜査班』で有名になりましたが、この映画の撮影開始の1976年当時14歳でした。彼は歳を偽って出演していたのです。
・デニス・ホッパー(フォトジャーナリスト役)は、 かつての端正な顔立ちなどからは想像できない雰囲気でした。 こんな変化は『イージー・ライダー』あたりからでしょうか?
・スコット・グレン(リチャード・コルビー中尉役)は、カーツ大佐の殺害のために任務についた後、行方不明になった亡霊のような役で、最終版ではひと言もセリフがなかった!? その後出演した『ライトスタッフ』(1983年)では冗談や無駄口の多いアラン・シェパード (米国で初の宇宙飛行に成功し、 後にアポロ14号の船長として月面に降り立った5人目の人物) として明るく登場し、『羊たちの沈黙 (1991年)』では、FBIの
ジャック・クロフォード主任捜査官として冷静沈着な役 ・・・ どんな役でもこなせますね。ショーン・コネリー主演『レッド・オクトーバーを追え!(1990年)』にも出ていました。ケヴィン・コスナーとの西部劇『シルバラード』もありました。
・地獄の黙示録/特別完全版(2002年日本版予告編)👈

【 映画から見える『いじめ』の構図 】これはあくまでも私見です。)
映画の最後、マーロン・ブランド扮するカーツ大佐がウィラードの山刀の攻撃を受け、死の直前につぶやきます。『・・・恐怖・・・恐怖だ 』👈 彼が部下やまわりの村人たちに与えていたと思われた恐怖心を自分自身も抱いていたのでしょう。 そして、日々見えない敵や自分の心に潜む恐怖心という敵に怯え、 極限状態の恐怖から逃れるため、一度は拘束したウィラード大尉を解放したのだと思います。カーツが彼に託したこととは自身の死、これを軍人ウィラード大尉に託したのです。 
 

これもカーツ大佐の言葉です。『恐怖・・・恐怖には顔がある。そして、君は恐怖と友だちになる必要がある。  ・・・恐怖と道徳観の破壊は君の友だちだ。もし、 そうでなければ、 その時、彼らは恐るべき敵になる。彼らは本当の敵なんだ。』 これは、人が恐れることや道徳的思考が破壊されてしまい、とても許されない狂気の行為がまわりの人をいかに弱くするかを言っているのだと思います。 これはまさにいじめの構図です。 その恐ろしい行為が自分に向かないように、自らもその行為に加担するのです。  時として弱い者を死に追いやります。   恐怖で自分の思うまま弱い者を操る・・・児童への虐待にも通じます。そして、その恐怖はいじめる側にも生じ始めます。いつか自分に歯向かう敵が現れるのではとの恐れが、さらに恐怖の行為を増大させていきます。ウィラード大尉がカーツ大佐を討った後、その姿を目の当たりにした周りの人々は、大ナタを捨てたウィラードに 歯向かうこともなく、武器を捨てて道を空けます。 この時、恐怖の連鎖・・・彼らにとっては逆らえない新たな恐怖が誕生したのです。 
 

しかし、この映画には救いがありました。
ウィラードは、群衆の中に
呆然とするランス(サム・ボトムス:サーフィンが得意な若者役)を見つけると、彼の手を引きボートに向かうラスト・シーン ・・・ カーツの創った狂気の王国に留まることなく、ウィラードは人間性を取り戻したかのように、この地を去って行くのです。 
(映画のエンド・クレジットには異なった解釈になりそうなふたつのバージョンがありますが、 これには触れないことにします。)
  
では、次回インディ・ジョーンズ第3作、 第4作でお会いしましょう。有難うございました。

:--☆--:☆;+;。☆;+。・゚・。;+;*:--☆--:*:--☆--;+;・。;+;☆;+;。・゚・。;+;*:-☆--:*:--☆--:☆;☆;+;。・゚・。;+;☆。;+;--☆--* 
  • お願い:ブログに掲載する写真はスターの公式サイトは勿論、新旧を問わず”Pinterest" に参加の皆さんの
    協力を得ました。大変有用な検索サイトです。さらに、自分のPCに保存している多くの写真を使うこと
    になりますが、著作権等のチェックはほとんど不可能となっています。 そのため掲載に支障のある画像
    がある場合には、ブログの管理会社経由のご指摘によって善処する旨の表示をすることにしています。
    商業利用が目的ではないことから、関係者のご理解をお願いしたいと思います。 
    また、映画や楽曲の紹介については、YouTubeなどへリンクを利用しています。感謝しております。 

      
  • I have many images saved on my PC, but it is almost impossible for me to check copyright. 
    If there seems to be trouble in posting, please point out via the administrator. I will promptly do the best.
    Thank you everyone, especially who registered for Pinterest. 
    I also appreciate IMDb, Award Watch, The Indiana Jones Picture Gallery Project and YouTube.
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

『70mm 思い出の大画面映画 第3弾!』ブローアップ70mm映画のお話しです。おそらくどちらも皆さんのよくご存じの映画!・・・トリヴィアを中心に進めてたいと思います。

さて、映画会社の顔として親しみを感じる『ロゴ』には、これから始まる映画への期待を高める力があるように思えます。映画はワクワクのロゴマークから映画が終わって照明がつくまで、 じっくり見るのが私の流儀!・・・そうなら、なおさらこんなパロディは不謹慎かも知れませんね。 でも、 私のユーモアを解する映画会社は多分これらを黙認してくれる気がします。
    (仮にしばらくの内に、ここから消える画像があるとすれば、クレームが入ったと思って下さい。 
01-Leo the Lion  MGM, etc.
【ユーモア・・・と言えば・・・】
昔々TVで大人向けの真面目な西部劇がありました。『ガンスモークです。マット・ディロン保安官役のジェームズ・アーネス(実弟はTV『スパイ大作戦』のフェルプス役ピーター・グレイブス)そして、 チェスター役のデニス・ウィーバー・・・スピルバーグ監督の『激突』・・・が出演していました。その有名なオープニングシーン、自らがユーモアを込めて作ったものをご覧下さい。(勿論、放映不可ですね。)こんないたずらもありましたよ。(笑)

ここに登場した各社の懐かしい作品から私のお気に入りを列記します。(公開当時の社名表記)
コロンビア映画:『アラビアのロレンス』『未知との遭遇』『エアフォース・ワン』『招かれざる客』『戦場にかける橋』『ラストエンペラー』・・・近年では『スパイダーマン・シリーズ』『007 慰めの報酬』等
MGM:『2001年 宇宙の旅』『グラン・プリ』『ベン・ハー』『ドクトル・ジバゴ』『風と共に去りぬ』
『007 スカイフォール』
20世紀フォックス:『サウンド・オブ・ミュージック』『王様と私』『スター・ウォーズ・シリーズ』『ダイ・ハード・シリーズ』『タイタニック(パラマウント映画共同製作)』『南太平洋』『タワーリング・インフェルノ(ワーナー・ブラザース共同製作)』

02-Leon Roar jurassic park, etc.
パラマウント映画:『インディ・ジョーンズ・シリーズ』『アンタッチャブル』『ゴッドファーザー・シリーズ『ローマの休日』『十戒』『シェーン』『ティファニーで朝食を』『地獄の黙示録』『プライベート・ライアン』『トップガン』『ミッション・インポッシブル・シリーズ』『OK牧場の決斗』『フォレスト・ガンプ/一期一会』等
ユニバーサル映画:『ジュラシックパーク・シリーズ』『ロレンツィオのオイル/命の詩』
ジョーズ・シリーズ』『大地震』『シャレード』『激突!』『トブルク戦線』TV:『刑事コロンボ』『ロックフォードの事件メモ』等
   これらの映画の内、海外を含めて70mmで上映されたことのある作品は青色で表示しました。 
  

トップガン Top Gun】👈(1986)トム・クルーズ、ケリー・マクギリス、ヴァル・キルマー
07-トップガン Top Gun (1986) Tom Cruise and Kelly McGillis
トニー・スコット監督の『トップガンでの成功で、トム・クルーズは一躍注目を集め、現在までその高い人気を保ち続ける大スターへの道のスタートとなりました。 また、 ケリー・マクギリスは、この前年に公開された『刑事ジョン・ブック 目撃者』(1985年)ではレイチェル役で、ハリソン・フォードと共演、『告発の行方』(1988年) では、地方検事補キャサリン役で ジョディー・フォスターと共演してます。 いずれの役もまるで異なる個性を演じています。  
  

では、早速トリヴィアを並べてみます。
・この映画が好評なことに乗っかったアメリカ海軍は、 メジャーな映画館に入隊募集のブースを設置しました。 その結果、映画を見終わってアドレナリンが高まった若者たちを捕まえようという作戦は大成功! それは何年もの間、 入隊志願者獲得数の最高記録でした。 (ブルース・リーのカンフー映画を見た後、 皆が強くなったような。) 
 

トム・クルーズはそれまでバイクに乗ったことがなく、 トップガンのためにバイクの運転を習ったそうです。
映画を見る限り、 私には彼が新米バイク乗りだなんて感じさせませんでした。なお、 トップガンで彼が乗っていたバイクは、 当時世界最速の市販車 
Kawasaki Ninja 900/GPz900R" です。(米国内で販売)そして、努力家のトムはその後バイクや車の運転がプロ級の腕前になりました。 (Mission Impossible:Rogue Nation )

 
・トム・クルーズはケリー・マクギリスと一緒のシーンで背を高く見せる特別なカウボーイ・ブーツが必要でした。ケリー・マクギリスは身長170cmのトムより8cmほど背が高かったので・・・。また、マクギリスは彼と一緒のシーンでは履物を脱ぐことに・・・。でも、そんなこと・・・まったく気にすることはないと思いますが。
■04-Top Gun (1986)
米海軍はこの映画のために実物ミサイル2発の発射シーンの撮影を認めました。 そして、 安定した姿勢の戦闘機からの発射シーンを撮り、いくつかの場面にこれを使いました。ところが、 模型の
戦闘機とミサイルを使った
その他の発射シーンがあまりにも見事だったため、米海軍は当初承認した2発を超えての発射シーンを映画会社に撮らせたのではないか調査しました。(笑)    上の紫色(アンダーライン)の文字をクリックすれば参考映像が見れます。
・パラマウント映画は、飛行中のF-14 (トムキャット) からの迫力ある映像を撮るため、F-14の製造会社グラマンに特別なカメラマウントの開発と設置を委託しました。
 
・パイロット役の俳優のほとんどが実際にF-14の後部座席に乗り込んで飛行中での撮影を経験しました。
ところが
、機内で嘔吐しなかったのは、マーヴェリックの相棒で劇中、戦闘機からの非常脱出で死亡するグース (ニック・ブラッドショウ) 役のアンソニー・エドワーズだけでした。 その後、 彼はTVドラマの『ER 緊急救命室』のマーク・グリーン医師として、シーズン1~8までの180話に出演しました。  
  
ヴァル・キルマーはこの映画への出演を望まなかったにもかかわらず、 契約上の義務からやむなくアイスマンを演じました。ところが皮肉にも、 この役がその後の彼の飛躍につながる代表作のひとつとなりました。本編以外のヴァル・キルマー出演作 (  ) 内は役名:ドアーズ(ジム・モリソン) 、『トゥームストーン』(ドク・ホリデイ)、『バットマン・フォーエヴァー(ブルース・ウェイン/バットマン)、『セイント』(サイモン・テンプラー) 等々 
 
・この映画はタイタニックと同じ『スーパー35』フォーマットで撮影されました。アナモフィックレンズ付きカメラは重く、Gのかかる旋回時でのカメラの転落を避けることやF-14のコックピットに収まる撮影システムからの選択でした。球面レンズで撮影された35mmネガからは、トリミングによっていろんなアスペクト比で劇場版をはじめVHSビデオやDVD版が製作されました。
・上映は、35mmはアナモフィックレンズ使用でアスペクト比は2.39:1、当時のテレビ用に1.33:1、 1998年に  DVD用に2.00:1が準備されました。 球面レンズ使用のブローアップ70mmは2.20:1ですが、 いずれもオリジナルのネガは、スーパー35方式(アスペクト比1.37:1)で撮影されたものです。
 (参考:『スーパー35については、前号の最後の方で概要を述べています。ブローアップ70mm映画 第2弾👈 
 
マーヴェリック役として名前のあがった俳優 ・・・ マシュー・モディーン、
パトリック・スウェイジ、エミリオ・エステベス、ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、マシュー・ブロデリック、ショーン・ペン、マイケル・J・フォックス、トム・ハンクス   ・・・   彼らは全員これを辞退したとのこと。  さらに、 チャーリー・シーン、 ジム・キャリー、 ロブ・ロー、 エリック・ストルツ、 ロバート・ダウニーJr. たちもマーヴェリック役を検討されました。 候補のひとりチャーリー・シーンは、1991年公開のコメディ『ホット・ショット』で、トップガンをはじめ話題となった映画のパロディー版👈に出演しました。    
  

【ミッション・インポッシブルから・・・】M:I-Ⅲ.Ⅳ 70mmプリントはIMAX用! (例外ながら参考に)
■05-Tom Cruise in mission-impossible-Fallout- etc. 01
ここで扱う70mm映画とは縦走行70mmフィルム映画を指しますので、同じ70mmフィルムでも横走行IMAXは対象外です。とは言っても、 ミッション・インポッシブル・シリーズはトム・クルーズの大ヒット映画!・・・避けて通る訳にはいきませんので、 写真だけでもどうぞ。
 

それにしても、トム・クルーズは撮影中に大怪我を含めて度々ケガをしています。 その訳は、彼が危険なアクション・シーンでもほとんどスタントマンを使わないからです。 ここまでやる俳優って ・・・ 他には、かつての超人ジャッキー・チェンくらいかと思っています。
■06-Tom Cruise in Mission - Impossible
通常、危険なシーン👈の撮影ではアクション専門の"スタントマン"を立てます。俳優が強く望んだからといって簡単に許可されるものではありません。CGでの特撮が多用される現在、 なぜトム・クルーズはそんな危険を犯すことが許されるのでしょうか? 
 

実写映像には、確かにCGや光学合成とは何かが違う生々しい迫力を感じます。このブログでも、 CGスタントマンについて触れていますが、 現実味を失わない程度の"CG"なら違和感を感じないのに、時に過剰な演出が気になることがあります。ドッキリするようなシーンが違和感のあるCG等での特撮だと気付いた途端、 多くの観客はシラけてしまいます。
しかし、トム・クルーズが生身で頑張っている👈のを知れば、一層ひやひやドキドキで緊張感のある映像になります。 これこそ見せる側の狙うところでしょう。 そして、それを実際にやって見せるトム・クルーズは本当に凄い俳優です。 こんなアクション・シーンが撮れるのは 彼の身体能力の高さや役者根性は勿論、 "ミッション・インポッシブル・シリーズ"👈の主たるプロデューサーの彼が自分自身に危険なシーンを演じる許可を与えているのかも・・・ね。 

   ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆--☆;;☆--:☆;;☆ ☆--☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆--:☆;;☆ ☆--:☆;;☆-:☆;;☆ ☆--:☆;;

未知との遭遇 Close Encounters of the Third Kind スティーヴン・スピルバーグ監督作品
◆ 01-未知との遭遇 Devils Tower and Mother Ship
前号でSFファンタジーの傑作に「E.T.」「ある日どこかで」を挙げていますが、何故この映画を挙げないの?と思われるでしょう。前記の2作は現在の科学ではあり得ない事象ですが、『未知との遭遇』は完全には否定出来ない事象を脚色しながらも、 壮大なファンタジーとして描いています。 その意味で、 1977年に公開された『未知との遭遇』はSF映画として、 正に異色の作品だと思うからです。 
 

それまでのSF映画は、海外・国内を問わず子供だまし!の域を出ないものも多くありました。  元々そんな映画への動員対象は子供!せいぜい子供連れの大人! 勿論、 良く出来た作品もあったのですが、映画好きの私は子供時代から、 特にSF映画の特撮に注目していました。仮にストーリーが荒唐無稽でも、特撮部分が自然に映像の一部として目に入って来るようなら合格! 監督や特撮スタッフのやる気が伝わって来るようで、 楽しめました。
そして、 子供がそのまま大人になったような?私のお気に入りのSF映画、 しかも、 CG等のデジタル画像処理が実用化される前の時代を代表する特撮映画として『未知との遭遇』を取り上げてみました。 これには「オリジナル劇場版」「特別編」「ファイナル・カット版」の3種類ありますが、私にはやはり「オリジナル劇場版」です。 

 
一方では、真面目な作品の中に興ざめする合成シーンもありました。そのひとつが『十戒』(日本公開1958年) で描かれた重要な場面での合成部分です。    岩肌に十戒を刻む激しい光!👈    ラメセス王が率いる軍隊の進攻を阻止する渦巻く火柱!👈さらに言えば、蛇に変身する杖のシーン👈 ・・・ 紅海の割れるシーンと比べても、 はるかに容易だったはずです。 『メリー・ポピンズ』や『ロジャー・ラビット』では大歓迎のアニメ合成手法も、『十戒』には通用しません。デジタル合成が出来なかった時代だったとしても、あの炎は・・・。 
 
なお、 白い眩い光線を別の映像に多重露出で合成すれば、 明かるい光線と重なる暗い映像のその部分が露光されるので、敢えてアニメ風の黄色い炎を合成することもないかと・・・。 一発勝負のポジフィルムの8mmフィルム映画でも、明かる過ぎない風景等の撮影後、必要秒数を巻き戻し、反射しない黒いボードに書いた白文字のタイトルを撮影すれば、 見事に風景にタイトルが写り込みます。 この手法では、風景とタイトルを撮る順番は問いません。
 
 

ちょっと脱線しましたが、異色のSF映画のお話し!(トリヴィア?進めていきます。
◆ 02-未知との遭遇 The lost ship is found in the desert.
この映画のクライマックス・・・そのラスト・シーンは、 まだ (?)人類は経験していません。(?) しかし、 その他のエピソードの数々は、 そんな体験をしたと信じている多数の人々が語った内容を基にして描かれていると言うのです。科学的に立証された訳ではないとしても、 長年にわたって発生してきたUFOとの接近遭遇等の超常現象の中には、頭から否定出来ないものもあるようです。 (あなた!まだ見ていない? UFOはともかく、 映画は是非ご覧下さい。) 
 

そして、UFOが関わる超常現象を解明するためのプロジェクトを米空軍が立ち上げ、ここで科学顧問に任命されたのが、アラン・ハイネック (J. Allen Hynek) だったのです。また、彼はノースウェスタン大学で教鞭をとっていた天文学者でした。俳優でもないハイネックを取り上げた訳は『未知との遭遇』の原題 "Close Encounters of the Third Kind" 第3種接近遭遇の分類を提唱した学者でUFO研究者だったからです。 邦題「未知との遭遇」も内容を反映してピッタリ! 
 
※アラン・ハイネック博士の提唱した『分類』とは・・・

 第1種接近遭遇:空飛ぶ円盤等の未確認飛行物体 (UFO) を150m以下の距離で目撃した場合
 第2種接近遭遇:UFOが生じさせたとみられる物理的痕跡がある場合(身体的被害、 車両や電気機器の障害等) 
 第3種接近遭遇:生物をはじめパイロットや乗員とみられる人間型ロボット等が乗ったUFOとの遭遇した場合

その後、 いくつかのUFO研究機関等がこれに続く分類を提唱し、 さらに細かく分類されました。但し、この映画が製作された当時は第3種までの分類でした。
 
◆ 03-未知との遭遇 The Sounds come from the sky. 01
この分類で言うと、上の2組の写真は『第1種・第2種接近遭遇』となりますね。
なお、この映画の出演者は、アメリカン・グラフィティ』『ジョーズ』リチャード・ドレイファス(本作と同年1977年に公開された「グッバイ・ガール」でアカデミー主演男優賞を受賞)、カンバーセーション ・・・盗聴』『トッツィーテリー・ガー(トッツィーでアカデミー助演女優賞にノミネート)メリンダ・ディロンフランスの映画監督『華氏451 』(但し、これは英国映画です。)のフランソワ・トリュフォーロッキー(同シリーズ)』『プレデターカール・ウェザース(ほんの少し登場)『ライトスタッフ』『エイリアン2、3』『クイック&デッド』ランス・ヘンリクセン子役のケイリー・ガフィー等々・・・。 そして、なんとアラン・ハイネック博士がカメオ出演しているのです。 
 

当時、UFOが人類・・・特に米国にとって脅威かどうかを検証していたNASAと米空軍は、この映画への協力を拒みました。 そして、東西冷戦という背景もあり、国内で大混乱等を起こす危険性から、この映画の公開に反対したNASAは、スピルバーグに20ページに及ぶ手紙を送ったそうです。 空軍が主導するUFO研究プロジェクト(プロジェクト・サイン → プロジェクト・グラッジ → プロジェクト・ブルーブック) の顧問に任命され、当初は科学的な分析でUFOを説明しようとしていたハイネックでしたが、調査を進めるにつれて科学では説明しきれない数々の現象の報告に触れ、その板挟みに苦悩していたとも言われていました。『何かが起こっている!』と考えるようになったハイネックの主張は当初のUFO否定派から肯定派へと変わっていきました。 
 
そして、それはプロジェクトの閉鎖後、 UFO研究センター(CUSOF)を創設して最初の長となり、 さらにUFOの研究を継続する原動力になったのです。 そんな時、スピルバーグから「未知との遭遇」で描かれるエピソード等へのアドバイスとカメオ出演の話が持ち込まれたのです。スピルバーグは脚本の参考にハイネックの "The UFO Experience: A Scientific Inquiry"(UFO体験:科学的調査・・・注:私の勝手な和訳)を既に読んでいたのです。

◆ 04-未知との遭遇 Devils Tower and UFO
『未知との遭遇』で象徴的なシーンとして登場する デヴィルズタワー"Devils Tower" は、米国ワイオミング州にそびえ立つ岩山で国定記念物となっています。
なお、本来なら "Devil's Tower" と表記するところを"Devils Tower" と、アポストロフィが脱落した間違った表記で指定してしまったものの公式な訂正がないこともあり、今では "Devils Tower"  が定着しています。(笑)   また、先住民族の信仰の対象となっているこの岩山は、麓からの高さが東京タワーより高い約386mもあるとのことです。 
・母船
の着陸に適した山岳地帯を見つけるために、美術全般の責任者ジョー・アルヴェス西部地区を4000km以上も駆け回わりました。 そして、このデヴィルズタワーの選択は映画のヒットにも大いに貢献したことと思います。 

◆ 05-未知との遭遇 Mother ship and pretty Aliens
スピルバーグ監督は、この映画の2年前に公開され大ヒットした『ジョーズ』の撮影でいろんな苦労を経験しました。 そのひとつが気まぐれな天候でした。 昔、私自身のアマチュア映画づくり (ポジフィルム使用) の撮影や編集で苦労したことに、 やはり天候がありました。 晴天と雨天ほどの差はなくても、雲の量や影の向き等は勿論、色調・明度・彩度・・・被写体深度等々、 編集を困難にする要素はたくさんありました。  さらには、 屋外セットでの照明の制御等には、プロだからこそ要求される困難を覚悟する必要があるでしょうね。昔の西部劇などの屋外シーンで、人気俳優の姿が暗くなるのを避けるための照明で、人物の影が出来ているのをつらい気持ちで見た覚えがあります。銀レフの方がよかったと思いますが・・・。 
 

そう言えば、 『サウンド・オブ・ミュージック』のオープニング!👈   美しい山々や湖などのシーンが続き、丘で待ち構える ジュリー・アンドリュースに近づく空撮から地上の撮影に変わった瞬間、背景の青空がどんよりした曇り空になっていました。 ネガとポジを使う商業映画では、ポジへの焼き付け時での各種のフィルターや光量等の調整で、私が苦労したほとんどの問題は救済出来ますが、デジタル処理が出来なかった時代は、写り込んだ不要な雲を違和感なく消したり、 雨天を晴天にするのは不可能で、 出来ることと言えば・・・ひたすら待つことでした。 
 

そこで、スピルバーグはこれらの問題を、天候に左右されない屋内撮影で回避することにしました。そして、 撮影場所として決定したのは、 米国アラバマ州モービル市の使われなくなっていた巨大飛行船用格納庫でした。
そこに造られた着陸地点の大きさは、
: 76m、 長さ: 137m、 高さ: 27mもありました。なお、この格納庫は建て替えられて
、現在はブルックリー・フィールド工業団地の17番ビルの5番・6番に位置しています。(笑)
◆ 06-未知との遭遇 Set and Miniatures
・ 格納庫内の撮影は、天候を気にしなくてもよい代わりに、フットボールの競技場より巨大なセットは、大量の照明器具を必要としました。(上の精巧な道路等のミニチュアにはこの巨大セットは使いません。 当然ですね。)
夜景に写る背景のすべての星、 遠くのたくさん木々・丘・道路などは特殊効果(合成)の映像👈です。 また、普通の場面のひとつ  ・・・  ドレイファスが演じるニアリーのトラックが田舎道を走っているシーンもこの手法での映像です。ほとんどの夜間シーンは、 星のないセットでの撮影でしたから。 
 

写真に詳しい人はご存じでしょうが、夜間、照明を使って風景や人物を撮っても背景に星は写りません。星が写るためには、数秒から数十秒の露出が必要となります。ましてや1秒間に24コマ使う映画 ・・・ そのままでは、星は絶対写り込みません。仮に、スティル写真で1枚当たり十数秒間露出してでも撮ろうとすれば、暗闇の中、星空をバックに星の露光が完了するまで、 背景の木々は風にそよぐことも出来ず、 登場人物はその間息を止めて微動だにしないことが必要です。 そして、最後に人物等に適切な光量でフラッシュを一発!   これで背景に星空が写るはずです。では、なぜ暗闇で静止なのかって? そうしないとあなたの顔や服は露出オーバーで白く飛ぶか、なんとか写っていた場合も、今度は顔や洋服の上に星が写り込んでしまうかも知れないからです。  映画ともなると、わずか5秒のシーンでもこれの繰り返しが120回! おそらく出演者のために救急車を呼ぶことになるでしょう。  ・・・ 
やはり、ブルーやグリーンのバックを使う特撮担当の出番ですね。
(この映画の背景の星は、 特殊な用紙に低圧のエアブラシで、白い塗料をプチプチと飛ばして作ったそうです。)
 
・ここのセットを使ったいろんなUFOとの遭遇や母船の着陸シーンでは、 出演者はUFOに見立てて頭上に吊られた照明機器の動きに合わせて演技をすることになりました。そして、それらのシーンを撮影するために、200名のエキストラへの新たな振り付け(動き等の指示)が必要でした。 
 
・ UFOの合成が完了した映像を見たドレイファスは、 こういう映像になるのなら、驚きなどの反応は違っていたとか、 トリュフォーも、無いものを見ているように演技するのは困難だ!との不満もあったようです。 それは、彼らの撮影時期には、まだ母船の姿が未確定で、スピルバーグは膨大な絵コンテのスケッチを見せて説明するしかなかったのです。そのため、双方が母船についての共通したイメージを描けなかったのです。これらも撮影スケジュールの遅れやコスト増を招きました。
そこにないUFOを、あたかも見ているように演技する俳優たちも大変でしたが、実写と特撮を注意深く編集する作業は、スピルバーグはじめスタッフも大変だったことでしょう。巨大なエイリアンの登場で、 人の視線が下方を向いているなんて。しかし、 そんな苦労を感じさせないシーンが次の写真の中央から右方にあります。
◆ 10-未知との遭遇 Close-Encounters-of-the-Third-Kind-
この映画のSFXスーパーバイザーのダグラス・トランブルは、『2001年 宇宙の旅』でも特撮を担当しました。
スピルバーグは、 彼がいなかったらこの映画を作ることが出来なかったと言う程、 信頼をおいていました。 確かに前述した通り、もくもくと不気味に広がる雲、UFOが頭をかすめるように飛来する様などは、本当によく出来ていました。特撮と分かっていながらも驚きの連続 ・・・ さすがにトランブルの仕事でした。
・モクモク雲の撮影はどうやったのでしょうか。3つ上の写真にその現場があります。 その雲! トランブルは、水槽に
塩水を半分入れ、 そこにゆっくりと淡水を満たしました。 次に上層の淡水部分に細いパイプで白塗料を注入すると、 塗料は軽い淡水を通り過ぎ、 より重い塩水の上部で平たく広がっていったのです。 そうして出来上がった雲を実写映像に合成することで、皆さんが見た不気味な特殊効果の映像を完成させました。👈

こういった特撮を、母船や精密な道路の模型製作などを担当した
グレッグ・ジーンたちが支えたのです。
上の左端下、 極端な三角形の道路のミニチュアが、 彼らの手にかかると道路そのものになります。 これも目の錯覚を利用した特撮技術です。 砂漠で発見された貨物船のシーンも、手前から遥か遠くのラクダやヘリコプターまでしっかりピントがあっており、 手前の貨物船が巨大!だと錯覚します。  "F
orced perspective"と呼ばれるこの撮影手法は、 他の映画でも使われています。 (逆に、 本物をミニチュアに見せる私が作った画像もあります。  飛んでる音好き爺 2016.5.30号趣味のごった煮」👈紫部分をクリックして下さい。)

・このセットで撮影されたシーンは上映時間の20%程ながら、撮影期間の50%を占めました。 
◆ 07-未知との遭遇 Close-Encounters-of-the-Third-Kind
上の写真は、クライマックスで登場する母船👈 映画の中のUFOはどれも光で覆われていて全体像がはっきりしません。そこで、 写真で母船の姿をじっくり見て頂くことにしました。 でも、 このままでは様になりませんね。 やはりUFOの出現は夜間限定なのでしょう。   
 

・UFOや母船のイメージ確定には、関係するスタッフは大変苦労しました。しかし、そこにはユーモアを解する彼等らしい遊び心もうかがえます。 それが、上の右方10枚の写真に残されています。UFOの明かりに『スター・ウォーズ』R2-D2! 逆さまに映っています。 さらに母船にもR2-D2、ダース・ベイダー/タイ・ファイター、バス、『ジョーズ』サメ、 郵便ポスト、 お墓! これでもかと言わんばかりに、 かわいい模型が散りばめられています。   勿論、母船のシーンで、これらは ・・・ 小さ過ぎて見えな~い!  とは言え、 母船のSFXのスタッフは、 より複雑な外観を得るため、これらのミニチュアを取り付けたという説明もありますが・・・。(笑)
 

ところで、映画に登場する母船のイメージはどのように生まれたのでしょうか?
スピルバーグは、既に前述の方法でUFOと遭遇する人物のシーンを撮り終えていました。
そして、 その後のインドでのロケで毎日通り過ぎていた巨大な石油精製所の夜景の美しさに触発されたのです。無数の明るいライト! 照らし出される複雑なパイプ群! それまで思い描いていた暗く巨大な母船は、無数のパイプや光で埋め尽くされた明るい母船の姿に変わったのです。  また、着陸する側の底面のイメージは、スピルバーグがロサンゼルスの丘からサンフェルナンド・バレーの街の明かりが広がる夜景を逆さまにして見た時に決まりました。
それまでの暗~く巨大で不気味な母船のイメージは、明るく綺麗で脅威を感じさせない姿になりました。 下に掲載した画像は、「未知との遭遇」の主なロケ地と母船のイメージ決定に貢献した石油精製所やサンフェルナンドの夜景などを参考のため準備しました。(笑)
◆ 09-未知との遭遇 Close-Encounters-of-the-Third-Kind-
なお、これらの多くはPinterest.com 提供の画像を使わせて頂きました。感謝いたします。
こういった写真は、 このブログを立ち寄られた方に役立っていると思っていますがいかがでしょうか。余分な情報も多いかも知れませんが、 興味のあるところを取捨選択して頂ければよいと、 来訪者になった気持ちで掲載を判断しています。楽しんでもらえれば幸いです。(笑)

UFOと音楽での交信を担当するジーン・クロード役で登場した人は、俳優ではありませんでした。セットで使うシンセサイザーのセッティング作業や演奏をテストする技術者だったフィリップ・ドッズの様子を見たスピルバーグが、彼に映画に出演してくれるように頼んだのです。重要な役でもあり、正式にクレジットされる俳優として扱われました。

・映画は、ニアリーの他、選ばれた人たちがこの母船に搭乗して地球を離れていくシーンで終わりました。 それから5年、 母船に乗リ遅れてひとり地球に残される映画が『E.T.』です。 どちらもエイリアンを友好的に描いています。スピルバーグは、『未知との遭遇』の続編のイメージをいつしか『E.T.』に重ねていたのかも知れませんね。
◆ 08-未知との遭遇 Close-Encounters-of-the-Third-Kind-
・ケイリー・ガフィの演技?が素晴らしく、彼の写るシーンは1~ 2回の撮影ですみました。そのため皆からは  "One-Take Cary"と言われました。(一度の撮影でOKとなることを意味します。)
・当時4歳のケイリーは、 母船から降りてくる斜面のシーンで、 滑り落ちないようにバレエ・シューズを履かされましたが、後年、成長した彼はこれが恥ずかしかったと述べています。 小さなエイリアンに扮した子供たちが、少し年上の女の子ばかりだったこともあるのでしょうね。
ところで、 
大勢の人々が迎える中、光り輝くスロープを降りて来る小さなエイリアンたちのシーンを、よ~く見ると、
滑って転んだりしている子を2~3人見つけることが出来ます。ケイリーのバレエシューズは正解でしょう。 だって、バレエシューズを履くことより、滑って転ぶ方が恥ずかしいから・・・・。(笑)
  
ところで、皆さんは『未知との遭遇』を70mm映画としてご覧になりましたか? それとも35mmでしたか? 同じ映画・・・どっちでも変わりない? このブログでも度々触れて来ましたが、 デジタル音響のなかった当時、 35mmプリントはDolby Stereo (マトリックス方式)、一方の70mmプリントは6トラックの立体音響・・・ 70mmプリントでコストがアップしても、スピルバーグは音響面で優位な70mmでの公開を決定しました。そして、大画面と大迫力の音響は、この映画の魅力を確実に高め、大ヒットとなったのです。 
 

また、この映画の特撮が関係するシーンは、 すべて65mmのネガフィルムで撮影されました。 フィルムの映像は、合成するたびに画質が落ちます。合成でも画質劣化がないデジタル処理とは、 ここが大きく異なります。 そこで 70mmの合成処理による画質劣化(粒状性の目立つ映像がざらつく状態)を見越し、 合成のない35mmフィルムを70mmにブローアップした時の粒状性とほぼ合わせることで、 違和感のない特撮シーンが出来たのです。逆に35mmプリントの上映では、 多少の画質劣化も70mmからの縮小で35mmと同等の粒状性が保てます。
スピルバーグをはじめ特撮スタッフのこだわりは、正にプロの仕事への姿勢なのでしょう。
・上映:35mm版 アナモフィックレンズ使用、 アスペクト比=2.39:1、 音響=Dolby Stereo
    70mm版(ブローアップ)球面レンズ、 アスペクト比=2.20:1、 音響=6-Track いずれもメトロカラー
・撮影:カメラ=パナビジョンPSR R-200、パナフレックス、35mm アナモフィック、70mm 球面レンズ
            (特撮に関わるシーンはすべて65mmネガフィルム〔イーストマン〕を使用)

・この映画の音楽を担当したのは、ジョン・ウィリアムズ👈『ジョーズ』でも一緒に仕事をしたスピルバーグからの説明を基に、 映画の編集前に曲が完成していました。これらの曲が気に入っていたスピルバーグは、 通常の作業とは逆に音楽に合わせて映画を編集しました。これによって、 完成度の高い音楽性を失うことなく、 荘厳さなどを伝えることが出来ました。
最後にもうひとつ!未知との遭遇の象徴的なメロディは、スピルバーグとウィリアムズが、数百もの組み合わせの中から偶然に見付け、 二人が気に入ったものだったそうです。

今回号も大変長くなりましたが、最後までお付き合い頂きまして有難うございます。
なお、予定していた『インディ・ジョーンズ・シリーズ』『地獄の黙示録』は、改めて取り組みますので、今回はどうぞご容赦下さい。では、次回のご来訪をお待ちしております。

:--☆--:☆;+;。☆;+。・゚・。;+;*:--☆--:*:--☆--;+;・。;+;☆;+;。・゚・。;+;*:-☆--:*:--☆--:☆;☆;+;。・゚・。;+;☆。;+;--☆--* 
  • お願い : ブログに掲載する写真はスターの公式サイトは勿論、新旧を問わず ”Pinterest"  に参加の皆さんの協力を得ました。大変有用な検索サイトです。さらに、自分のPCに保存している多くの写真を使うことになりますが、著作権等のチェックはほとんど不可能となっています。そのため掲載に支障のある画像がある場合には、ブログの管理会社経由のご指摘によって善処する旨の表示をすることにしています。
    商業利用が目的ではないことから、関係者のご理解をお願いしたいと思います。 
    また、映画や楽曲の紹介については、YouTubeなどへリンクを利用しています。感謝しております。 

      
  • I have many images saved on my PC, but it is almost impossible for me to check copyright. 
    If there seems to be trouble in posting, please point out via the administrator. I will promptly do the best.
    Thank you everyone, especially who registered for Pinterest. 
    I also appreciate IMDb and YouTube.
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

ご来訪頂きどうも有難うございます。
先ずは、レオンが我が家の一員となった生後2か月頃からを写真で紹介しますね。
レオンの成長 自己紹介
 ※レオンも初代ボルゾイのアーサー同様、6~7か月でとんでもない大きさに! でも、不思議とかわいい! 我が家の愛犬ボルゾイのレオンとアーサー! たびたび登場しますので、よろしく~。

【音楽の鑑賞のために目指す音づくり・・・映画(映像)から学ぶ】
さて、前回『自分の目指した音づくり①』では、可聴域外・・・特に高音域の再生がその音楽の鑑賞に、果たして本当に重要な要素なのか・・・などと、自分の聴覚の悪さを棚に上げて、皮肉交じりにお話ししてしまいました。今のところ、私の主張を撤回するつもりはありませんが、映画に関しての自分の考え方が180度変わったこともあり、将来も(私が健在なら)考え方が変わらないという自信はありません。(^-^)
 
【スペルタクル・・・人間が小さく見える圧倒的なスケール感!・・・ダイナミックレンジ拡大】
映画に関するその考え方とは・・・・CGなどデジタル技術を使った映像の加工など予想もしなかった昔のことです。SFの特撮や史劇などの大作に見られるスケール感も、目の錯覚の利用を含めて、映像技術の集大成が映画だと思っていた頃に遡ります。 
風と共に去りぬ 十戒ベン・ハースパルタカスクレオパトラアラビアのロレンス等・・・。どれもスペクタクル映画の代表作かと思いますが、これらの中には広大な背景に数えきれないほど大勢!の人たちが映るシーンもあります。若い人たちの中にも観たことがある方は多いかと思います。
●crowd scene H650
これらのシーンのいくつかにはマットペイント等での光学技術を使った合成もありますが、大画面を埋め尽くす群衆や兵士が登場する場面では、私はスクリーンの両端にも注意を払うことになります。しかし、カメラのパンで突然かつ不自然に群衆が途切れるのを見たことがありません。 これが画面の外側にも人がいる! いる筈だ ・・・映らなくて気の毒だけど『エキストラ』が配置されているように思わせるのです。実際には製作費の都合もあり画面の外は徐々にまばらな配置になったかと推測しますが、映らないエキストラが100名なのか1000名なのかはともかく、彼らの演技や動きが、実際に画面に登場する周りのエキストラにも影響を与えた筈だと思います。 これはクローズアップでの演技で相手が映っていなくても、その視線の先には相手となる人物(俳優とは限りません)がいました。一人芝居・・・ これもあるでしょうが、よりリアルな感じを出すために必要な演出かと思います。
ドラマでもスペクタクルでもこういった手法で、一層インパクトのあるリアル感を醸成して来たのではないでしょうか。

これらの画像はシネマ速報、Gigacine他からお借りしました。(掲載に支障があるようでしたら、
管理者経由でお知らせ下さい。直ちに善処します。その他の画像も説明のため是非とも必要な画像ですので・・・。)

マットペイント vs CG の例
CGを駆使した特撮・・・そうと分かっていても驚嘆!】
    ・・・・ 映画(映像)に対する考え方が変わった!・・・・

私の映画 (映像) への考え方を変えたこととは、デジタル技術を本格的に駆使したCGを組み入れた多くの映画が登場して来たことです。
アビスターミネーターの2作目、そうそう恐竜が暴れるジュラシックパーク、それにタイタニック、後年のスターウォーズもそうでしたね。観客の多くは、CGを全編に使った映画、しかもメイキング映像を見た後でも、それらの映画を十分に楽しむことができます。崖やビルから主人公が落下するシーンでは、昔の映画ならスタントマンも命がけで大変!なんて思ったりしましたが、今は余程のことがない限りCGなので安心して見ることが出来ます。
また、一方では、主人公は不死身か!と、映像のリアルさも行き過ぎると、私にはかえって不自然に感じられますが・・・。
とは言え、大観衆のシーンが、着色した綿棒を無数に並べてコンピュータ処理した映像だと知っていても、そのスペクタクルには・・・驚嘆してしまいます。(一部の映画ファンには不満が残るかも・・・) 当然、画面の外側に対してかつて私が心配したような、映らない群衆からの影響も考慮する必要はないでしょう。従って、自分にとって見えない、 感じない、聞こえないデータはカットしても致命的にならないのでは!との考えに変わったのです。

【アナログとデジタル・・・注目の最新技術】スケール感を描き出す!
では、興味深い映像を紹介します。 かつての ベン・ハー(1959年公開)と最新のデジタル技術でリメイクしたベン・ハーのスタッフとキャストの登場する予告編の一部と、ベン・ハー(2017年公開)のデジタルでの映像をご覧下さい。(下線の文字をクリックします。)
さあ、いかがでしたか? 最終的にはどちらも迫力いっぱい・・・素晴らしい出来ですね。

さて、新しい映画にも、デジタル映像の背景製作にマットペインターが活躍しています。
この分野では世界的に有名で素晴らしい技術を持たれる上杉裕世氏の作品と絵筆をマウスに持ち換え、デジタル・マットアーティストとして活躍されていることもお伝えします。
 GIGAZINEのサイト ≪ http://gigazine.net/news/20120823-analog-mind-cedec2012/ 
 上杉裕世氏 Wikipedia ≪ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8A%E6%9D%89%E8%A3%95%E4%B8%96
上杉裕世氏 001
※左はダイハード2のラストシーン 中央と右はILM製作のスターウォーズ・エピソードⅢでの背景のマットペイントです。
そして、このような映像製作の手法は『音』の世界にも当てはまるかも知れないとの思いからお話しを進めます。

五感・・・・第六感
人間の五感、改めて言うこともないでしょうが、≪視覚・聴覚・触覚・味覚・臭覚≫の五つの感覚です。でも、何か大きな感覚をもうひとつ!お忘れではありませんか? 第六感です。
このブログは学術的なものではありませんので、聞き流してもいいですよ。(*^-^*)
この第六感については、前述の五感ほど科学的な裏付けが確立されているように思えませんので、ある意味でうさんくささもあります。直感や勘などは普段から馴染みもありますが、予知能力、霊感となると、ちょっと別物と感じてしまいます。
今まで蓄積して来た知識や経験を基に、確証もないままそれを正しいと思ってしまう私たちの偏見・思い込みによる判断! また逆に、ある部分では疑問を持ちながらも、知識や経験に加えいろいろなデーターなどを総合的に精査した後、あり得る結果を的確に予測することなど・・・。 これも直感や勘のひとつ、第六感と考えてみましょう。

いい音で音楽を聴くためには、今の機器の2倍、いや10倍の予算をかけないとダメ!・・・これなどは最悪の例です。アナログ時代には、機器によって音が変わることはよく言われており、実際に経験することもありました。中でもレコードプレーヤーやカートリッジによる音質の違いやスピーカーによる音の違いは顕著でした。しかし、デジタル音源の音楽再生が主流の現在、音質に大きな違いが出る機器は、ひと口で言えば『スピーカー』でしょうね。
アンプやCDプレーヤーにも個性はあるようですが、価格に比べて欲張った機能や着飾った外装の機器は別として、定評のあるメーカーの製品であれば普及機でもかなり優秀だと思っています。メーカー名をいくつか挙げればよいのでしょうが、ここでは控えます。先入観や偏見はない方がいいかと思いますので・・・。

そうは言っても、せっかくですからスピーカーを通信販売している興味深いメーカーがありますので、ちょっと触れたいと思います。
音工房Zhttp://otokoubouz.com/あまり聞かないメーカーかも知れませんが、スピーカー及び音楽の再生環境を整えるための周辺部材等を製作しています。
残念ながら、私はリタイアの身であり予算が取れないため、是非聴いてみたい彼の作るスピーカーを未だに生で聴くことが出来ず、悔しい思いをしています。その訳は、代表者である大山美樹音(ペンネーム)氏の音へのこだわりや製造過程の詳細をネットで公開するなど、真摯な音づくりの姿勢が伝わってくるからです。 そして、音響に大変詳しいお仲間も多いようで、音響専門メーカーの技術者、さらには音楽プロデューサーのお薦めCD紹介など、ハードからソフトまで幅広い支援を受けてみえることからも氏の人柄が感じられます。 私は数年前に偶然Webでこの代表者を知り、その後ずっとこの会社の製品やその姿勢を見てきました。比較的小型のスピーカーですが、その試聴の様子などを測定器のデータが見える映像も公開するなど、そのポリシーは一貫しており、大変好感の持てるメーカーです。
音楽鑑賞に初心者もベテランもありませんが、どの段階の方であっても、この小型のスピーカーを私に代わって聴いてもらえたらうれしいですね。 これは私の第六感!!です。そして、ある日、私の部屋から大山氏の音が聞こえることを願っているのですが・・・。

さて、ずいぶん長い前置きになりましたが、以前このブログで、良い音とは心地よいと感じることができる音では、とお話ししましたね。
でも、『心地よい音』という感覚は人によって様々で、さらに聴く楽曲必要とする音量聴く場所などによっても違って来るでしょう。
例えば、小編成のクラシックの弦楽曲では、音に滑らかさや繊細さを求めるでしょう。同じ小編成のジャズ・・・しかもオンマイクでの録音では、各楽器の音の明瞭さや力強さ、スピード感を求める人もいるでしょうね。
※オンマイクとオフマイクについて、ご存じの方には説明不要ですね。飛ばしてください。
オンマイク ・・・ 楽器等の音源の近くにマイクを設置し、狙った音が録りやすくする。広い会場でのライブで音響機器に つなぐマイクの多くはオンマイク。この逆のオフマイクは楽器の音が中心ではあるが、会場等の響きや聴衆の反応も併せて録りやすい。勿論、これらの併用も。〕

 
【ダナミックレンジの大きさを演出・・・再生音から感じる迫力・爽快感】
大編成のオーケストラの楽曲では、 また別の要求も加わります。 クラシックでは尚更ですが、ラヴェルの『ボレロ』のようなダイナミックレンジの大きな曲をしっかり再生できることも重要です。 Ravel: Bolero Orchestre symphonique de Montréal Charles Dutoit, conductor
       下図はダイナミックレンジの大きな楽曲の実際のアナライザー画像を切り出してみました。
この画像はクラシック楽曲の音量推移です。Net
では、こんな多様な要求を果たして、一組のスピーカーで満足に再生できるのでしょうか。
難しい疑問ですが、これは可能でもあり、可能ではない・・・というお答えをします。音への好みや要求は、前述のように皆さん異なるから・・・・と言ってしまえば、このブログのオーディオ部門、これで終わちゃいますね。いいえ、まだ重要な続きがあります。
私たちは、スピーカーから出た音をそのまま聞ける訳ではないことを知る必要があります。
オーディオを趣味としている人たちには、スピーカーなどの機器の能力を十分発揮させるために、これで苦労している人も多いはずです。音楽を聴く環境・・・『部屋の状態』によって大小の差こそあれ、再生音は必ずその影響を受けているということです。

【音楽を聴く環境の影響、時として無視できない!?・・・常に無視できない!】
スピーカーから出た音は波のように拡散していきます。音波というのも納得ですね。指向性の少ないスピーカーはさらに拡散範囲が広がります。音の高低(周波数)によっても広がり方は違ってきます。周波数が高い音に比べて周波数が低くなる程、音はよく広がる・・・・スピーカーボックスの正面ではよく聞こえたのに、後ろ側では高音域が極端に減衰する・・・ こんな現象はよく経験することですね。それにもうひとつ、音源が遠いほど、音が小さくなって行きますね。波のように減衰し、いつかはなくなるからです。これはイヤホンやヘッドホンを外すと、音がほとんど聞こえなくなることで経験していますね。
それだけならば、スピーカーを聞き手に向ければよい訳ですが、そうはうまく行きません。
その理由は部屋の影響を受けるからです。壁、床、天井・・・さらには窓やカーテン、家具等々、いろんな物の影響を受けることになります。良い響きは、音に潤いや安らぎ、広がりなどを与えてくれますが、過剰な反響・・・ 残響、これは音楽の繊細さや音の明瞭さを奪ってしまうでしょう。例外として、浴室での響きや電気的に残響を付加するカラオケ・・・ こちらはちょっと趣きが違いますので、触れないでおきましょう。 
 

ダナミックレンジの大きな音楽などをより良い状態で再生するための環境、そのひとつは、リスナーにとって『必要な最大音のための遮音性』と『最小音のための静寂性』の確保! 

今回はここまでとしますが、ダイナミックレンジを確保するための部屋などを含め、今後、少しずつ触れていく予定です。音づくりのシリーズ、どうぞお訪ね下さい。
なお、一回分としては話が長過ぎたと反省していますが、オーディオマニア向けでないと、お断りした手前、どうしても説明がくどくなってしまったのでは、とも思っています。

では、次回、『私の目指した音づくり その③』で、目指した音楽の再生!へと続きます。
是非、またお訪ねくださいね。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ